Fuji Electric (Thailand) Co.,Ltd.

地産地消のハブ拠点化を目指す
産業回りから省エネ・省力化も


 

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Director
    産業向け電気機器の製造販売を主力とする電機メーカーの富士電機。受配電機器、パワーエレクトロニクスの分野では高いシェアを持ち、早くから世界市場にも進出した。ところが、足元の日本では市場の成熟化が進み、少子高齢化もあって今後の高成長は見込めない。こうした状況下で同社が選んだ次なる展開が、海外での地産地消型の拠点作りだった。真っ先に選んだターゲットは経済成長著しい東南アジア(アセアン)市場。受配電機器の生産からその先の自動化による生産ライン制御までを〝一気通貫〟で現地にて完結させようという新たな試み。「地産地消型」と名付ける新拠点作りにかける狙いなどを尋ねた。









 

■地場企業を相次ぎ買収


    バンコク北郊パトゥムタニ県チュウナムサップ工業団地。ここに2013年12月に開業した富士電機の「総合工場」がある。敷地面積は約13万㎡。建屋の延べ床面積は約3.4万㎡と、広々とした土地に開放的な造りが印象的。ここで生産されるのは、主力のインバータや無停電電源装置(UPS)、電流の遮断を行うガス絶縁開閉装置(GIS)、太陽光発電システムに欠かせないパワーコンディショナー、それにアセアン市場でも設置が進むようになった自動販売機などの同社が手掛ける電気機器類の数々だ。

    これらパワーエレクトロニクス製品等の供給市場として同社が想定しているのが、人口2億5000万人を抱えるタイを中心としたインドシナ半島市場だ。域内で生産された電気機器製品を域内で販売し、域内で設置し、ライフサイクルを通じてサービス提供していこうという完結型ソリューション事業構想。富士電機(タイランド)が掲げる中長期的な基本戦略でもある。アセアン経済共同体(AEC)の発足やタイ・プラスワンの加速などボーダレス化が進むアセアン市場で、今後の社運を決する一大事業戦略として掛ける意気込みは熱い。

    サムットプラカーン県にあったタイ資本の受変電機器メーカーを買収し、富士タスコ社としてグループの中核に位置付けたのは総合工場の完成とほぼ同じ時期、13年のことだった。翌年にはシンガポールのIEC規格に基づく低圧配電盤製造メーカーも買収、富士SMBE社として系列化した。今年にはベトナム・ホーチミンにあるオートメーションに関するシステムインテグレータCAC社の株式も取得する予定でいる。一連のM&A戦略に共通する“キーワード”は商流の確保とエンジニアリング機能の強化である。エンジニアリング・サービス機能を持つ富士電機(タイランド)を中核に複数社体制で当地をコントロールしていく計画だ。

 

■内需の掘り起こしが重要


    「かつては海外工場といえば、コストダウンのための日本の生産ラインの延長線上としての位置づけにすぎなかった」と富士電機(タイランド)の露口社長は振り返る。だが、所得が上昇し「中進国の罠」に陥り始めたタイ市場。これからの時代に打ち勝つためには、ミャンマー、カンボジア、ラオスといった周辺国の需要を取り込むと共に、内需の掘り起こしが何よりも避けて通れないのは確実と言えた。「国内産業の高度化・高付加価値化、省エネ・省力化のニーズは必然的に高まっていく」(露口社長)と読むのは自然な流れだった。「それらを誠実に丁寧に一つ一つ拾っていきたい」とも。


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    周辺国における電力網や受配電設備の整備、コールドチェーンなど高付加価値の物流サービスなどが必要となる。機器や施設が通信回線で接続されるようになれば、インターネットを使った通信制御インフラも充足していく。すると、UPSが必要となったり、新たな制御機器が求められたり…。時代を先取りした新たな提案型ソリューション事業。これが同社がアセアン域内で進めて行こうとする取り組みの骨子だ。

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■対前年比1.6倍の見込み


    こうした積極的な営業展開から2016年は対前年比1.6倍の売上高増を見込む。モノ作りと一体となった提案型の営業、エンジニアリングサービス事業。今年から始まった中期経営計画では、従来からの変電、インバータ、受配電の主要各機器に加えて、太陽光発電(メガソーラー)、産業プラント、自動販売機も成長項目に加えた。多彩な提案には豊富なラインナップが必要だと、さらなる生産品目の拡大も検討されている。

    「アセアン工場の位置づけは、日本の本社工場のようなグローバル・サプライ工場とは明らかに異なる。目標とするのは、タイをはじめアセアン域内におけるワンストップ・ソリューションサービスの実現だ。タイだけで地産地消できる体制を目指したい」。受配電機器といった産業機械回りから省エネ・省力化といったソリューションビジネスまで。今後の抱負を語る露口社長の口調は、やや興奮しているようにも感じた。

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Fuji Electric (Thailand) Co.,Ltd.
富士電機(タイランド)社


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