危ない会社の見分け方 第6回

 

第6回 企業の定量分析②

 

当社が提供している中国企業信用調査レポートには、通常、決算情報が含まれていますが、お客様からは「中国企業の決算書って信用できるの?」とよく質問を受けることがあります。


結論から言えば、日中のいずれに関わらず、入手した決算情報の内容を安易に信用してはいけません。日本では、主に中小企業で見られるケースとして、調査会社向けや銀行向け、税務署向けなど、提出先ごとに内容の異なる決算書が提出されている、ということがあります。中国でも同様に、工商局と税務局とでは提出している決算書が異なるという場合があります。


このような状況を踏まえると、決算書分析の際には、入手した決算情報が信用できるものかどうか、つまり粉飾が行われていないかを見極めることが重要になります。今回はその際に役立つ指標として「回転期間分析」を紹介します。

 

 

回転期間分析

回転期間分析には、売掛債権回転期間、棚卸資産回転期間、買掛債務回転期間などさまざまな種類がありますが、計算はいたってシンプルで、対象科目を分子、月商(売上高÷12か月)を分母として、除算するだけです。計算結果は月商の「何か月分」となります。

 

売掛債権回転期間

 

商品を納入してから代金回収までに平均何か月要しているか(回収サイト)が分かります。業界標準との比較や過年度決算期と時系列での比較を行い、大幅に長期化している場合は、押込販売、回収条件の悪化、不良債権発生、粉飾などのマイナス要因が発生している可能性がありますので、注意が必要です。

 

棚卸回転期間

 

商品が仕入から販売まで何か月間在庫として保有されているかを表します。


こちらも売掛債権回転期間と同様、業界比較や時系列比較を行い、長期化している場合は架空在庫の計上、不良在庫の存在などの可能性に注意する必要があります。


粉飾を行う際に、最も使用されやすい勘定科目は売掛金や棚卸資産です。売掛債権回転期間や棚卸資産回転期間が、前期に比べて1か月以上長期化している場合は、営業担当者を通じて対象企業にその理由を確認すべきです。

 

粉飾事例(中国事業で倒産したE商事)

東証1部上場の地方老舗大手商社であったE商事は、中国事業で大幅に成長し、中国向けの売上高が全体の70%を占める状態にありました。


しかし、かかる中、中国子会社が保有していた売掛債権の回収可能性に疑義が生じたことで、550億円の貸倒引当金の計上を余儀なくされ、債務超過に転落し、民事再生手続の申立てに至りました。


E商事の中国事業の中核を担っていた子会社の決算書を見ると、粉飾発覚前の2013年12月期の売上高80億元に対して、売掛債権は22億元以上もありました。


売掛債権回転期間は、3.3か月(=売掛債権22億元÷(売上高80億元÷12か月))となりますが、後に判明した当社の実態の保有債権は1か月分でしたので、実に2か月分以上多く、金額としては約260億円分も、売上高や利益の水増しを目的に過大計上をしていたことになります。


このように回転期間分析を行うことで、粉飾の有無や資産の不良要素等に気付くきっかけとなりますので、危ない会社との取引を避けるために、決算内容を分析する際に活用することをお勧めします。

 


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