製品をより美しく、堅牢にコーティング

 製品をより美しく、堅牢にコーティング
表面処理のエキスパートが本格始動

多種多様な材料が用いられている成形品へのプラスチックめっきを得意とする白金零部件(常州)有限 公司。日本の本社は、創業60年以上に渡りめっき一筋で技術を培ってきた老舗企業。年々規制が厳しくな るなか、2012年より常州で操業を開始した。今回は、代表取締役の笹野恭史氏に中国での事業ビジョン について伺った。

◆日本ではめっき会社の模範企業

長く美しく使う上で、品質の鍵となるのが めっきだ。白金零部件(常州)有限公司は、高 度な技術が要求されるプラスチックめっきや 難易度の高い特殊プラスチック部品へのめっ きなどで、長年にわたり信頼を集めてきた名古 屋市にある白金鍍金工業株式会社の中国生 産拠点だ。

めっきは製造業の中でも環境負荷の大きな 業種だ。そのため日本本社では早くから環境 に対する取り組みに力を入れてきた。ソーラー システムやコージェネレーションシステムの導 入、工程内で利用される水を全て再利用する 無排水処理システムの開発に力を入れてきた ほか、地震国日本で万が一の災害時に、名古 屋市からの要請により同社が保有する水道水 や井戸水を地域の住民に供給するシステムを 構築した。このように建屋から機械装置、排水 処理システムに至るまで、環境に優しい工場 づくりを実現している。

そうした経営姿勢が評価され、環境への取 り組みで他の模範となる企業に与えられる「名 古屋市エコ事業所特別賞」を受賞。愛知県の 優れたものづくり企業に与えられる「愛知ブラ ンド企業認定」のほか、経済産業省の「元気な モノづくり中小企業300社」にも認定されるな ど、日本の製造業を牽引する存在としての地 位を確立している。

◆やっとこぎ着けた操業

同社の中国進出のきっかけは、日本国内の 将来的な仕事量の減少をにらみ、ある程度企 業の体力があるうちにという経営判断からだ。 この背景には、日本の顧客が、すでに中国で 生産を開始していたこともある。

常州に決めた理由は、常州新北区からの誘 致もあった。それは中国での環境規制が強ま る中、常州の要人が日本本社を視察に訪れた 際に、めっき排水が流れている川で大きな鯉 が泳いでいるのを見て、同社の環境対応を信 頼したことが大きな要因となったであろう。ま た日本側も、常州の街並みの美しさにもひか れたという。しかし、中国進出は予想以上に厳 しいものだった。2008年以降、めっき業の中 国への新規参入はほぼ不可能となっている が、同社ではぎりぎり申請時期は間に合ったも のの、営業許可取得まで約3年、その後の工場 建築?機械搬入でさらに2年という月日が必要 だった。またその間に、環境規制や顧客の環 境も大きく変化した。

2011年3月、ようやく営業許可は下りたもの の、まさに東日本大震災の直後で、日本だけで なく世界中のサプライチェーンが大打撃を受 けた時期だった。同社も影響を受け仕事量も 激減。中国進出を諦めようとした時、中国事情 にも詳しい第一実業株式会社の出資を受ける ことが出来、今に至るという。

◆逆境をチャンスとする実力

毎年のように市場環境が大きく変化するな か、逆境を次なる力と変えてきた同社でも戸 惑ったのが、中国の変化の速さだ。

「市場変化の速さはもちろんですが、最も驚 いたのが、環境規制の強化のスピードです」と 笹野氏は話す。名古屋で規制のないニッケルま で排出基準0.1ppmが求められる。また建屋に 降った雨水まで監視対象とされるなど毎年規制 は強化されるばかりであり、今後もめっき企業 に付加される規制は増えることが予想される。

しかし、こうした苦労を笹野氏は「確かに当 初予定したよりも、多くの初期投資が必要とな りました。しかし、これはチャンスでもあります」 と前向きにとらえる。中国政府がこのように環 境に妥協をしない姿勢を見せ、外資企業とほ ぼ同等の規制をローカル企業にも要求するよ うになる潮流だからだ。現在はさまざまなレベ ルのめっき会社があるが、かつて日本でめっ き会社が淘汰されたように、中国でも市場の 再編が進むと予想される。

そのようなときこそ、同社の強みが発揮さ れるだろう。現在の顧客は、主に日本でも取 引実績がある日系企業で、自動車の部品や自 動車の部品や水廻り部品などだが、今後は 中国系の開拓も進める。

◆2014年より本格量産体制が始動

現在、常州の工場では、来年からの本格量 産体制を整えつつある。中国では、合弁会社 である第一実業㈱100%出資の中国現地法人 である上海一実貿易有限公司より総経理とし て河内(こうち)氏を迎えた。また、技術面では 日本からの応援体制も整え、現地スタッフの 教育も進んでいる。多くのサンプルを供出し、 日本では取引がなかった新たな顧客を柔軟に 開拓中だ。

工場内を歩くと、すれ違う中国人スタッフ が、明るく「你好」と声をかけてくれる。5Sはも ちろんのこと品質管理工程を図示し、各人の 責任の所在が目で見てわかるように工夫され ている。これまでに日本で蓄積してきた技術を もって、中国で金型、成形からめっき、そして組 立までの一貫生産体制をめざす。そして、技術 も管理体制も日本と同様の「人と技術と環境 の調和を図り、新しい時代に俊敏に対応でき る企業を造る」という精神を堅持する。そして、 ここ中国でも顧客第一、社会への役割、環境に 対する責任ある姿勢を貫いていく。

白金零部件(常州)有限公司
城 雄大 (日本語:183-5122-6796)
E-mail: takehiro.joh@djk.co.jp
陳小波 (中国語:180-1826-2697)
E-mail: chenxiaobo@siraganecz.com

上海一実貿易有限公司
自動車プラスチック事業部
担当:久野(くの) 貴之
(138-1668-0296)
E-mail: kuno@djksh.com