シンガポール糖尿病戦争

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 昨年8月の建国記念日に行われたリー・シェンロン首相のスピーチに倣い、政府は次々と健康増進策を打ち出してきている。スピーチで首相は、シンガポールは先進国の中でも突出して糖尿病の多い国になっているとし、「Singaporeʼs War On Diabetes(シンガポール糖尿病戦争)」と「戦争」という剣呑な言葉を使用してまで国民に対して意識付けを行った。その数は 45 万人に上り、国民(18 ~ 69 歳の)の9人に1人が糖尿病という計算になるという。


 具体的には、保健省などが主導して以下のような施策が進められるという。


 広告の制限(糖類が多く含まれるソフトドリンクなどの広告の制限。子どもたちに見せないような取り組み、ダイエットドリンクなども対象)、砂糖税の導入、水の飲用推進、フードセンターにおける健康食度合いのレーティング、国内ドリンクメーカーへの規制(ステビアなどの砂糖代替成分利用の推進なども)。


 広告の「子どもたちに見せない」という規制はどのような形を取るのか、国内に多くあるファストフードチェーンはどうするのか、なんとも想像し難く感じられる。またこの取組の一環としてスーパー内での陳列にも一定の規制を儲けるとのこと。

 

 「ソフトドリンクの代わりに水を飲もう」は、ソフトドリンクの国内製造と輸入を鑑みた場合の経済的増減はどうなるのかが多少気になる。またシンガポールは近年、マレーシアからの水道用水輸入に対する依存率を下げることに努力しており、海水の利用、あるいは下水を浄化させて再利用したり貯水池を増やしていくなどといった施策を重ねている。そのあたりの需給も気になるところだ。

 

シンガポールの屋台料理を代表する、不健康だけど美味しくてやめられない料理の一つ「炒粿條」


  フードセンターにおける各屋台のレーィングは、健康メニューをどのくらい導入しているかに焦点が置かれる様子。かつて衛生面におけるレーティングが導入され、今でも各店舗の店頭には「A」「B」「C」といったステッカーが貼られている。ちなみに「D」だと営業できない。またトイレのレーティングが始まった際には、ショッピングモールのトイレがどんどん綺麗になっていったのが懐かしい。

 

 糖尿病対策とは少し離れるが、ここ1年でバターやショートニングに含まれるトランス脂肪酸に対する規制も強化されている。これまでのタバコへの規制を鑑みるに、こうした健康増進策もどんどんドラスティックに導入されることが想像される。

 

岩田弘志:1998年シンガポールに渡る。引越し会社、メディア会社などでの勤務経験ののち独立。ウェブメディア「シンガポール経済新聞」、「ミャンマーエクスプレス」編集長などを歴任。シンガポール和僑会代表理事も務めていた。現在はシンガポールと日本各地を巡りながら、コミュニティ・ビジネス「セッションX」を立ち上げに勤しんでいる。

 

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