“K” LINE LOGISTICS (THAILAND) LTD.

 


◎ワンストップサービスでクロスボーダー輸送確立を目指す/LCL(海上便自社混載)
路線の拡販/カギはグループ力強化/“K” LINE LOGISTICS (THAILAND) LTD.


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    タイの統括会社“K” LINE LOGISTICS(THAILAND)が設立されたのは1969年のこと。航空貨物のフォワーダーとして進出。それから40数余年、同社は新たなグローバル展開を目指し東南アジア・アセアン域内のクロスボーダー輸送確立とLCL貨物の拡販に向けた取り組みを進めている。21世紀の国際物流とは。“K” LINE LOGISTICSの「今」を追った。

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【カンボジア向けクロスボーダー輸送】


    2014年10月半ばの某日。カンボジア国境の街タイ・サケーオ県アランヤプラテートにある国境税関 事務所。ここにプノンペンから届くはずの輸入通関書類を待つ同社社員の姿があった。書類が揃う前に国境を超えてしまうと、最大で300%もの関税が課せられてしまう恐れがあった。通関には、プノンペン税関の許可を示すIDに加え、貨物の引き受けを証明するBill of Lading(B/L)が欠かせない。ほどなく書類が整ったため入国となったが、クロスボーダー輸送の難しさを実感するには十分すぎる経験となった。
 
    カンボジア側ポイペト国境から11キロ圏内までは、タイ側トラックの通行が認められた。しかし、そこから先は積荷をカンボジア側のトラックに移し替えなければならない。荷が傷つかないよう慎重な作業が続く。当然に時間のロスも付きまとう。両国間を同一のトラックが自由に行き交う「相互交通ライセンス」の必要性がまざまざと感じられた。 
 

    国境通過後はX線の検査を経て、ここから先は契約代理店のトラックが一路プノンペンへ。試験走行をするのは国道5号線。主要道には違いはないが、ところどころで舗装が剥離し、路肩がむき出しとなった悪路。積荷の精密機器や電子部品に影響が出ないよう、防震用パレットにエアサスペンションを組み合わせ、念には念を入れた梱包を施した。これなら、多少の揺れでも大丈夫。
 
    プノンペンまでは約390キロの行程だった。平均時速50キロ強で走行したとしても、優に7時間以上はかかる。絶え間なく続く上下の振動。対向車からは眩しいほどのハイビーム光線。十分な道幅もない片側1車線を高速で走行するには、かなりの緊張が強いられた。傍らには、事故車両と思しきトレーラーが一台。田んぼの窪みに車輪を落とし、立ち往生していた。


    カンボジアでの2016年中の本格的なクロスボーダー輸送開始を目指す“K” LINE LOGISTICS。現在、2週に1度は社員が現地入りし、詳細な検証を続けている。ネックとなる通関、荷の積み替え、カンボジア国内輸送…。課題は未だ多いが、「それでも着々と準備は進んでいる」と担当の大滝雄一マネージャー。タイからは電子関連部品のほか、機械部品などの混載便を見込む。一方、復路カンボジアからは衣類、靴などがタイの市場へ。ゆくゆくは、プノンペンから先、メコン川を経由してベトナム・ホーチミンの市場も視野に入れていく考えだ。
 

【ラオス向けクロスボーダー輸送】

     同様のクロスボーダー輸送のトライアルはラオスでも行われ、すでに定期輸送を取り扱いしている。タイ北部チェンマイ近郊に、ラオスの首都ビエンチャンを目指す“K” LINE LOGISTICSの6輪トラックがあった。電子部品や工具などを載せた混載便。往復走行距離1500キロ。2泊3日、38時間をかけて行き来する計画だった。


    すでにラオスでは相互交通ライセンスは取得済、またトラックはバンコク発を含め合計6台を保有している。ドライバーも2名体制と安全運行で国境を超えることが可能となっていた。ラオス側通関は現地の代理店に委ねているが、タイ側は完全に自社通関をしておりドア・ツー・ドアの運行管理も行う。
 
    ラオスではビエンチャンのほか、サワンナケート、南部パクセーでの本格的な事業展開も計画している。サワンナケート路線・パクセー路線も過去に実績があり、タイ、ラオス両国内ともに道路状態に問題はない。パクセー路線も衣類や機械部品などの製造をしているメーカーが進出しており、”K” LINE LOGISTICSも一部メーカーの取り扱いを最近始めていた。これでラオスはビエンチャン、サバナケット、パクセーと3拠点の輸送が可能となりラオス主要都市向け
の取り扱いは問題ない。

