危ない会社の見分け方 第5回

 

第5回 企業の定量分析①

 

前回までは企業分析における定性分析でしたが、今回からは定量分析、つまり財務分析について解説していきます。

 

◆中国企業の決算書

 

まず財務分析の基となる決算書ですが、 日本も中国も賃借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)から構成されている複式簿記という点で基本的には同じです。

 

貸借対照表(B/S)では、現金(当座資産)の保有量や、在庫・債権等における資産性の有無、所有者持分(自己資本)の多寡など、主に資金繰りの安定性を把握できます。一方、損益計算書(P/L)では、営業総収入(売上高)の規模や推移、営業利益・当期利益の水準や推移などから、事業の収益性や成長性を把握することができます。

 

国が異なれば、商慣習も異なりますので、定量分析をする際に、その国特有の商慣習を把握し、考慮することは必要ですが、危ない会社という定義が「支払能力が低い会社」という点は万国共通ですので、中国企業に対する財務分析の仕方も基本的には日本企業に対する財務分析と同じと考えることができます。

 

決算書の入手方法としては、上場企業であれば、開示されている情報をインターネットサイトなどから入手し、非上場企業の場合には、信用調査会社へ調査依頼を行って入手するのが一般的な方法となっており、基本的な点は中国・日本の間に大きな違いはありません。

 

しかし、決算書を入手できる割合については差があり、日本では、調査会社の調査員が直接調査対象企業を訪問し、直接入手することが多いため、日本企業約300万社のうち、10~20%程度しか決算書が入手できていないのに対して、中国では調査会社の主な情報源が工商局や税務局などであるため、当局に登記されている会社(1,000万社以上)であれば高い確率で決算書を入手できます。ただし、昨年の工商局年度検査制度改正により、企業は決算書を工商局へ提出する義務が無くなったため、昨年までの入手率約100%に対して、現状は約80%と低下傾向にあります。(2015年10月現在)。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

企業で運用している資金に対する返済不要な資金の割合を示す指標です。

 

日本企業においては、一般的に30%超であれば問題は小さく、10%未満で要注意、マイナス(債務超過)の場合は、危険な状態と評価します。

 

中国企業においては、不動産(特に土地)取得に対する資金需要が低い、金融機関からの資金調達が浸透していないなどといった理由から、日本企業に比べ財務レバレッジ(総資産÷自己資本)が低くなる傾向にあるため、自己資本比率が高くなりやすいことを考慮する必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

借入を行い、より多くの資金を事業に投入することで事業拡大に繋げることができますが、総資産に対して50%を超える水準の借入金がある場合は、借入金に依存した資金繰り状態であり、注意を要する状態といえます。日本では、追加の金融調達が困難になりやすくなります。中国では、金融調達が少ないとは言え、取引先や関係者から資金調達し、未払金や前受金、預り金として計上していることが少なくないので、これらの勘定に多額の計上がある場合には、借入と認識して算出することも有効といえます。

 

次回は粉飾等によって生じる異常値を発見する代表的な分析方法である回転期間分析などをご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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