中国進出日系企業における中国人人材活用の話 第1回

 

 読者の皆様、私スタッフィング・ジャパン(株)代表の川地と申します。

 

 弊社の前身(現在はグループ会社)、(株)エイチアンドアールコンサルタンツは、1993年に二人のアメリカ人によって愛知県名古屋市で設立され、外資系企業の日本進出に関するコンサルティングを主業として、オフィス設立、駐在員の住居の紹介(不動産賃貸仲介業)、自動車の貸与(自動車リース業)、家具の貸与(家具レンタル業)、駐在員の生活サポート(住民登録や銀行口座開設、携帯電話購入や自動車免許取得、子女の学校のアレンジなどのリロケーション業)を、現在に至る本日まで展開してきております。その後オフィスを東京都渋谷区恵比寿、神戸市中央区三宮にも開設し、事業エリアを拡大して参りました。

 

 人材事業については2005年に人材派遣業免許を取得し、愛知県で開催された万博(愛・地球博)において外国のパビリオンに対し、通訳スタッフなどを派遣し、人材事業をスタートさせました。


 その後08年のリーマン・ショック、11年の東日本大震災により、本業の外資系企業サポート事業では厳しい時期を迎えたことにより、より一層人材事業の展開に本腰を入れることとなりました。

 

 最初に外国人の人材事業に取り組むこととなったのは、多くの本誌の読者でもいらっしゃる日系企業様が事業を展開されている中国、そしてその対象は中国人の若手人材でした。当時そして現在も、中国進出されている日系企業様のお悩みの一つは中国現地法人での信頼できる人材の確保。特に工場を進出されている企業様においては、日本メーカーに求められる品質・納期・効率的生産などをいかに中国で実現するかであったと思います。その実現に優秀な人材は不可欠。日本からの駐在員も当然必要なのですが、高コストと言われますし、文化や習慣の違い、言葉の壁にぶつかりながら奮闘しなければいけないという現実があります。それなのに日本人駐在員は、いずれは日本に戻ることになります。だからこそ、いかに現地で優秀な人材確保をするか--いつもこの命題と対峙されていらっしゃいます。いかに対応するのか……中国国内において常に経験のある人材を求め、または新卒人材を採用してゼロから教育し、中国現地法人で一定の成果を出した人材を日本に研修で送って日本のものづくりを経験させる。このような試行錯誤により、厳しい中国市場での競争に打ち勝ち、現地化を促進する努力を続けてこられたことと思います。

 

 弊社では中国国内における日系企業様の人材に関するお悩みをどのように解消するか--色々な角度から検討を始め、日本国内において工場ワーカー不足を補う手段として活用されている技能実習生のモデルを元に、これを高度人材である四大卒の理工系大卒のエンジニアに置き換えることで、日系企業様の一助になれないかということで7年前より人材発掘を中国国内において開始しました。彼らを日系企業様とマッチングさせた後、一旦1~3年ほど日本で研鑽、業務習得に励んでもらい、その後将来のリーダーとして中国に戻す--現地化を進めるための一つの方法が中国人人材の紹介でした。現在でも彼ら中国人高度人材の活用方法に変化を加えながら、日系企業様とのマッチングは続けています。


 次回以降のコラムにおいて、弊社のこれまでの経験より、「日系企業就労を希望する優秀な中国人理工系大卒(第二新卒)の獲得について」「昨今の中国国内の大学生の就職動向について」「日系企業で働く中国人人材への日本語や日系企業での働き方研修について」「中国人人材が日系企業で就労する場合のビザについて」といった切り口から具体例をまじえてお話しさせていただく予定です。引き続き宜しくお願い致します。

 


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