  

【ミャンマー向けクロスボーダー輸送】

    ミャンマー路線の開拓にも余念がない。今年3月には現地法人“K” LINE LOGISTICS (MYANMAR)を設立。日本人社員が常駐を開始した。タイ・レムチャバン港を出港し、シンガポール沖合からマラッカ海峡を経てミャンマー・ヤンゴンを目指すルートは、海上搬送だけでも9日。荷積み・荷下ろしや通関なども合わせると14日は優にかかる。ライバル会社ともどもこれをいかに短縮できるかに、これまで凌ぎを削ってきた。

 

    そこで注目されるのが、ミャンマー東部カレン州のミヤワディーとコーカレイ間で進むバイパス道路(区間全長45km)の建設だ。国境周辺は険しい山脈が南北に連なり、厳しい自然環境がつい最近まで陸路での輸送を阻んできた。だが、現在はミャンマー国内の道路整備も進み、陸送の早期実用化に期待が持たれている。ミャンマー~タイ~ラオス~ベトナムを結ぶ「東西回廊」の活性化にも弾みが付くものとして、日本など海外政府機関からの視線も熱い


      ミャンマー陸送路線開設にあたっては、タイから建設資材や電波塔資材、農機具、二輪などの需要が見込まれる。一方、ミャンマーからは衣料類などがタイの市場に運ばれる見通しだ。「一定の安定した需要は計算できるので、定期混載便が実現できれば大きなビジネスチャンスになる」と担当の野間晋作マネージャー。目標はドア・ツー・ドアで、バンコク~ヤンゴン間を片道4日。国境ではトラックの荷を積み替えを余儀なくされるため、それがコストに跳ね返る。どこまで低コスト化が図れるかも重要だ。現在、トライアルを繰り返しながら、早期の運行開始を目指している。
 

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【LCL(海上便自社混載)路線の拡販】

    “K” LINEグループの最大の持ち味は、グループ内で完結されたワンストップサービスにある。例えば、2014年9月に本格展開を始めたタイ発ジャカルタ行きのLCL輸送。今年5月からはベトナムのハイフォン港向けLCL輸送サービスを新たに構築。これで東京(横浜)向け、大阪向けの既存路線も含め、4本 の路線を構築したこととなる。同社のLCL輸送の売りは、コンテナへのローディング作業を、バンコク港やラカバン港ではなく、バンナにあるグループ会社のKCST倉庫にて行うことにある。KCST倉庫には、日本人担当者が常駐し、品質管理に当たっている。万が一取り扱いにミスがあっても、自社グループ内であれば原因の解明が容易に。「コントロールの利かない公共施設や外注倉庫ではなく、指揮命令系統の整ったグループ内で作業を完結できる体制をとっている。恒常的なダメージの問題でお悩みの輸出者様は、是非弊社に相談してほしい。」と担当の須田一人GMは話す


      グループで保有するトラック台数も業界ではトップレベル。自社混載便での搬送が可能となるため、納期短縮が現実のものに。運行状況の一元化、管理にも目が行き届くようになり、結果、これがコスト削減にもつながっている。かつては一部外部委託も行っていたというが、今では全ての付帯事業についてもグループ内で自己完結。機械の据付、梱包から貨物・火災保険、旅券の発券までもワンストップでの発注が可能だ。こうしたフェイス・トゥー・フェイスの取り組みが顧客の潜在需要を喚起させた。ジャカルタ向けのLCLルートだけでも昨年からの1年間で、2倍以上の売り上げ増となった。
 
    「失敗を恐れるな」が、タイ・チームトップの高橋正和Managing Directorの口癖だ。「ノーとは決して言わない」とは部下の一致した上司評。航空貨物輸送から興り、今後、海上、陸送での伸長を目指す“K” LINELOGISTICS (THAILAND)。「タイはチーム力。成否のカギは、我々の結束にある」と話す高橋MDの言葉が印象的だった。

 

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“K” LINE LOGISTICS (THAILAND),LTD.

WALL STREET TOWER BLDG., NO. 33/113, 33/116 22ND FL. (ROOM NO.   2201/2204)

SURAWONGSE RD.,SURIYAWONGSE, BANGRAK, BANGKOK 10500

Tel. 02-238-0685~93

URL: http://www.th.klinelogistics.com


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引用:
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