JBLメコングループ

 

フロンティア市場を開拓するアントレプレナー

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    2011年よりカンボジアに常駐し、法務コンサルティング事務所を設立。その後2014年にラオス、2015年に タイ・ ミャンマーに拠点を設立。新興国から大国へと逆輸入で展開を進める一風変わった法律事務所がある。フロンティアマーケットの創成期を現地に根を張って活動し続ける同社に、今後起こりうるであろうASEANマーケットの変化に関して伺った。

 

■+1からタイへ逆上陸・新興メコン地域での製造業支援に軸足

 

    「友人からは「変な奴」とよく言われるんです よ(笑)。」と明るく話すのはグループ代表の藪 本氏。大学卒業後、直ぐにカンボジアに住み始 め、国内で法律実務に携わって早5年。現在 は、タイ、カンボジア、ラオスの三拠点を往復す る生活を過ごす。若くしてビエンチャン日本人 商工会議所の事務局長も務める同氏は「カン ボジア、ラオスともに、まだまだこれからの国で す。だからこそ、若く野心のある専門家達と一 緒になって、『国を変える』ことができる可能性 があり、人生を賭けてチャレンジする価値が十 分あると感じています。新興国では看板や資格 より、現地に根付いた知識、経験、ネットワー ク、何より泥臭さとガッツが大切。自分の仕事 場は新興メコン地域。現地に根付いた『新興メ コンの法律家』を目指す」と言い切る。

 

    新興メコン地域で継続顧問企業が約90社 弱、製造関連企業がその大半を締める。「日系 企業が新興メコンに進出することは、現地にと って良いのか悪いのか―」投資案件により、進 出国へのメリットは様々。

 

    カンボジア、ラオスの製造業はまだまだ縫製 一辺倒。低賃金が支えるが、賃金上昇と並行し て本格的な工業化が絶対に必要不可欠。「日本の中小企業や裾野産業の進出、展開を支える 法制度が整っていない。日本や新興メコン諸 国にとって、法律を駆使し、国を支える縁の下 の力持ちであり続けたい」と同氏はいう。

 

■規制に対する視点

 

    タイやラオスと異なり、カンボジアには外資 制限がほとんどない。資金調達、為替取引や海 外送金もかなり自由な設計となっており、アセ アン諸国でも最高レベルの開放度となってい る。カンボジアでは、ほとんど規制を気にせず 商売ができますが、その結果、競争は激化し、 撤退事例も増えている。また、進出後の会社法 務や労務上の手続きには、タイやラオスに比 べて、時間も費用も多大に要する。税の徴収ス キームも抜け目がない。カンボジアは、有象無 象の投資を取り込み、色々な規制を駆使し、進 出後にしっかり申請費用や税収を確保しよう とする傾向がある。「カンボジアは目先を見過 ぎ」だと投資家からいわれることもある。

    他方、ラオスは外資規制も厳しく、ミャンマー ほど厳しくはないが、為替取引や海外送金に関 する規制が存在している。ラオスは、豊富な鉱 物資源や水資源を活かして、長期的に腰を据 えた国家運営を可能にする隠れた国力がある ようにも思える。また、外資規制が厳格だということは、他社が参入しづらいということなの で、逆に隠れたチャンスを見出せる可能性が ある と感じている。法律面の規制はタイやカン ボジアに比べて、制度整備が遅れており課題が 多いのも事実だ。

 

■カンボジア・ラオスの投資優遇

    カンボジアについては、Qualified Investment Projec(t QIP)、ラオスについては投資法上の法 人税優遇措置が存在している。

基本的に製造 業での進出であれば、要件を満たせば、ほとん どのケースで認められている。 他方、ラオスはユニークなのが、経済特区毎 に優遇措置規定が定められている点だ。カン ボジアと比較しても、人口の数が少ないこと、 インフラの整備が十分に追いついていない事 を反映してか、ラオス経済特区の優遇内容は、 近隣諸国比較においても魅力的なインセンテ ィブを提案している。

 

