計測に関する豆知識 第7回

 

 本連載では、ものづくりに欠かせない「計測」に関して、豆知識的な情報をテーマにしています。今回は「製造工程での計測」についてお話をさせていただきます。

 

<計測機器はお金を生まない?>

 

 以前日本で計測機の提案をしていた頃、「測定機はお金を生まないからねぇ。導入は後回しだね」とよく言われました。しかし、近年のものづくりにおいては、計測機の積極的な導入こそが「お金を生む」「コストダウンにつながる」と言えるのではないでしょうか? 次章から、ものづくりでの計測の役割を改めて確認してみましょう。

 

<前工程での計測の効果>

 

 ものづくりで計測を行う目的は“不良品を出荷しないため”と言えます。決められた寸法や表面粗さに仕上がっていることを確認するために計測を行いますが、どの工程で計測を行っていますか?


 図1.の青色線は、発見した不良品1個にかかる対策コストを示しています。後工程で発見されるほど対策コストが増大し、出荷した後に発見されると莫大なコストがかかることが分かります。もちろん、取引先や社会的な信頼が損なわれることも企業としては大きな損失になります。

 


 また、赤色線は不良品を発見している割合で、不良品の80%は検査工程で発見されていることを示しています。この2つのグラフから、不良品にかかるコストの低減には、不良品の有無を早い工程で発見することが望ましいことが分かります。

 

 

<製造工程での計測>

 

 製造工程での計測機器には、全数検査(タクトタイム)や過酷な計測環境での使用などが求められます。現在では、計測機器においては、インライン/ラインサイド計測に特化したシステムや、防水 /防塵性能の高い機器がラインアップされています。また、温度補正機能によって標準温度以外の温度環境でも高い測定精度を期待できる機種もあります。搬送ロボットとのリンクにも対応していますので、加工工程に計測機器を設備しやすい状況になっています。


 また、加工工程の計測データをリアルタイムにモニタリングすることで、異常を早期に発見することが可能となります。多くの場合、不良品の発生には何らかの前兆がありますので、その段階で適切な処置を行うことで未然に防ぐこともできます。

 

<まとめ>

 中国でのものづくりに高い品質が求められる傾向が強くなっている中、製造工程への計測管理の導入に関心も高まっています。製造工程での計測は不良品の発生にかかるリスク低減だけではなく、品質管理に関して企業の信頼性を高める効果も得るでしょう。製造工程での計測はお金と企業価値を生むと言ってよいのではないでしょうか?

 


引用:
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