シンガポール植物園

singapore

 

去る6〜7月にかけてドイツのボンで開催された第39回世界遺産委員会の場で、あの軍艦島を含む「明治日本の産業革命遺産」が日本で19番目の世界遺産として認められたことはまだ耳に新しいが、実はこの会ではシンガポールで初の世界遺産も誕生していた。

 

シンガポール初の世界遺産となったのは「シンガポール植物園」。シンガポールの基礎を作ったとされるラッフルズ卿の実験場に遡ることができるというこの植物園は、英国植民地の時代に正式に命名され、イギリス式庭園でありながら植生は熱帯という珍しさが評価されたようだ。

 

20世紀半ばにシンガポール共和国が成立するが、その都市開発計画はのちにシンガポール自体が「ガーデンシティ」と呼ばれるくらい緑が多く、多分このシンガポール植物園から影響を受け、シンガポール植物園から広がっていったものと考えられる。

 

アジアトレンド シンガポール

 

一方シンガポールは古きよきものが新しいビル群などに置き換わる形で急激に発展してきた。華僑系の多い都市としてはマラッカ、ペナンといったマレーシアの各都市があるが、それぞれはシンガポールにも根を同じくする何らかの昔ながらのものを残していて、両都市は「マラッカ海峡の歴史的都市群、マラッカとジョージタウン」としてもう2008年には世界遺産として登録されていたが、シンガポールは古いものが残っていないからか、文化の根は同じでも国をまたぐことになることが理由かこの世界遺産に含まれることはなかった。そもそもの理由としてはシンガポールがまだ世界遺産条約に批准しておらず、無理だったからかもしれない。

 

東南アジア各国において何事もリードするシンガポールが、世界遺産においては実は遅れを取っていた。一応ASEAN各国の 国別世界遺産登録数あげておく。マレーシア=4、タイ=5、インドネシア=8、ミャンマー=1、カンボジア=2、ベトナム=10、フィリピン=6、ラオス=2、ブルネイ=0。シンガポールはこれで1となり、ようやく東南アジアの世界遺産条約批准国および世界遺産を有する国の一つに加わった。

 

昨今はマリーナベイエリアが注目され、マーライオンよりむしろカジノ複合リゾート「マリーナベイ・サンズ」やその裏手にある新庭園「ガーデン・バイ・ザ・ベイ」に注目が集まるが、シンガポールへの旅行の際に はこの国の過去と今を感じる意味でも少し早めに起床して「シンガポール植物園」をジョギングしに出かけてみてはどうだろう。

 

 

岩田弘志:1998年シンガポールに渡る。引越会社、メディア会社などでの勤務経験ののち独立。ウェブメディア「シンガポール経済新聞」編集長やシンガポール和僑会の代表理事などを務めていた。現在はビジネスドメインをシンガポールからアセアン地区に拡大を図り、翻訳記事を配信する「ミャンマーエクスプレス」編集長などを行いながら各国を回っている。

 

Company Name:*
Name:*
E-mail:*
Mobile or
    Telephone:*

※Please input international code(国番号からご入力ください) JP:81 CH:86 TH:66 Ex)81-03-0000-0000


*Please input all