若者に広がる“春節恐怖症”

 

 中国では近年、春節連休(今年は2月5日が春節で、4日~10日の7日間が連休)なのに帰省しない若者が増えています。本来は1年に1度、故郷に帰って、家族が集まって楽しく過ごす祝日ですが、金銭と健康の面から負担に感じ、〝春節恐怖症〟に陥る人が多くなっているようです。


 まず金銭面ですが、特に就職したばかりの貯金のない若者にとっては、春節期間中の〝高額消費〟はとても恐るべき存在です。帰省の交通費、両親や親戚へのおみやげ、子どもたちへのお年玉、同窓会の付き合いなどで、「あっという間にボーナスが消えた」「財布が大変」と苦笑いする若者たち。

 

 毎年、約30億人が移動していると推測される春節帰省ラッシュでは、航空券や列車、バスのチケットはいつも以上に入手困難です。真冬の時期は寒く、衣類などの荷物がかさ張るし、空港も駅もものすごい人混みで騒がしくて、移動を想像するだけで頭が痛くなるほどです。ようやく実家に着いたと思ったら、親戚や友人との会食がほぼ毎日続き、食べすぎと飲みすぎで体調を崩す人も少なくありません。

 

china

「体の健康」だけでなく、「心の健康」にも影響があるといいます。両親をはじめ年長の親戚からは「仕事はうまくいっているのか」「どれくらい稼いでいるのか」、そして独身者なら「恋人はいるのか」「いつ結婚するのか」、既婚者なら「いつ子どもをつくるのか」などと聞かれることが、大きなプレッシャーとなります。最近では、親からの「催婚(結婚の催促)」にうんざりするあまり、ネットを通じて「レンタル彼氏・彼女」を利用し、カップルを装って一緒に帰省するというケースもあります。また、春節前になると、ネット上では「春節に必ず聞かれる質問集」「親戚への質問応答術」という冗談半分の投稿が多くなります。


 一方、このような事態から逃げるために、春節期間に故郷に帰らず、旅行に出かける人が増えてきました。中国のオンライン旅行会社・携程旅行網(シートリップ)の推定によると、今年の春節休暇中に旅行に出かけた人は4億人で、そのうちの700万人は海外に出かけています。同社が発表した「2019春節旅行消費と人気ランキング」によると、人気の旅行先は国内だと北京とアモイ、海外だとタイと日本で、日本が依然として人気でした。


 1年間頑張ってきて、家族と楽しく過ごして元気をもらうはずの春節が、かえって負担になって仕事よりも疲れたり、帰省したくないからと旅行に行ってしまう昨今。自分が好きなように過ごせる社会環境に変わるといいですね。

                 

                                  FNA マガジンチャイナ 編集部

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