Grant Thorntonコラム 第3回 事業撤退 ~清算手続きと税務上の注意点~

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はじめに
近年中国での業績の悪化や事業の合理化を目的に、中国子会社・関連会社を清算する企業が多く見受けられます。中国での会社の清算手続き・会計・税務・労務についても、日本と大きく違う点が多く、事前に把握しないで進めてしまうと、大きなリスクを伴う可能性があります。今回は清算手続きと税務上の注意点について、簡単にご説明させて頂きます。

 

清算手続きの注意点
中国での会社の清算手続きは、日本よりもはるかに複雑で時間を要します。

 

具体的な手続及び所要日数は、下図のとおりになります。※4月1日を清算決議日とした場合の一般的なスケジュールです。地域によって異なる可能性がありますのでご注意願います。

 

清算手続きで一番時間がかかるのが、税務登記の抹消申請です。広州の場合、税務局での審査に、早くても2ヶ月(国税1ヶ月+地税1ヶ月)の時間を要します。また、税務登記の抹消申請をする際、所轄税務局の税務調査を受けるケースが殆どです。実務上、調査期間が6ヶ月を超えるケースも少なくありませんので注意が必要です。

 

税務上の注意点
中国子会社が債務超過に陥った場合の救済策として、以下の方法があります。親会社が中国子会社に対する貸付金・売掛の債権等を免除する場合、中国子会社側では債務免除益として企業所得税が課せられます。但し、それを上回る繰越欠損金がある場合は、その繰越欠損金と相殺することが可能です。

 

一方、親会社側では、このような債権の放棄や、それ以外にも清算に関する費用を立替えた場合の損失負担等が寄付金として課税されてしまう場合があります。したがって、中国子会社の清算に際して生ずる親会社の損失負担等が、寄付金と認定されないためには、以下の要件をいずれも満たす必要があります。

 

a.1)中国子会社が相当期間債務超過の状態にあること
a.2)中国子会社の事業の継続が大きな損失を生むことが確実であること

 

損失負担に相当の理由が認められない場合には、国外関連者からの寄付金として全額が損金不算入とされる点に留意する必要があります。

 

おわりに
中国子会社の清算は、事業内容や地域によって、税務リスクが異なりますので、事前に専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。次回は引続き、事業撤退の際の税務リスクについてご説明させて頂きます。

 

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