TOYOTA TSUSHO (THAILAND) CO., LTD. 2017年4月号

タイ・プラスワン特集


「ポイペトを活用した分業のすすめ」

人材編 潜在労働力に無限の可能性

インタビュー先

テクノパーク・ポイペト 副社長 丹埼 太郎氏

豊田通商タイランド  Senior Management Coordinator 清水 祥介氏


  かンボジア北西部バンテイメンチェイ州の州都からさらに西。タイ国境にた たずむ街がポイペトだ。地続きという特性から「タイ・プラスワン」の有力候補地にあがる同地は、ここ数年、低い労務費を背景に労働集約型工程の移管先となっている。その受け皿の一つが豊田通商が開発したアドミサービス付きレンタル工場「テクノパーク・ポイペト」だ。国境から東8キロの「SANCO経済特区」内に位置し、複数の在タイ企業がサテライト拠点を置いている。ポイペトはどう変わろうとしているのか。現地の「いま」を追う連載企画。第一回目は人材編。労務費・採用状況・国民性・ワーカーの能力など複数の視点から現状をお伝えする。



■低い労務コストの恩恵は今後も続く

  ポイペトのイミグレーションに並んだことのある人なら、この地域にどれほどの労働者が存在しているかが分かるだろう。1時間待ちは当たり前。繁忙期ともなれば2時間以上の長蛇の列となる。隣接するバッタンバン州、シェムリアップ州も含めれば300万人の巨大労働市場。平日は友達と工場近郊で共同生活し、週末は親元に帰省するという労働スタイルもすっかり定着した。

  賞与や福利厚生を含めた労賃はタイの約半分。それでいて月の平均稼働数は24日と4日も多い。国内総生産(GDP)の成長率が年7%と高い成長を続けるカンボジアだが、「そもそもが低賃金であったため、最低でも向こう10年間は低労務コストの恩恵を受けることができる見込み」と開発に当たった清水氏は話す。



■従順で真面目、良質な労働力

  ようやく市場経済が流通し始めたカンボジア。「しっかり仕事をすればより多くの賃金を受け取れる」との認識も広がり、労働に対する価値を真面目に受け止めるカンボジア人は少なくない。離職率は2~3%程度。従順で真面目、良質というのが特徴だ。

  だが、大半が農民出身のため、基礎的な訓練を積んだ人は少数派。ある進出企業では、通常3カ月で済むトレーニングに5カ月半を要したケースもあった。作業手順書はできるだけ文字を少なく、座学よりも実技指導を充実させるなどの工夫が必要だ。



■タイ人マネージャーの育成機会にも

  民族大虐殺の暗い過去から約40年。35歳~40歳代以上のマネージャー層が不足しているのもカンボジアならではの特徴だが、「進出企業の多くはポイペト工場をタイ工場の子会社とし、タイ人管理職による立上げ・運営を行っている」と清水氏は言う。

  サテライト工場としての位置づけのポイペト工場。ここで会社運営や人材育成を経験し帰国したタイ人マネージャーが、タイ本社でのマネジメント業務に就くといった構図だ。生産コストの低減にタイ人経営人材の育成。無限の可能性が「テクノパーク・ポイペト」にはある。





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