自動運転車は安全?

 

 自動車産業において、電気自動車(EV)と並び、にわかに脚光を浴びているのが自動運転。自動車メーカーはもちろん、IT企業も参入し、各社が我先にと実用化を目指している。

 

 中国産業信息によると、自動運転の全世界の市場規模は、2016年に90億米ドル(約9990億円)だったのが、20年には1100億米ドル(約12兆2100円)まで拡大する。35年には4440億米ドル(約49兆2840億円)まで拡大。前瞻産業研究院によると、同年の世界販売台数は1180万台に達し、中国のシェアは24%まで上昇すると予測する。

 

 世界中のプレイヤーが実用化を目指して争っているが、その舞台として注目されているのが米カリフォルニア州だ。自動運転車の走行が許可されていることから、大手からベンチャー企業までが当地で実用試験を行っている。中国産業信息によると、17年時点で45社が同州で試験走行する許可を受けているが、31%に当たる14社は、中国や華人が関係する企業だという。長安汽車、上海汽車、百度といった大手以外は、すべてベンチャー企業だ。

 

 

 EV同様、政府の後押しを受ける中国企業が世界のメインストリームになろうと存在感を示しているが、実際、無人運転の実用化は中国がほかの国に先んじるかもしれないとみる専門家もいる。中国では新しいビジネスがはじまる際、規制ありきではなく、まずトライしてみてから行政がコントロールしていくという特徴がある。つまり、企業が思い切ったことをできるのだ。良し悪しはともかく、リスクを極端に嫌う日本とは大きく異なる。そうしたマインドは、消費者にも表れている。

 

自動運転の安全性に不安を感じる中国人はわずか26%

 

 デロイトは先日、「グローバル自動車消費者調査」発表した。それによると、自動運転の安全性に懐疑的な日本人の割合は、 17年の79%から18年には57%へと大きく減少したが、世界で比較すると、最も割合が高い。一方、中国は17年が62%だったのに対し、18年はわずか26%と、他国と比較しても極端に低い。国民性も影響しているのかもしれないが、近年の中国企業の躍進により、国民が自国の技術に対して自信を持ちはじめている表れだろう。

 

 

 開発や試験が盛んに行なわれている米国はどうかというと、17年が74%、18年は47%と中国より高く、約半数が自動運転の安全性に対して懐疑的だ。調査が実施された時期は不明だが、もし今年3月にアリゾナ州テンピで起きた死亡事故の後に実施していたら、数字はもっと上がっていただろう。別の調査では事故後、自動運転に恐怖を感じている人の割合が増えたという報道もある。

 

 もしこのまま消費者の不信感が続けば、米国では研究開発だけが進み、将来的に自動運転車が販売される主戦場は中国になる可能性もある。改革開放から40年間の中国の劇的な変化を見ると、それは案外、遠い未来ではないかもしれない。


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