中国進出日系企業における 中国人人材活用の話 第4話

 

 日本において今後益々増える外国人労働者ですが、どの企業でも受け入れ後に様々な問題に直面し、教育・育成に難しさを感じていると思います。弊社では外国人人材の派遣・紹介を行っておりますので、人材教育は優秀な人材を紹介するための最も重要な核ととらえ、様々な試みをしておりますが、やはり試行錯誤の連続です。今回はこれまでの経験から、雇用前研修で含めると良いと感じたことを、外国人が知るべき日本企業の特徴と日本での生活マナーの2つの観点からお話させていただきます。

 

日本企業の特徴を学ぶ

 

 まず初めに、外国人が知るべき日本企業の特徴についてですが、特に長期的視点による人材育成と集団主義、そして社会貢献という3つのポイントを教える事が重要だと考えます。そもそも外国人は、文化の違いから、日本という国の独特な雇用システムについて理解、順応するのが難しいです。例えば日本的雇用システムは長期雇用・長期人材育成を1つの特徴としており、日本人にとっては当たり前と感じるそのシステムも、諸外国では異なるのです。日本の雇用環境も変わってきてはいますが、まだまだ従来のシステムは主流と言えるでしょう。

 

 弊社の中国人技術者の多くは、特に日本の技術を学びたいという強い理想を持って日本に来るのですが、短期間で何を任せられ、また評価されるかを重視します。よって基礎研修期間があまり長いと不満を持ち、辞めてしまいます。できるだけこのような事態を避けるため、長期人材育成が日本企業の特徴であり、これによって日本の雇用と技術が安定してきたことを教えておかなければいけません。

 

 また、集団主義については、皆で1つのものを作り上げるチームワークや協調性の重要さを学ぶ必要があります。会社には就業規則等の明文化された規則が沢山ありますが、日本社会では見えないルールが沢山あり、見えないからこそ、こちらの方を理解するのが重要とも言えます。周囲を気遣い、思いやりを持つこともその1つです。そのような気持ちがなければ集団組織で上手くやっていくことはできません。

 

 そして、良い商品・サービスを提供することにより私たちの生活、社会が豊かになるという、多くの日本企業が理念等に掲げ大事にしている社会貢献の精神。このようなポイントを学んだ後には、日本人の行動の背景にあるもの、そしてそれが企業の中にも流れていることを知識として身に着けることができます。

 

生活マナーを学ぶ

 

 次に雇用前研修で重要なのが生活マナーの研修です。日本で外国人を採用したり、或いは海外現地法人から日本本社に外国人社員を派遣する際には、必要不可欠の研修です。以前、派遣先企業からこのようなクレームを受けました。

 

「御社の○○さんですが、朝からラーメンを毎日食べているようで、とても匂いがきついので、注意していただけませんか?」

 

 社員が朝食に食べる物まで気にかけていませんでしたが、このようなことも教えておいた方が良いのだと気づかされた出来事でした。

 

 朝起きて、朝食をとる際に注意する事、会社の一員として恥ずかしくない身だしなみを整える事、ゴミ出しの注意点、公共交通機関でのマナー、会社の共用部・備品の扱い方、夜帰宅してからのアパートでの迷惑行為、清潔にして明日を迎える事など、1日の行動に沿って写真や絵を見ながら順に教えていくとわかりやすいです。特に外国人にとって日本のゴミ処理ルールはとても理解が難しく、分別表を見ると皆頭を悩ませてしまいます。しかし悪い例の写真を見ながら何が悪いか考えさせると、皆自分でよく考えるようになり、活発に意見を出してくれます。

 

 このようなマナー研修は、結局のところ先述した日本企業の特徴における、集団組織の中で周囲を気遣う大切さに繋がってきます。私たち日本人は、外国人から見ると気を遣いすぎに見えるのかもしれません。しかし、実際に日本社会で生活する上では覚えておかなければいけない事なのです。

 

 最初の教育は今後を左右する重要なものです。常に改善を重ねて、良い内容にしていきたいものです。

 


引用:
0