アップル減速でアマゾンとの関係を深める鴻海

 

 米調査会社IDC が発表した統計によると、2017 年第1四半期(1~3月)の中国のスマートフォン出荷台数は1億400 万1000 台で、前年同期比0.8% 増と微増にとどまった。

 

 1位は華為技術(ファーウェイ)で2080 万台。25.5% 増と好調だった。2位がOPPO(オッポ)で19.5%増の1890万台。3位がvivo(ビボ)で、7.6% 増の1460万台と、トップ3は出荷台数を大きく伸ばした。一方、一時はシェアが1位だったこともある小米科技(シャオミ)は、7.5% 減の930 万台で5位と不調だった。

 

 外資勢も苦戦している。バッテリー発火事件に加え、中韓関係の悪化が影響しているサムスンは5位以内に入れなかったし、アップルは960 万台で4位につけているものの、26.7% 減と大きく数字を落としている。アップルが5月2日に発表した2017 年度第2四半期(1~3月期)決算では、増収増益だったが、iPhone の出荷台数は前年同期比1%減の5080 万台だった。中国市場での落ち込みが影響した形だ。

 

 年内に発売するとされているiPhone 8に期待が集まるが、需要が一巡した中国では、販売台数が爆発的に増えるとは考えにくい。iPhone 部品を生産しているメーカーは、他の成長分野への投資を強化するべきかもしれない。

 

 

東芝の半導体事業も狙う鴻海

 

 実際、アップル製品を多く生産している鴻海(ホンハイ)精密工業は近年、多角戦略に力を入れている。いくらアップルが利益率を上げようと、製品の販売台数が減れば、ホンハイの売上減少は避けられないからだ。昨年、シャープを買収したのはそうした流れだろうし、だからこそ東芝の半導体事業も狙っているのだろう。

 

 東芝の案件に関しては、ホンハイ単独ではなく、アップル、デル、ネット通販大手のアマゾンと連合を組んで入札に参加するという報道もある。ホンハイは、そのアマゾンとの関係を深めようとしている。

 

湖南省衡陽市に工場を建設

 

 「鳳凰科技」(5月2日付)などによると、ホンハイ傘下の富士康(フォックスコン)が湖南省衡陽市に60 億元(約960 億円)を投じ、工場を建設するという。新工場では、音響端末・タブレット端末の生産ライン30 本、スマートフォン・タブレット用プリント基板(PCB)の生産ライン15 本を設ける計画だ。

 

 そこで主に生産されるのが、アマゾンの人工知能スピーカー「Amazon Echo( エコー)」だ。Echoは次世代のスマートデバイスとして注目され、米国での販売台数は米調査機関CIRP によると、16 年中に510 万台に達している。同年4月時点では300 万台だったので、急速に伸びているのだ。

 

 

 iPhone の販売台数には遠く及ばないものの、Echo がまだ本格的には海外展開していないことを考えると、伸び代は大きい。中国のアマゾンでもEcho は販売されているが、輸入品だ。中国で生産するということは、今後、国内発売するための布石なのかもしれない。

 

 一方、ホンハイにとっても、売上高の半分以上をアップル製品が占めることは、ある種のリスクでもある。アマゾンと手を結ぶことは、アップルへの一極集中を分散させることにもつながる。トランプ大統領の影響で製造業の米国回帰が取りざたされるなか、ホンハイとアマゾンの中国での今後の展開は注目だ。


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