第3回「従業員募集・採用時のリスクと対策」

近年、労働法規・法律がさらに厳格化されるとともに労働者自身 の自己権益意識も強まりを見せており、労使間の紛争が頻繁に発 生する状況が続いています。このような労使紛争は企業の生産を 正常に進められなくなるだけでなく、紛争を解決するための多大な コストも発生します。そのため、従業員の雇用リスクを効果的に抑 えこんでいくことが経営者にとって避けられない課題となります。な かでも、従業員の募集段階におけるリスクを抑えこむことが最初の 大きな関門になると言えるでしょう。今回は従業員の募集・採用、そ れから入社段階で注意すべきポイントを紹介したいと思います。

1.求人広告のリスク

求人広告は従業員を募集するものであると同時に、企業の姿を 表現する1つのチャネルでもあります。求人広告が不適切なもので あれば、争議や処罰を招いてしまうだけでなく、企業の社会的印象 に悪影響を与えることにもつながります。

まず注意すべき点として就職差別のリスクが挙げられます。中国 の法律では就職差別が厳格に禁止されています。そのため企業は 求人広告において性差別、身分差別、戸籍差別、民族差別等を含 む表現を避けなければなりません。

それから、採用条件の記述にも注意が必要です。採用条件は具 体的に、明確に、客観的に、そして現実的に設定し、曖昧さを避ける 必要があります。そのために、企業では企業内の各職務に対する職 務要件書を作成して企業の職務体系を構築するとともに、採用に 関する制度も整備しておくことが望まれます。また、従業員が入社 する際は、必ず書面で「採用条件確認書」を交わし、企業としてのリ スクを防いでください。

2.入社選考時のリスク

①企業が従業員を募集する際は、身分証の確認を確実に行なう必 要があります。応募者が他人の身分証を借りていた場合、もし入社 後に労災事故が発生してしまった際に、「証明書類審査不足」とい うことで、企業が過失責任を負うこととなってしまいます。

②応募者の経歴に対する審査も欠かせません。以前の職場との労 働契約がまだ切れていない応募者や、同業への転職制限を結ん でいる応募者が入社してしまうことがないようご注意ください。特 に知識人材、技術人材、営業人材といった高級人材を採用する際 には注意が必要です。

そこで、応募者には「労働関係終止解除証明書」の原本を提供し てもらい保管します。提供できない応募者には、書面で承諾書にサ インをもらい、同時に企業の規定制度の中でこのことに関する処理 規定を明確にしておくようにしてください。

3.法的な告知義務リスク

労働法では「企業が従業員を募集する際は、その仕事内容、仕事 条件、勤務場所、業務リスク、安全面の状況、報酬の状況について 正しく告知すること」と規定されています。もし企業がこの法律規定 通りにすべての項目を従業員に正しく伝えていなかった場合、従業 員が「企業が騙し行為をしている」という理由を根拠に、労働契約 の無効性や解除を主張してくることがありえます。そうなれば経済 補償金、賠償という損失を被るリスクが企業に降りかかってきます。 企業として、「書面告知書」を作成し、従業員を採用する際には署名 と確認を行なうことで、企業と従業員間の告知義務不履行が原因 でもたらされるリスクと損失を防ぐようにしてください。

これまで述べてきたように、現在の企業を取り巻く環境を考えれ ば、企業として人事労務方面のリスク管理に取り組むことが欠かせ ません。そして、人事労務管理で基本となるものは「制度の策定」 「プロセス」「文書」という3つの車輪です。この3つの車輪がかみ 合った体制を運用する事が、リスクの予防・解消、業務の効率向上、 支出コスト削減、利潤増加につながっていくことになります。


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