■労務状況からみる人材像

    カンボジアは、労働者に対する保護が厚く、企業が実施すべき事項が非常に多いのが特徴。

例えば、有給の付与、罰金の禁止、会社内へ医師の設置、デイケアセンターの設置等に加え、労働者代表の選任や就業規則の登録、雇用者カード、健康診断の実施等が求められる。タイやラオスに加えて、労働省への登録業務を煩雑で、申請費用を多く徴収される。

 

    他方、ラオスについても2014年に改正労働法が施行されており、労働者の保護の拡充が図られており、近代的な労働法規制に修正されつつある。例えば、ラオスでは2014年に改正労働法が施行しているが、カンボジアと同様に明確に「有期労働契約」の概念が導入されている。その意味でも、労働法の分野では、国際化かつ統一化が着実に進んでいるように感じる。

 

    人材の面では、カンボジアでは、ラオスと比較して、英語人材が豊富である事と、海外を志向している人材が多く優秀な人材が確保しやすいという感覚がある。その反面、権利の主張や要求は強くなっており、労働関連の諸問題も増加しつつある。

 

    その背景には、ポルポト政権時代に上の世代の方の人口が急激減少しているため、上の世代から抑圧されず野心が育ちやすい環境にあるからではないかと考えられる。夢や野望がある人材が比較的豊富であることが、資源に乏しいカンボジア最大の強み。実際同社は、カンボジアを本社として、統括機能を全てカンボジアに集約している。「英語力や理解力などの能力とコストのバランスは悪くないと感じており、将来的に人材がより育てば、統括拠点としての可能性も感じています」

    一方で、ラオスについてはそもそも労働者 の権利意識が希薄であるため、労働紛争の発 生も極めて少ないのが現状。その意味では、 労働者として、コントロールはしやすいかもし れないが、向上心や生産性の部分で、物足りな さを感じることも多いのが実態だ。

 

■今後のカンボジア・ラオス


    今後、共通の制度的な枠組みの構築は進ん でいくと考えられるが、大国側からの押し付け で進む場合、AECのコンセプトと逆行した動き が加速する可能性も考えられる。例えば、関税 率を下げることは各国で同意しているが、関税 が下がる分、関税以外の新しい登録システム や登録費用が導入される可能性もある。実際 に、このような事はカンボジアでは既に起こり はじめている。AECの実現に向けては、小国の 現状や成長のスピードに合わせて、着実に進 めていくことが肝要だと考えられる。

 

    規制の分野では、国家としてのスタンスやリ ソースは各国によって異なるので、ASEAN域 内での統一化はまだまだ時間を要するのが実 際だ。その意味で重要な事は、規制の裏にあ る各国のスタンス、実情や方向性をしっかり理 解した上で、各国にとってメリットのある提案 や会社運営ができるかにかかっている。 「現地にてうまく展開できている企業の傾向 としては、①現地課題に対する理念やミッショ ンが明示されており、②現地スタッフにそのミ ッションがしっかりと腹に落ちており、③現地 主導でそれが実践されていること、だと思います。現地にて、日本人にできることは本当にわずか。法制度の話とは少し離れてしまいました が、現地の人達の「国を変えたい」という思い をどう汲み上げるか、という点に、競合他社か らアドバンテージを得るヒントが隠されてい るように思います」と藪本氏は締め括った。


 

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JBL Mekong Co., Ltd.

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TEL: +855(0)236405621

 

カンボジア事務所
2F, Phnom Penh Tower, #445, Monivong Blvd (St. 93/232), Sangkat Boeung Pralit, Khan
7 Makara, Phnom Penh, Cambodia 担当:村上 暢昭(弁護士・日本法)、今 江里花


ラオス事務所
2nd Floor, Vieng Vang Tower, Bourichane Road, Unit 15, Dongpalane Thong Village,
Sisattanak District, Vientiane Capital, Lao PDR 担当:藪本 雄登 、有泉 司

タイ事務所
14th Floor, Kamol Sukosol Building, 317 Silom road,
Silom, Bangrak,
Bangkok 10500 担当:松本 久美(弁護士・日本法)

 

引用:
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