中国の自動車産業 乱戦模様のエコカー業界

 

ここ2年で、上海でもエコカーを良く目にするようになりました。今回はクルマについてのお話です。

 

中国のエコカー最大手のBYDが2016年の上半期決算を発表しました。純利益は22億6,000万元(約354億7,900万円)で前年同時期に比べて4.9倍の大増益です。

 

「中国のテスラ」と呼ばれる事もあるBYDですが、「2003年に異業種からの参入で設立された」という点では確かに共通しています。BYDは電池メーカー、テスラはシリコンバレーのITベンチャーからの出発でした。BYDはPHV・EVを主力に、テスラはEVのみと方向性も似通っている点も上記のように呼ばれる理由の1つです。

 

BYDというか、エコカー事業が大きく業績を伸ばす事が出来た背景ですが、政府のエコカー支援策の強化をおいて他にない、というのが正直な所です。

 

中国政府は、純電動車とプラグインハイブリッド車の生産能力を20年までに200万台に、そして同年までに累計生産販売台数を500万台超に、それぞれ増やすという市場目標をかかげており、その為に様々な補助政策を実施しています。

 

中国ではEVとPHVの事を新エネルギー車と呼ぶのですが、新エネルギー車を販売すると、メーカーには6万5,000元(約100万円)の補助金が入ります。つまり、補助金の分値段を安くできるという事です。以前は300万円以上でとても一般消費者には買えなかった新エネルギー車の値段が一気に下がった事で、15年のエコカー市場は14年比の約4.4倍の33万台に増加。16年も拡大を続けています。

 

そんな中、中国の他のメーカーも慌てて動き出します。エコカー業界の急成長を目の当たりにした矢先、2020年にこの新エネルギー車に関する補助金制作が終了する事になったからです。吉利・安徽江淮などが相次いで新エネルギー車の工場を設立、BYDもEVバスの工場を新たに増設しています。

 

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2015年の統計によると、中国の自動車販売数は累計約2,500万台です。2020年には世界のクルマの3台に1台が中国で販売されるとも言われていますが、さて、そのうち「新エネルギー車」がどれくらいを占めるようになっているのか、とても興味深いです。

 

                                                                                        ファクトリーネットワークチャイナ  岩切 廣晃