危ない会社の見分け方 第21回

 

第21回 中国における与信政策プロセス②  与信事後管理プロセス

 

 前回、「取引開始前」のプロセスについて各段階で実施すべきことを掘り下げてお話しましたが、今回は「取引開始後」のプロセスについてお話したいと思います。

 

2.与信事後管理プロセス

 

 契約が終わると、取引が開始されるわけですが、与信管理はここで終わりではありません。むしろここからが本番といっても過言ではありません。販売代金を確実に回収できるように、取引先を継続的に管理する事後管理の仕組みを構築し、運用する必要があります。

 

 

①債権管理・限度管理

 
 取引が始まった後も債権の期日管理を行い、期日通りに入金されていることを確認します。また与信残高が与信限度内となるよう取引が行われているか、限度未設定や限度超過がないかを確認します。債権管理と限度管理を徹底することで、異常が表れた場合に理由を注意深く分析することで、取引先の異変を察知しリスクを回避することができます。 

 

②情報収集 

 

 取引先の異変は、自社の販売や回収に表れるとは限らないため、取引先の決算情報など経営状態に関する情報を各方面から逐次入手し、動態管理を行う必要があります。信用不安にかかわる情報を入手した場合は、真偽を確認し、必要に応じて与信限度の見直しを行います。

 

③定期見直し

 

 原則として1年に1度は、取引先の経営内容、管理状況、担保価値等を分析し、与信限度の見直しを実施します。時期としては取引先の決算期の半年以内で実施します。債権管理・限度管理および情報収集において異変を察知した場合は、臨時で見直しを行います。 

  

④問題先管理

 

 支払遅延が常態化している取引先や極端に経営内容が悪化している取引先については、一般の取引先とは区別して、集中的に管理を行います。常時情報を入手し、対応策を立てるとともに、定期的に状況報告によって確認を行っていきます。 

 

⑤回収・事故先管理

 

 また、取引先が倒産状態に陥った場合は、自社の債権ポジションを明らかにし、保全・回収・届出等の手続きを遅滞なく実施することで、少しでも被害を小さく抑えます。


 このプロセスが循環的になっていることが重要です。このように、与信管理とは継続的な活動で複雑、かつ経理・会計・税務などの知識、財務分析に関する技能、業界に関する知識、倒産・担保などの法制度に関する知識、マネジメントシステムや経営に関する知識といった幅広い知識や技能が求められるため、担当者は、日々研鑚を積むことが求められます。  

  

 そして、適切な与信管理を行うためには、管理部門だけでなく営業部門の力が不可欠なため、両者の部署を超えた信頼関係の構築が肝要と考えられます。  

 

 さらに昨今は会社経営の透明性を求められ、与信判断基準については、主観的基準だけではなく、客観性も強く求められています。また、現在急速に進む社会のIT化により、与信リスクがさらにクローズアップされています。これはIT化することにより、見えない相手に対する現認と認証、信用力とパフォーマンス、決済方法といったことに起因するリスクが明確に浮き彫りになるためです。刻々と変化する複雑な経済活動のなか、広がるリスク、変化するリスク、新しい分析判断方法への対応が必要となっており、柔軟に対応できる仕組み作りが重要となっています。  

 

 与信管理は、販売管理や財務管理といった会社の主要なマネジメント機能をつなぐ経営上の重要なシステムです。与信管理を効率的かつ効果的に行って焦付防止・損失最小化を図るには、取引先の信用力を加味した与信管理ルールの構築が必要不可欠になります。  

 

 リスクモンスターではポートフォリオサービスの分析結果から貴社に最適な与信管理ルールを構築し、マニュアル化・文書化による内部統制対応をサポートします。 

 


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