中国進出日系企業における 中国人人材活用の話 第2話

 

 私は、瀋陽菲尼斯咨詢服務有限公司(略称:フェニックス)代表の楊と申します。2005年より中国人人材紹介サービスに携わって参りましたが、09年に当社を設立。これまでにスタッフィング・ジャパンのような在日本の有力な人材会社との提携を通じて、250以上の企業に中国人技術人材を提供し、多くの企業の求人の悩みを伺ってきました。最近では、例えば「募集ルートが前より多種多様になったものの、求人費用が多額になる一方で、その効果がなかなか出ない…」とキャンパス募集を利用する企業様の多くが悩みを抱えています。

 

 最近の中国では、ビッグデータ、AIなどの分野が注目されており、多くの大学生が就職先を探す際に、これらに関連する仕事に関心を持つようになってきています。また初任給などの待遇も毎年良くなってきており、中国の国営や民営の活気ある企業、そして欧米企業などとの人材採用競争は激化しています。それらの企業と比較すると、日系製造業への就職を希望する新卒者が以前より少なくなっている現実があります。

 

中国の大学における新卒人材の募集方法


 大学内での新卒募集は、一般的に学校の就職部門を経由し、「双選会」、「説明会」の二つの形で行われます。「双選会」とは同じ会場で何百社もの企業が同時に募集説明を行う方式(日本でいう合同企業説明会)ですが、欠点として、有能で相性のいい学生と出会うことが難しいことが挙げられます。一方の「説明会」は、企業の情報を知らないまま参加する人が多く、また自分の専攻に合わない人も多く参加しています。結果、面接までに至るのが期待しにくいイベントであると言えます。学生達の真の人物像、キャラクター、特徴、学業成績などをその場の簡単な面談から見抜くことは難しく、中途半端に採用してしまうと、せっかくの投資も無駄になってしまいます。

 

 

人材募集の極意

 このように容易とは言えない新卒募集の現状を踏まえ、優秀な学生を探すには、募集力をアップするために、単一ではなく色々な手法を駆使しなければなりません。私たちのような人材会社は、人脈、インターネットなど様々なチャネルを活用することで、あたかも一人の経験者をヘッドハンティングするかのように、良い候補者に狙いを定め、獲得することが重要です。  

 

 弊社がキャンパス募集を行う際には事前に大学の許可をもらい、クライアント企業が求める専攻に関係する各学部に赴いて、校長先生や院長先生、そして担任先生ともコミュニケーションを図ります。事前に先生方にクライアント企業の状況を説明することで信頼関係が築かれ、学生に就職先を紹介する企業として信用できる会社であることを認めてもらうためです。先生方は企業のこと、業界のこと、学生たちの将来の仕事内容などについて理解を得られ、また学生の方は企業のことをよく理解することが出来るようになり、十分な準備のうえで説明会に参加することができます。人材会社が事前のフォローをすることで、本当に企業に興味を持っている学生を集めることができるようになるのです。  

 

 その後弊社は独自に面接を行い、応募者の普段の勉強ぶり、学業成績、人物像などの情報を得ますが、時にはさらに担任の先生からも情報を得るようにしています。  

 

 人材募集は急を要する時にだけ必要となるものではありません。ポテンシャルのある新卒学生を求めて採用し、新人から会社を支える中核人材へと育っていくことは、目の前にある製造業務、経営活動と同じぐらい大事なことです。求人難はこれからも続くでしょうが、一人一人の人材を大切にし、一歩一歩着実に進めていくことが出来れば、国営、欧米企業に引けを取らず、企業発展のための人材を蓄えていくことができると信じています。

 


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