なるほど!イチから分かる中国事業再編の実務 第1回

 

はじめに

近年中国での事業合理化を目的に、事業譲渡や合併などが頻繁に見受けられます。 合併とは、2つ以上の会社が1つの会社になる企業統合の行為であり、新設合併と吸収合併の2種類があります。今回は実務例の多い、事業譲渡と吸収合併について比較しながらご説明します。

 

法務面

事業譲渡の場合、中国政府機関での特別な手続きは必要ありませんが、事業譲渡後に清算する場合は、所轄商務部・工商局・税 務局等、各機関へ抹消登記をしなければなりません。

吸収合併の場合、まず存続会社の所轄商務部の意見書を取得し、その後消滅会社の所轄商務部へ申請し、工商局・税務局等各 機関への申請手続きが必要です。

 

税務面̶̶増値税または営業税

事業譲渡の場合、有形資産を譲渡する際には増値税、無形資産及び不動産を譲渡する際には営業税を申告・納付しなければなりません。但し、特例として「国家税務総局 公告【2011】第13号、第51号」通知の規定により、企業の全部または一部の資産の所有権及びそれに関連する債権・債務、従業員を一体として移転する場合には、増値税及び営業税の課税は免除されます。上記以外に、中国において土地使用権や建物などを取得する場合、契税(日本の不動産取得税に該当)、土地使用権を譲渡する場合は 土地増値税を納付しなければなりません。また、資産譲渡の契約は印紙税の課税対象にもなります。

 

吸収合併の場合、存続法人が消滅法人のすべての資産・負債を包括承継するため、上記特例に該当し、増値税・営業税の免除を申請することができます。また、吸収合併により取得する土地使用権及び建物にかかる契税(財税【2012】第4号)、印紙税(財税【2003】第183号)についても免除されます。土地増値税の課税については、譲渡収 入(現金・現物・その他資産)を得る場合に限られているため、土地増値税の納税義務は発生しないものと考えられます。

 

税務面̶̶企業所得税

事業譲渡の場合、課税所得が発生する場合には25%の企業所得税が課税されます。また、解散後に、みなし配当と株式譲渡 所得に対して10%の企業所得税が課税されます。

吸収合併の場合、原則として一般税務処理を適用し、時価により承継された資産・負債にかかる収益または損失を認識しなければなりませんが、例外として特殊税務処理の要件を満たす場合、譲渡側の課税所得または損失の認識を繰延べることができます。

 

特殊税務処理の条件は次の通りです。

1.合理的な再編目的: 課税の回避、免税及び繰り延べを主たる目的としないこと

2.事業継続要件:企業合併後の12ヶ月間、承継資産の従来の実質的経営活動が変更されていないこと

3.取引対価要件:合併により、被合併法人の株主が交付を受ける持分の支払は、全体取引価格の85%以上である、または、同じく支配されてる企業間の合併であり、かつ対価の支払が無いこと

4.株式継続保有要件:再編後12ヶ月間、取得した持分を譲渡しないこと

 

おわりに

同じ内容の事業統合であっても、組織再 編の手法により発生し得るコストやリスク、 再編にかかる時間が異なりますので、事前に専門家による事前調査を実施し、貴社にとって一番良い再編スキームを検証されることをお勧めします。次回は税務面(関税、税務調査)と労務面についてご説明します。

 

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