Mobile Innovation Co., Ltd.

 


◎ドコモ子会社が提供するタイの車両運行監視システム/
ドライバーの管理がより可能な多彩な活用法に注目/

Mobile Innovation Co., Ltd.


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    タイで工作機械を販売している日系メーカーの日本人マネジャーは、日本の大手通信キャリアNTTドコモのタイ子会社Mobile Innovation Co.,Ltd.(以下、Mobile社)が提供する運行管理システムの新しい活用法に、このところ有益性を感じて止まない。そもそもが通信端末装置を車に搭載し、全地球測位システム(GPS)や各種センサーなどによって車の情報を把握、盗難時等に迅速な対応を取ることができるというのが主要な説明だった。ところが、現在はMobile社の提案もあって、多彩なセンサー等の機能を使って、効率的な運行管理や延いては運転手の評価等の管理業務に現場でも同システムが活かされているのだという。



    具体的にはこういうことだ。一般に工作機械メーカーでは、給与査定につながる従業員評価について、一般のワーカーの場合ならば労働時間のほかに欠勤や遅刻などの勤務態度、不注意によるミス、積極性、協調性など十数項目にわたり、それぞれに点数を付したうえで評価を下す仕組みを採り入れていた。評価に客観性を与え、従業員との不要なトラブルを防ぐ狙いもあった。

    しかしながら、社外を単独で運転する配送車や社有車の運転手などといった自動車の運転そのものが業務の従業員に対しては説得力をもった評価が難しく、判断を下す際に個人の〝フィーリング〟に負う側面がどうしても強くなった。その結果、人事考査や給与
査定においてトラブルとなるケースも少なくなかった。 

    そこで採られたのが、Mobile社が提供する車載端末装置を活用して、より客観的な評価の仕組みの導入だった。携帯電話回線を使いリアルタイムで車両が管理されているため、会社側が想定する(あるいは許容する)運行実態であるか否かが正確に判断できた。例えば、オプションで重力センサーを設置しておけば、丁寧な運転を心がけなければならない精密機器などの搬送に配慮したかがデータから一目瞭然で読み取ることができる。交通事故にしても〝もらい事故〟などの可能性もあり、事故を起こしたときの状況が、速度超過など自身の乱暴な運転などが原因かどうかについて詳細に判断できるだけのデータが、今までは取得することはできなかった

    こうしたことから、この会社では車載装置システムをドライバーの教育や業務品質の向上に活用。携帯電話回線を通じて日々送られてくるデータを子細に分析、具体的な数値を根拠に従業員評価を行うことが可能となった。運転を担う従業員に対して具体的にどのような是正をすれば良いのか指示を与えることが容易となり、注意もしやすくなった。これまで任せっきりとなっていた運転業務について、会社側が全面的に関与・管理することが可能となった。 

    Mobile社が提供する車載端末の仕組みはこうだ。装置を車両に接続し、車の速度・エンジンの回転数・温度等のデータを車から直接取得し、携帯電話回線を使って、GPSの位置情報と共にセンターへリアルタイムに送る。燃料の量やドアの開閉・上下左右の加速度等もセンサーとの組合せで色々と測定できる。勿論、GPSだけの簡単な(安価な)機能の装置も選べる。データの測定の頻度は1秒間隔。もはやリアルタイムと言っていい。 クラウドセンターに届いた情報はMobile社が導入している動態把握アプリや運行解析アプリによって分析処理が行われ、地図情報と共に事務所に居る管理者が随時見ることが出来る。顧客は社内のほか外出先や自宅などでも分析結果を知ることができ、盗難被害や事故、業務上の指示など迅速な対応を講じることができるというわけだ。
 

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    携帯電話回線の届きにくい山間部でもデータ取得が可能な仕様となっている。各車載端末にはメモリーが内蔵されており、電波が微弱などで仮に通信が途絶えたとしても連続20時間まではデータが装置内に記録され続ける仕組み。回線が回復したところで、端末装置が自動的にデータ送信を再開。これがクラウドセンターに届いて、連続した解析が続行されることになっている。タイで広く使われている製品では、こうした機能が無い為、郊外等で携帯電話回線が切れるとデータの欠落が起きてしまうのだ。

 

    GPSに特化した製品も色々とある。GPSはよく知られるように衛星を使って現在地を割り出す作業に活用される。大型バッテリー内蔵のGPSセンサ装置なら装着後4年間は無電源のまま、全く手を加えなくても作動を続ける。頑丈で簡単には脱着できないことや車の電源を切られても動作し続ける事から、電源を常時得ることが難しい各種コンテナや、鉱山などで活躍する大型建機類の盗難防止のための使用が見込まれている。
 

    GPSに速度センサと回転数センサを組み合わせることで、車の走行状態をリアルタイムに把握・再現することもできる。車両の位置が全く移動していないのにエンジンに一定の回転数があれば、車が停止したままエアコンをかけていた可能性の高いことが分かる。アフターサービスを担当するはずの営業マンがが取引先を巡回せず、車中で時間を潰して涼んでいるような場面に有効だ。 

    オプションの燃料センサを装着すると、燃料の盗難防止にも役立つ。エネルギーが比較的高価なタイで盗難品を譲り受ける市場もあることから、いまだ駐車車両などから燃料を窃取する〝ガソリン泥棒〟は後を絶たない。職場での待遇不満をきっかけに、こうした行動に出るといった事例は少なからず存在しており、こうしたことを予防するためにも考慮に入れておきたい選択だ。


    Mobile社は2004年5月に設立。NTTドコモが72.6%、タイの商業銀行大手カシコン銀行グループの商社ロクスレーが27.4%を占める合弁会社だ。進出企業の活性化とともに取引先も着実に増加し、現在は300社ほど。うち60%はタイのローカル企業が占めるといい、「車両運行管理サービスに対するタイ市場の意識もずいぶんと変わってきた」と言う。GPS機器を搭載する累積車両総台数も直近の5年間で20%も増加した。 

    早ければ年内にも、映像記録装置を内蔵した車載端末の新型機をタイ市場に投入したい計画だ。内蔵型ならば車両から取るデータと併せて、今までに出来なかった、より高度な運行管理や車両の状態監視が可能になる。タイではまだ実現されていない機能であり、一気にシェアを拡大するチャンスも広がる。そのためには「提案型のサービスが必要不可欠」と白井社長。営業担当の大島良輔マネジャーも「お客様の多くは、まだまだ機器を十分に使いこなしていません。タイ人向けカスタマーサポートを充実させながら、場面場面ごとに対応した具体的な使い方を提案して、顧客サービスの向上に努めたいと思っています」と話した。



MOBILE INNOVATION CO., LTD.    

128/224,227,228,  21st Floor, Payatai Plaza Building, Phayathai Road,

Kwaeng Thung-Phayathai,  Khet  Rajthevee  Bangkok    10400    

Tel.    02-129-3800        担当:大島    

URL: www.mobileinnovation.co.th


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