シンガポール政府がQRコード決済の標準化に関心

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 シンガポール政府がQRコードを使った少額決済の仕様標準化に関心を示している。これは中国で同様の決済が大きな人気を集めていることの影響を受けたものだろう。QRコードはそもそも日本のデンソーが開発した技術で、世間で広く使われることを重視し、保有する特許範囲内で、基本基準を守るものであれば誰でも無料で利用できることにしている。

 

 日本ではあいにくこのQRコードは決算手段としては発展して来なかったが、近年中国においてWeChat PayとAliPayがこれを採用、両者は決済手数料が無料であることから、地元商店から食堂レベルに至るまで利用範囲が広がり、偽札が含まれるリスクのある現金決済よりも重用されるという事象も発生している。

 

 シンガポールは伝統的に、世界の様々な場所で興隆してきた新技術を、未完成の段階から国内に取り入れ、インキュベートの地として多少のエラーが出ることを承知の上で実験的に導入、検証を繰り返した上で洗練化し、ときにほかのものと組み合わせてパッケージ化した上で、輸出するということが繰り返し使われる戦略として採用されている国。ある技術を育てている間に海外より研究者から視察団まで様々な人たちを招致、最終的には定期開催する国際会議・展示会というMICEコンテンツ化するという出口も持ち合わせている。

 

 

 国民のうち7割以上が中華系を擁するシンガポール。中国本土のトレンドからの影響も大きく、今回のこのQRコード決済の国内標準化もこれら流れの中で起こってきたことに違いない。

 

 彼らは早くから「税や公共料金のクレジット決済」「デビットカード」「電子通行料金徴収システム」「交通カード決済」などを取り入れてきた。しかし、彼らが「大きな会社にとってクレジットカードやデビットカードは便利だが、小規模事業者には向いてこなかった」と言う通り、街角の単店独立経営のコーヒーショップではどちらも使えないことが多く、居宅から歩いて数分内にあるような生活用品を売る商店などでは、デビットは出来るがクレジットは無理というところが多かった。どうも今回シンガポール政府がターゲットとしているのは、中国で利用しているのと同様、QRコードをこうした小規模事業者の決済に利用しようというもののようだ。

 

 さてこのあと、シンガポール政府はどうパッケージ化して海外に売っていこうとするのだろう。QRコード国際会議なんかが毎年開催されるようになるとしたら、日本から眺めてなんとも微妙に感じてしまうだろう。

 

岩田弘志:1998年シンガポールに渡る。引越し会社、メディア会社などでの勤務経験ののち独立。ウェブメディア「シンガポール経済新聞」、「ミャンマーエクスプレス」編集長などを歴任。シンガポール和僑会代表理事も務めていた。現在はシンガポールと日本各地を巡りながら、コミュニティ・ビジネス「セッションX」を立ち上げに勤しんでいる。

 

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