電気自動車の国内展開に 急激に舵を切るシンガポール

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シンガポールに電気自動車専門のタクシー会社が誕生した。社名はHDTSingapore Taxi Pte Ltd.。HDT は“HoldDreams Together” の略。「一緒に夢をつかもう」という意味だ。中国深センの電気自動車及びバッテリー関連製品メーカー「BYD」が出資・支援する会社で、同社製造の電気自動車を使用する。


オープン時タクシー向けに用意された車両はわずか10 台。料金は一般のタクシーより少し高めだが、「少し高く払って地球を救おう」という考えに共感する市民に訴求することを意図している。タクシードライバーとの契約も、シンガポールでは一般的ではないフルタイム雇用制。最低賃金+成果報酬型で、社会保障も充実させている。「電気自動車は初期費用が高いが、ランニングコストは安い」という観点では、1日あたり15 ドルほどの差額が見られるとされ、「長く使えば使うほどお得感が出る」と長期的観点での運用が見込まれている。

 

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                                                                              ゲイラン地区の渋滞

 

同社及びグループは、来年度の本格運用に向け車両、ドライバーと充電施設の拡充を図っていて、提携するタクシー予約アプリ「Grab Taxi」の顧客向けのカーレンタル(シェア)サービスや、充電施設の一般への開放スキームも組み立てている。

 

一方新興のEVAという会社では、シンガポール製の電気自動車の開発が進められている。南洋工科大学とともに製作、2015年に発表されたプロトタイプはタクシー向けのデザインだった。

 

また2017年には仏ボロレ・グループの資本で1,000台規模の電気自動車専用カーシェアリング「blueSG」がスタートする。一般的なカーシェアリングは元の拠点に戻って車両を返却する必要があるが、同サービスではワンウェイを提供するという。2020年までに全てのHDB(公団住宅)エリアに拠点を設置することを目指している。

 

シンガポール政府陸運局の今年6月の発表では意外にもハイブリット車及び電気自動車のシンガポールにおける登録台数はわずか120台に過ぎず、このところ電気自動車のエリアにシンガポール政府が急激に舵を切ったことが伺える。

 

国家シンガポールが展開する、「テーマ設定⇛招致⇛実験場の提供⇛拡散⇛パッケージ化/コンテンツ化⇛インフラまるごと輸出/国際会議・展示会の主催」という無の場所で有を生み出す必勝パターンには相変わらず学ぶことが多く、乗り遅れたり無視することはしがたい。

 

 

岩田弘志:1998年シンガポールに渡る。引越し会社、メディア会社などでの勤務経験ののち独立。ウェブメディア「シンガポール経済新聞」、「ミャンマーエクスプレス」編集長などを歴任。シンガポール和僑会代表理事も務めていた。現在はシンガポールと日本各地を巡りながら、コミュニティ・ビジネス「セッションX」を立ち上げに勤しんでいる。

 

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