国際貿易管理規制に関する豆知識 第6回(最終回)

 

 近頃、AEO認証企業の話題がどうしてもホットな話題になっており、お客様より「高級認証企業に昇級すべきか、それとも一般認証のままでよいのか」「高級認証企業に昇級したら、どのようなメリットがあるのか。費用はかかるのか」「高級認証の基準は高そうだが、弊社でも対応できるのか」等のお問い合わせが多々あります。多くの企業はAEO認証企業についてなんとなくは分っていますが、認証基準や、企業自身のマネジメントの現状とその基準との差がどれくらいあるのかを理解していません。高級認証と一般認証の選択に迷っている企業のために、数社の申請成功事例に基づき、下記5つの角度からどちらを選ぶべきかを解説し、本連載の最終回とさせていただきます。

 

一、AEO認証を申請する本当の目的は

 

 AEO認証は、必ずしも高級認証にする必要はありません。高級認証の申請をする企業には顧客からのニーズ、通関の利便性、国際的な相互認証の効果などいくつかの理由があります。ですが、それは自社にとって本当に必要でしょうか。中国と相互に認証されている国との取引があれば、高級認証の取得をお勧めしますが、取引先が国内のみであれば、一般認証で十分です。

 

二、高級認証と一般認証の違いを理解する

 

 まず、この2種類の認証基準がどう違うのかを認識する必要があります。それぞれのメリットについても認識しなければなりません。もちろん高級認証はより多くの利便性及び優遇制度を享受することがありますが、一般認証で十分な場合も多々あります。

 

三、認証の難易度と複雑性を認識する

 

 高級認証にしろ、一般認証にしろそれぞれ大変な労力がかかり、状況によっては新たな投資が必要になります。「税関の認証だから、通関担当者が指揮をとり、認証準備をすればよい」との認識で進め、うまくいかない企業は多いです。信用企業の認証とは、輸出入に関連する業務の認証のみではなく、企業全体の管理状況も絡む複雑な認証になりますので、必ず幹部が指示を出し、会社全体でプロジェクトに取り組まなければなりません。

 

四、管理の現状と予算を認識する

 

 税関AEO高級認証は国際的な相互認証に関連することですので、ハード面とソフト面の要求はそれぞれ厳しい面があります。例えば、企業の管理システムはERP管理システムではなければならず、また通関業務のモジュールがない場合も、高級認証への申請はほぼ不可能です。もし予算的にERPシステムの導入に手が出せない状況でしたら、高級認証ではなく一般認証の申請をお勧めします。


 3月に、ある企業から高級認証企業の申請をしたいから指導してほしいとの依頼がありました。弊社が当該企業の内部調査を行ったところ、管理の現状は一般認証も難しい状況でした。高級認証申請するには相当な時間が掛かるので、まずは一般認証企業を申請しましょうと提案して準備を開始しました。

 

五、長期的視野で計画を立てる

 

 上記でも言及した通り、AEO認証のための申請作業は一つの大きなプロジェクトであるため、経営方針に従い、会社全体で長期的な計画を立てるべきです。


 以上5つの角度から高級認証と一般認証の選択について解説しましたが、答えは出たでしょうか。


 最後になりますが、上海税関を含め、各地の主管税関から明確な公告があり、 2018年度から一般認証の企業に対して、検証を行うことになりました。従来の「A類」企業から自動的に「一般認証企業」になった企業は多いです。これらの企業は税関の審査を受けるために、もう一度自社の管理状況について内部審査を行い、現状維持を目指すべきでしょう。

 


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