第4回 「労災認定・非労災従業員対応における問題点と予防策」

増加する労働争議の1つに労災の認定・待遇を引き金とする争 議があげられます。被労災従業員にどう対応するかは管理者を悩 ます問題です。今回は労災認定や被労災従業員への対応でよく聞 かれる質問点に対する分析を行ないたいと思います。

1.労災認定の判定基準とは?企業で判断できない時の対応は?

「労災保険条例」の関連規定では、労災認定の3要素として「業 務時間内に」「業務場所で」「業務が原因で」起きた事故、傷害であ る場合、労災に認定するとされています。

傷害事故の発生後は、それが労災なのか判断できなくてもすぐ 所在地社会保険部門へ事実をありのまま申告し、社会保険部門の 労災認定判断を受けます。企業が労災でないと勝手に判断して申 告をしなければ、企業が相応責任を負うことになります。

2.労災に認定されなかったら企業が全て責任を負うのか?

もし会社で怪我等をした場合は企業がその責任を負うものであ ると認識している従業員が多いため、労災と認定されなくても企業 に治療費や治療期間の給料等を要求してきます。企業としてはこ の事態に対して規定・制度を明確にしておくべきです。「労災認定 されれば法に基く労災待遇が与えられるが、労災認定されない場 合、事故原因者が治療費や治療に必要な病気休暇処理等の相応 責任を持つものとする」ことを明確にします。

3.労働者の過失で発生した事故は労災認定されないのか?

労災の関連規定では、「雇用主が責任を負う」、「従業員は保険 費負担無し」「従業員の責任は不問」という原則が提起されてい て、労災事故の原因が労働者の規定違反行為、過失にあっても労 災と認定されるものとなります。しかし労働者の「自傷」「自殺」行為 である場合は労災認定されません。

4.規定違反を犯した被労災従業員の労働契約の解除は可能?

原則として、被労災従業員であっても重大な規定違反を犯した場合は労働契約の解除ができますが、被労災従業員者の契約解 除では、法律に基づいた労災関連待遇を払わなければなりませ ん。ただ、その従業員が治療期間中、職業病の疑いで診断中、医療 観察期間中である場合は契約解除ができません。

5.交通事故による傷害は全て労災認定されるのだろうか?

通勤途中に、過失割合が低くその主な責任が自身にない交通 事故に遭遇したり、公共交通機関(地下鉄・船・列車等)の事故に 遭遇した場合は労災として認定されます。しかし、それが「合理的 な通勤ルート上で起きたのか?」という点が判断基準となります。 業務による外出時に交通事故に遭遇した場合は、その事故責任の 所在に関わらず労災認定されます。

労災面での争議予防に向け、下記のような対策があげられます。

①入社前診断の徹底実施:従業員募集時は必ず入社前健康診断 を行い、特に職業病(じん肺症等)の疑いが無いかはよく注意を向 ける必要があります。もし職業病が発症すれば、その人が最後も所 属していた企業がその責任を負います。
②社会保険への徹底加入:新たに従業員が入ってくる場合、入社 後すぐにネット上で労災保険の申請をしてください。
③証拠の徹底保管:傷害事故発生後は、すぐ調査チームを作りそ の物的証拠を確保・保管します。証拠を揃え、争議が発生してし まった際に証拠を出せずに不利になる事態を予防します。
④機関への申告の徹底:傷害事故発生後は、直ちに申告資料や材 料をまとめ社会保険局へ申告します。嘘はつかず真実を伝えてく ださい。従業員が申告を要求してきた場合はそれを抑え付けたり せず、不必要な法的処分リスクを避けてください。
⑤積極的な対応:事故発生後は、その最初の処理段階(労災精算 政策に基いた病院・薬選択等)から介入して、すぐに従業員本人及 び家族に労災の政策について説明を行ないます。争議になった場 合はすぐ人力資源局の社会保障部門に支持や解決の仲介を求め、 争いが激化し対応がさらに困難になることを避けるようにします。


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