シンガポールにおけるLGBTプライド運動

singapore

 

 建国の父、リー・クアンユーさんが亡くなって約2年。次男家族が出国することをほのめかすなど「この国でもご多分にもれずやっぱりか」と一族の確執が気になる昨今ではあるが、今回はシンガポールにおけるLGBTプライド運動についてのお話。

 

 3年前、とあるメールマガジン向けにシンガポールのLGBTプライド運動についてのコラムを執筆したのをふと思い出し、いまへの変化を感じてみたいと思って、再びその原稿を眺めてみた。

 

 シンガポールの運動としては、Pink Dot Sg というものが有名で、2009年以来毎年この時期にチャイナタウンや金融街にほど近い、ホンリム・パークという公園で同名の大規模な大会が開催されてきた。

 

 最初の年集まったのは約500~2,500人。注目度がまだ低かったせいかメディアによって数値に大きな幅がある。このイベントは年を追うごとに世界的に高まりつつあったLGBTの権利を主張する一連の潮流において、シンガポールにおける国家サイズ的イベントとして認知されるようになっていった。

 

                さまざまな色に輝くスーパーツリー

 

 遡ってシンガポールは2007年に、異性間同士、および女性間同士のオーラルセックス、アナルセックスを禁止する法律は撤廃されていたが、依然として男性間によるものは現在も禁止されたままで、Pink Dotの運動としては、この問題にも焦点が当てられていくことになる。

 

 私がコラムを書いた2014年に行われた大会では、オフィシャルで26,000人も集まるイベントに成長していた。イスラム団体とキリスト教団体が大同したWearwhiteという保守的グループも出現。Pink Dotに対抗して、更に大きな広場であるPadanという場所でデモを行おうとしたが、政府は対立が色濃くなるのを避けたのか、そちらの開催は認められなかった。しかしながら、大会から約3カ月後、男性間の性交渉を禁止する条項は合憲であることが高裁で確認された。

 

 そもそもシンガポールは、目先の公平さよりも対立が顕現化しないことの方を重視する。いまやホンリム・パークでは収まらない規模に成長したPink Dotだが、いまのところ他の場所で実施できるような様子は全くない。同公園内約20年も以前から設置された、演説台Speaker’s Cornerのルールが取り沙汰され、海外資本の企業・海外団体からの支援については、承認制とされるということが決められた。

 

 今年5月、中国台湾地区では同性結婚を認めないことが違憲だと法廷で確認され、今後同性結婚が可能になる。これで台湾地区はアジア初の同性結婚を認める地区となり、今後、シンガポールへも影響するとみられている。

 

岩田弘志:1998年シンガポールに渡る。引越し会社、メディア会社などでの勤務経験ののち独立。ウェブメディア「シンガポール経済新聞」、「ミャンマーエクスプレス」編集長などを歴任。シンガポール和僑会代表理事も務めていた。現在はシンガポールと日本各地を巡りながら、コミュニティ・ビジネス「セッションX」を立ち上げに勤しんでいる。

 

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