地方都市の投資促進

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 ベトナム北部タイビン省。ハノイから110Km、高速道路で2時間。ハイフォン同様、紅河デルタの沿岸地域にあるこの省は、近年、密かな注目を集めています。

 

 このタイビン省で先日、大々的な投資促進セミナーが開催されました。かなり大掛かりなセミナーだったので、私にも参加の声がかかり、せっかくなので参加してきました。

 

 人民委員会の方々が、盛んにタイビン省のメリットや投資促進への意欲を語っておられ、なかなか熱気のあるセミナーでしたが、私が感じたのは、いきなり国外からタイビン省に投資を誘致するのは難しかろうという事でした。

 

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 タイビン省はベトナムの代表的な港町の一つであるハイフォン市と北に隣接しています。ハノイとハイフォンは、同じベトナム北部といえども移動に時間がかかることもあり、生活圏が完全に分かれています。従って、ベトナム進出を北部で検討する際、ハノイ近郊にするかハイフォンにするかという選択が必要になります。

 

 そしてハイフォンに進出を決めた企業は、おのずと、ハイフォンを中心に企業活動や生活をすることになります。進出検討の際、タイビン省は残念ながら最初の進出先候補地には挙がりにくいでしょう。

 

 現在、ベトナム国内でのタイビン省への投資の動きは、ハイフォン工場の第2工場としての機能を期待した動きが大きいように思えます。ハイフォンで工場を稼働させている工場が、生産拡大のためにハイフォンに隣接した場所に工場を構える。サプライチェーンはハイフォンを中心に成り立つ。駐在員はハイフォンに住む。こう考えると、タイビン省単独で投資を呼び込むのではなく、ハイフォンなどの近隣省との連携が求められるだろうと感じます。


 この動きは、ASEANで注目を集めているタイ+1の動きに似てます。タイを中心に、周辺国を交えたサプライチェーンを構築するという考え。このタイ+1になぞらえて、ハイフォン+1やハノイ+1といった考え方こそ、今後のタイビン省、そして地方都市に求められる考え方であろうと思いますし、そのつもりで進出を検討することが必要なのだと思います。

 

 

大塚 哲久:1982 年2 月生まれ。2010 年9 月株式会社エヌシーネットワークベトナム設立に伴い、ベトナム駐在開始。現地にて月に30 件の工場訪問を重ねる。ベトナムからの調達活動のサポートおよび、ベトナムへの工場進出相談、サポートを行う。

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