ガム、タバコに続き飲酒についても規制。強化-夜間の公共空間での飲酒が禁止に

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ゴミ捨てやガムの保持、タバコが吸える場所など公共での規制が厳しいことが特徴的なシンガポールで4月1日、ついに飲酒についても規制が導入された。これは夜10時30分以降の公共空間での飲酒を基本的に禁止するもので、騒音のほか酔いにまかせた暴力行為を防止することが目的。

 

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シンガポールでは実に四十数年ぶりに起こったとされる一昨年のリトルインディアでの暴動が契機となったもので、ついでに懸念されている問題の解決を狙ったものと思われる。

 

これまで公共スペースでの飲酒と言えば、公園内でのバーベキューはもとより、国民の8割が居住する公団住宅HDB敷地内での近所のおじいさん同士の夕涼みなどは普通にみられる光景だった。リトルインディアでは毎週末外国人ブルーワーカーがアルコール度数の高いビールやウィスキーを買い込み、近くの空き地の原っぱで同じ出身地の者や親類縁者が集って飲む光景がみられ、歓楽街クラークキー隣接のリード・ブリッジやオード・ブリッジという歩道橋の上では週末に白人や地元の若者たちがこぞってコンビニやスーパーで買い込んだ酒を飲んで社交するという光景がみられていた。

 

今後は午後10時30分以降のアルコール類の販売は小売店では禁止されるほか、その時間以降は、特別な場合の事前許可なしに公共スペースで飲酒することが禁じられるため、泥酔による大騒ぎやけんか、寝込み、嘔吐などは減るものと思われる。一見厳しい規制のようだが、実はシンガポールの政策の姿勢は、いつもそれが有効かどうかをよく鑑みられたうえで断行される傾向があるように思う。「それをしたい」という者の欲望を排除せず規制の中で行える余地を残し、公共のために守られるべき線を確認し、その一線を超える分までの一部市民のクレームについても一定の配慮をするというスタイル。

 

この公共スペースでの飲酒の規制についても浅い時間は依然可能だし、ほかに屋外で飲む方法はいくつも用意されている。実はガムについても外圧が要因ではあったが、医療用ガムは携帯しやすくなった。またタバコについても、屋外での歩きタバコは規制エリア外ではOKだし、信号機や交差点前には灰皿付きゴミ箱が多く配置されている。

 

岩田弘志:1998年シンガポールに渡る。引越会社、メディア会社などでの勤務経験ののち独立。ウェブメディア「シンガポール経済新聞」編集長やシンガポール和僑会の代表理事などを務めていた。現在はビジネスドメインをシンガポールからアセアン地区に拡大を図り、翻訳記事を配信する「ミャンマーエクスプレス」編集長などを行いながら各国を回っている。