TOYOTA TSUSHO (THAILAND) CO., LTD. 2017年5月号

タイ・プラスワン特集


「ポイペトを活用した分業のすすめ」

インフラ・地理的優位性編 〜タイ王国「ポイペト県」〜

インタビュー先

テクノパーク・ポイペト 副社長 丹埼 太郎氏

豊田通商タイランド  Senior Management Coordinator 清水 祥介氏




  パンコクから直線で200キロ余り。片側2車線のアスファルト道路は起伏がほとんどなく、タイから日帰りで出張できるのが、タイとの国境にあるカンボジアの「ポイペト」だ。タイ東北部の玄関口で、コラート(ナコンラチャシマ県)よりもバンコクに近いロケーションを活かし豊田通商が開発したアドミサービス付き賃貸工場、それが「テクノパーク・ポイペト」だ。短期連載第2回目は、南部経済回廊にも位置するポイペトの地理的優位性とインフラ設備を紹介する。


■トラック専用道路を建設

  ポイペトのタイ・カンボジア国境ゲートは毎朝6時半から夜10時まで開放される。乗客を満歳したバスやバンに加え、カンボジア国内各地に向かうトラックなどで、時間帯によっては渋滞するが、朝夕のピークを回避すれば混雑に捉まる事はない。進出企業は、この「時間のギャップ」を使って貨物の出し入れをするという工夫が必要だが、現在のところスムーズな輸送を実現できている。
 
  これに加えて急ピッチで工事が進められているのが、国境の南側1km付近にできる予定のゲートとそれに繋がるバイパス道路だ。ゲートは片側3車線、トラック専用ゲートとなる。2018年の開通予定となっており、混雑解消が期待されている。
 
  また、国境から20キロ圏内の経済特区内であれば、タイの右ハンドルトラックがヘッド交換なしで乗り入れ可能、特区内での通関手続も可能。「タイに近いので、『タイ王国ポイペト県』と呼ぶ方もいらっしゃいます」と清水氏は話す。

  賞与や福利厚生を含めた労賃はタイの約半分。それでいて月の平均稼働数は24日と4日も多い。国内総生産(GDP)の成長率が年7%と高い成長を続けるカンボジアだが、「そもそもが低賃金であったため、最低でも向こう10年間は低労務コストの恩恵を受けることができる見込み」と開発に当たった清水氏は話す。



■日本を代表する企業が進出

  地理的利便性だけではない。経済特区のオーナーはカンボジア政府とも近く、政府の後押しが期待できる。また、ポイペトの電気代はカンボジア国内で最も安いが、それでもタイと比べると割高。これに対してカンボジア政府は、数年かけて国内発電所を増やしタイ並みにする考えだ。電力の安定性については、カンボジア電力公社から経済特区専用の30MW高圧電線を引いており、送電品質は悪くない。ただ、東南アジア特有の避雷対策などは部分対策に留まっており、経済特区としては最優先課題の一つとして対策を進めている。給水能力も日量4000立方メートルを確保しており不安は少ない。また、ポイペトは海抜50メートルにあり、洪水とも無縁だ。
 
  ポイペトには既に日本発条や日本電産といった日本を代表するメーカーが進出済みだ。周辺のエリアではカンボジア人ワーカーのための社員寮供給や商業施設の建設も始まっており、食住職が兼ね備わった製造ハブとしての整備が徐々に進み始めている。
 
■受託製造や混載輸送も

  テクノパークの魅力は、そのサービスの多様性だ。レンタル工場の提供や受託製造、タイ側との混載トラック輸送サービスはもとより、会社設立支援、経理・税務サポート、人材派遣・人材教育など多岐にわたる。まさに、タイにあって製造業に携わる企業のサテライト展開支援と言っていい。
 
  こうしたサービスが提供できるのも、ポイペトがバンコクとカンボジアの首都プノンペンの中間地点に存在するためだ。辺鄙な国境の街に過ぎなかったポイペトが今、日系メーカーの進出や、テクノパークの出現によって大きく変貌を遂げようとしている。





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