中国会計・税務実務ニュースレター 第1回

 

最近、中国に進出している日系企業が、中国の税務当局から国際税務関連の質問状または税務調査の通知を受けるケースが増えています。特に日本の親会社に支払うロイヤルティ、技術指導料、中国香港の子会社を介した中国子会社の持分譲渡等が重点的に調査され、合理的な商業目的のない取引、経済実態と対価が著しく乖離している取引については、遡って否認されるケースもあるようです。

 

1.背景

税務調査の急増には、中国税務総局および各地の税務機関が昨年公布した次の法令・規定が背景にあると考えられます。

 

2.多額の費用の海外支払

146号通知の規定は、企業が国外関連者に対し多額のサービス費及び無形資産等の使用料を支払う状況の詳細を把握するための徹底調査を指示するものです。当該調査は、主として2004年から2013年に国外関連者に対しサービス費及びロイヤルティを支払った中国企業を対象としたものであり、その中でも軽課税国又は地域に対する支払いに重点的な関心が払われています。具体的な調査項目には、次のようなものがあるとされています。

 

①租税回避の疑いのある次に掲げるサービス費の支払い

・株主活動に係るサービスを受けたことにより支払われたサービス費

・グループの統一管理のために支払われた集団管理サービス費

・国内の企業が、自ら国内で完結することができるサービス、又はすでに第三者により提供されているサービスを重複して受けたことにより支払われたサービス費

②租税回避の疑いのある次に掲げるロイヤルティ

・軽課税国または地域に向けて支払われたロイヤルティ

・機能を負担せず、又は単純な機能のみを負担する国外関連者に対し支払われたロイヤルティ

 

上述の調査状況報告は2014年10月現在で既に完了し、租税回避の蓋然性が高い企業に対して、今後税務調査が行われるリスクは高まっています。

 

3.中国の税務調査

中国の税務調査は、日常検査と税務稽査の二種類がありますが、日常検査は所轄税務局の中の管理徴収部門が行うのに対して、税務稽査は税務局の中の稽査局が行います。税務稽査は厳格な立案、調査、審理、執行のプロセスを踏まえて行われるものであり、我が国の査察に類似すると考えられます。 

 

中国の税務機関は税務調査の手法のひとつとして、国家税務総局が公布した「納税評価管理弁法」の規定に基づき、データ情報比較分析法を採用し、納税者および源泉徴収義務者の納税評価指標(原価率、利益率、納税金額など)を統計的に分析します。企業の利益率または増値税金額が著しく低下し、税務機関が予め設定していた「予警値(警告値)」と乖離した場合には、税務機関から指摘される可能性が高くなり、税務調査が行われる事態も想定しておかなければなりません。

 

お見逃しなく!

上記の税務調査以外に、企業は所轄税務機関から「自査」の通知を受ける場合もあります。自査とは、税務機関が納税者に対して、税金の申告・納付状況を自発的に検査し、税務機関に報告することを要請する制度です。自査は日常検査と税務稽査に比べると強制力の弱いものですが、期限内に税務局に報告書を提出できない場合または要請項目に対する合理的な説明ができない場合には、税務調査または税務稽査に進展する可能性もあることに留意する必要があります。

 

 

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