出会いの場の提供は安全保障の一環-セレンティビティについての演出

singapore

 

 11 月 14 日朝、シンガポールのコンドミニアムの一室で朝の支度をしていた私は、おもむろにテレビを付けてうなった。ASEAN+オーストラリアの非公式朝食会が生中継されていたからだ。

 

 同日の前後は日本から顧客を連れ、今年で3年目を迎えるシンガポール・フィンテック・フェスティバルへの出展をサポートするミッションでホテルの代わりにコンドミニアムを根城にしていた。

 

 シンガポールで大きな国際会議や展示会が行われる主な会場は、我々が参加するフェスの「シンガポール・エキスポ」とASEAN首脳会議が連日行われている「サンテック」、そしてカジノ併設の 「マリーナベイ・サンズ」の3つだ。ASEAN首脳会議の持ち回りは、今年はシンガポールが担当。3つある大きな会議・展示場の一つをサミットに、もう一つを気鋭の金融スタートアップを集めた金融庁主催のイベントにあてている。同時期に開催となったのは決して偶然ではないだろう。

 

      ASEAN首脳会談が行われたサンテック(左)と金融街遠景


 朝食会ではオーストラリアの新首相の外交デビューをASEANの各国首脳がこぞって祝福。前日のニュースではロシアのプーチン大統領が関連イベントのために訪れながら、別途シンガポールの女性大統領から歓待を受け、ロシア・カルチュラル・センターの開設を祝っていた。翌日の朝食会にはインドのモディ首相が来場。その足でフィンテックフェスティバルの会場を訪れ、基調講演を行った。同日は展示会最終日で、少し落ち着きを見せて良いところだが、ここにモディ首相の基調講演が入ることで、朝から会場は沢山の来場者で賑わっていた。カナダの首相も来星。ASEAN関連会議のほか、フィンテックフェスティバルを覗き、そして自らの祖先の足跡を辿って、フォートカニングパークという小山に登って先祖の銘板と自撮りをしていた。

 

 全てを同じシンガポールという場所に同時期に集め、それをつつがなく行うことで、シンガポールという国の先進性と安全性、重要性と高いセレンティビティの演出を印象づけ、それを国の安全保障と捉えているスマートさがよく見て取れた。

 
 毎朝会場へ向かうために、グラブというアプリを使って一般車を利用したが、どの車も5分以内にはやってきた。中には1分でやっ てきたものもあった。道中は全くといっていいほど渋滞がなく、またこれだけのVIPを集めているにも関わらず、空港も市内も普段どおりで警戒感が全く表に出ていないところに感嘆した。先の米朝首脳会談もそうだったが、シンガポールは相変わらず大胆で抜け目がない。

 

岩田弘志:1998年シンガポールに渡る。引越し会社、メディア会社などでの勤務経験ののち独立。ウェブメディア「シンガポール経済新聞」、「ミャンマーエクスプレス」編集長などを歴任。シンガポール和僑会代表理事も務めていた。現在はシンガポールと日本各地を巡りながら、コミュニティ・ビジネス「セッションX」を立ち上げに勤しんでいる。

 

Company Name:*
Name:*
E-mail:*
Mobile or
    Telephone:*

※Please input international code(国番号からご入力ください) JP:81 CH:86 TH:66 Ex)81-03-0000-0000


*Please input all