低炭素化・省エネに取り組むタイ 日本の二国間クレジットも積極活用


    タイ政府が低炭素化や省エネルギーに取り組んでいる。豊富なアブラヤシを使ったバイオマス燃料の開発や電動車両普及への後押し、日本が進める「二国間クレジット制度」を活用してCO2の排出量を削減するするなど官民挙げて機運が高まっている。背後にあるのは、好調な工業化の一方で逼迫する電力・エネルギー事情だ。

    エネルギー省は今年のエネルギー消費量を、石油換算で昨年比2%台の1日当たり300万バレル前後に達するものと読んでいる。好調な自動車業界や昨年来からの原油安で、石油製品の消費量も同程度拡大する。エタノール混合ガソリン、ガソホールなどの伸び率が高い。

    消費電力量も昨年から4~5%増加し、2000億キロワット時を超えることはほぼ間違いない情勢だ。ピーク時の電力需要も約3000万キロワット台を優に超えた。暑さがピークを迎える来年4~5月には4000万キロワット台をうかがうと見込んでおり、20年後には6000万キロワット時に達すると予測する科学者の試算もある。

    こうしたことから、石油や天然ガスなど化石燃料ではないエネルギー源の開発や、消費エネルギー・消費電力の削減問題が喫緊の課題となっている。

    このうち豊富なアブラヤシやトウモロコシ、キャッサバの絞りかすや油などを活用したバオ燃料生産は、政府の全面的なお通しもあって活況に沸いている。自動車燃料への添加が一部義務化されたこともあって、衰える気配にない。農家も収入が上がることで生産に意欲的だ。

    自動車の電動化に伴う公共充電スタンドなどの設置も進んでいる。現地店では富裕層向けが実情だが、一部では利用料を無料化しているところもあり、浸透に障壁はない。トゥクトゥク(3輪自動車)のEV化といった話題を狙う動きもある。

    二国間クレジット制度は、地球の温暖化を防ぐためにCO2などの温室効果ガスをできるだけ少なくすることを目的に日本が提案した制度。温暖化対策の国際的な枠組み「京都議定書」で提唱された「クリーン開発メカニズム」の多国間協議より使いやすいと、このところ急激に利用が広がっている。中でもタイは、この常連国になりつつある。

    タイ最大の財閥CPグループ傘下CPフーズも同制度を利用して、東北部ナコーンラーチャシーマー県で食品加工工場を開設した。ヒートポンプを導入して電気料金を年額300万バーツも削減。CO2の排出量も3分の1に減少させることに成功した。装置導入には日本企業が協力。投資回収までの期間が最大4年と短いことも決断となった。得られたクレジットを日タイ双方で分けるため、Win-Winの関係が築きやすいとされる。

    日本と二国間クレジットのパートナー関係にある国はタイなど東南アジアを中心に計17カ国。タイは利用件数でインドネシアに次ぐ2位に付ける。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の批准も行っており、2030年までに温室効果ガスを05年比で20%削減する意向でいる。


■特集の目次■


Daiichi Central (Thailand) Co., Ltd.
強まる省エネへの市場の関心
きめ細かい対策で節電のお手伝いを

ASIAN MARUYAMA (THAILAND) CO., LTD.
電気料金削減プロジェクトが好調
オフィスや商業施設での利用も可能

KI-ECOTECH CO., LTD.
あらゆる資源のリサイクルをタイで実現
循環型社会の持続的発展を目指す企業に




引用:
0