工場移転·代替地選定 虎の巻 第1回

 

mitutoyo 皆様初めまして。これから1年間、6回に分けてコラムを執筆させていただきます。お付き合いのほどよろしくお願いします。

  
 ご面談者に対し私が「今年で上海歴 10年目です」とお伝えすると先方は「ベテランですね」と返されることが多いですが、そうは思っておりません。ここ2〜3年の時代の変化はまさに激変、日本の高度経済成長期(過去)から数年先の未来までを一気に経験したかのようで、日々勉強とアップデートが必要であり、10 年の経験を通じ新たに学ぶことが増えたと思い始めたからです。

 

 製造業の皆様を取り巻く背景にも大きな変化が見られ始めたのは2015年の環境保護法改正からではないでしょうか?上海では排気規制基準が東京の2倍、国家排水規制基準に至っては日本がガラパゴスに思えるほど中国の規制強化の速度が加速、「日本の環境設備を持ってきても間に合わないじゃないか」という企業様もいらっしゃると聞き及んでます。

 

O.K.Y (お前・ここに来て・やってみろ)に
O.K.I (お前・ここに・いただろ)、

O.I.Y (お前・今来て・やってみろ)も

 

 そんな中、未だに人民服で自転車を漕いでいるイメージを持った方もいる日本側からの指示は「人脈や心添えでなんとかなるだろう?」とO.K.Y発言。ブランド服に身を包み、スマートフォンでシェアリング自転車を乗りこなす人が増えている現在の中国では、そのような対応はまさに旧世代と言わざるを得なくなってきております。

 

 法整備が進み腐敗に対する罰則が厳格化され、役人の不正に対する責任は終身制へ。政府高官になるにつれ法令順守(コンプライアンス)を高々と掲げる国に変化した中国では、「あの人に頼めば大丈夫」は、旧世代のやり方ように聞こえてきます。数年前までこちらで駐在していた方が社内では中国通である場合、ご本社の意向として「私の時代はそれでできた…」と言われればO.K.I旧世代に、現在の新世代がO.I.Yを宣言したくもなるのではないでしょうか。

 

mitutoyo

なぜ工場移転が必要なのか、その背景


 我々不動産会社が日本本社とやり取りをする際に「中国はバブルじゃないのか?」という問いに対して答えているのと同じように、製造業の皆様が激変する日々の経済背景を日本側にレポートすれば「そんなことあるのか?ちゃんと調べたのか?」という厳しいご指摘を受けていらっしゃるのではないでしょうか?

 

 この2〜3年で上海は激変しました。その政策背景は大きく「不動産政策」及び「産業政策」に分類されます。


「不動産政策」に関しては、【未登記(違章建築)取り壊し強化】と【104地域政策】の二つ、「産業政策」に関しては【環境保護法】と【上海2035都市計画】の二つ、合わせて4つがキーワードとなってまいります。この話題は次号に詳しく記載させていただきます。

 

不動産業界の旧世代と新世代

 

 我々の業界にも旧世代と新世代が分かれてまいりました。中国の不動産法整備は 16 年より一段と強化され、今までの《房地産》という建物に対する概念は、《不動産》という土地+建物を示すより広義な内容を網羅する法律に変わりました。海や山というものにも不動産の概念が加わったのです。これを受け、不動産登記ができない未登記物件(建築物)=違法建築(違章建築)と定義するようになりました。それらを取り壊し始めたのは法に則った行為であり、いうならば法令順守、つまり皆さんが耳だこの「コンプライアンス」です。
 
 ですが、一部の不動産業者では「大丈夫、何とかなるから」の旧世代対応が横行。法整備が変わったのに、何とかなるはずがありません(もちろん撤去時期が遅れることはありますが回避することはできません)。皆様の周りにも、住宅やオフィスなどでも増築したが無届の部分があったり、工場敷地内に建てた簡易倉庫や建築物はありませんか?ついに中国もコンプラ時代、新世代の始まりです。

 


引用:
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