国際貿易管理規制に関する豆知識 第4回

 

 前回は、税関管理方法の“AEO制度” 及び“AEO認証企業”になった場合のメリットについて説明をしました。今回は企業の管理レベルアップの角度から“AEO認証企業”についてさらに深く説明致しましょう。

 

AEO制度の管理標準

 

 ご存知の通り、中国製品は“模倣”から“中国製造”、さらに“中国智造”まで力をつけてきました。家電製品、電子製品、工業品、宇宙産業、海運等の領域の製品の急速な発展と共に、製品の品質は向上しましたが、企業の管理レベルも上げなければならない時期に来たと多くの企業が考えています。この時期に合わせ税関は、“AEO認証制度”を打ち出し、企業の管理に標準テンプレートを提供したに違いありません。

 

 AEO認証制度は、企業管理をするのに一貫した標準化できる管理システムで、企業の内部統制、財務状況、法律遵守、貿易安全の4項目を含め、計5類18条32項目74の管理項目から成り立っています。今回は三つの角度から企業の管理レベル向上についてみていきます。


第一:制度の完備及び執行力

 企業は“AEO認証企業”を申請するため、先述の4項目を組み込んだより厳密な制度を作らなければなりません。但し、税関が審査する際には制度の確認も当然ながら、それが有効かどうかの確認も重要になります。ただ綺麗な制度を作っていても、実際の経営上で運用していなければ意味はありません。よって、制度を作るだけではなく、経営する際は必ず決めた制度通りに運営することが大事です。実施した記録を必ず残しましょう。

 

第二:貿易安全
 貿易安全は、場所の安全、出入の安全、人員の安全、貨物の安全、運送コンテナー、道具の安全、パートナーの安全、危機管理の8条27点を含みます。多くの企業は自分のパートナーの安全や、財務状況の安全について注意を払いますが、それ以外の部分についても評価、検査しましょうというのがAEO認証制度の要求です。ここで言うパートナーはサプライヤー、貿易先、物流業者、通関業者などを含みます。

 

第三:財務関連
 AEO認証企業の要求では、継続性のある経営能力が求められます。まず会計情報が正しく計上されていることは第一の条件であり、債務の返済能力、収益能力、納税能力も求められます。AEO認証を取得した企業の財務状況は第三者から客観的に評価されるため、財務状況においての1つの指標となるでしょう。

 

AEO認証企業の取得は企業の管理理念確立を表している

 

 AEO認証制度は世界税関組織(WCO)が提唱した制度であり、グローバル化する貿易の利便性向上をはかり、貿易の安全促進に有効な制度です。AEO認証企業になることは、企業の管理理念の確立を表しています。


 第一に合法的な経営。経営者から社員一人までが、自主的に企業の経営活動を法律の範囲内で行う事を宣言している印になります。


 第二に、自社の経営管理レベルを常に向上させる意思表示。AEO高級認証は三年毎、一般認証企業に対しては不定期検査を行う事になっています(ずっと認証企業でいられる保証はありません)。一度認証企業になれば、管理が規定通りかの確認が常に必要で、自然と管理レベル向上に繋がることが期待できます。

 

まとめ

 

 前回もお話したように、税関の監督管理からみても、AEO認証の取得は企業にとっては有利、かつ企業自身の管理レベルアップに直接繋がることが期待できるでしょう。

 


引用:
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