危ない会社の見分け方 第10回

 

第10回 中国企業のブラックリスト

 

現在、中国では政府主導で社会信用システムの構築が進められており、システムを通じて様々な信用情報が公開されています。今回は、人民法院が開示している「信用喪失被執行者名簿」と工商局が開示している「経営異常名簿」、「重大違法名簿」を紹介します。

 

中国版ブラックリスト「信用喪失被執行者名簿」

http://shixin.court.gov.cn

 

最高人民法院(最高裁)が公開する「信用喪失被執行者名簿」には、2016年2月末時点で338.5万件の信用喪失被執行者情報が公示されており、そのうち49.2万件が法人やその他組織に関する情報となっています。

 

「信用喪失被執行者名簿」とは、判決により執行された個人や法人が、履行能力を有しているにも関わらず、判決の内容どおりに義務を履行しない場合に、一定の条件下でその名前や内容が掲載される名簿で、公開されたシステムから、誰でも閲覧することができます。掲載されている法人の多くが、借入金の未返済や債務不履行によるものです。

 

 信用喪失被執行者に認定されると、政府入札や融資貸付等が制限されます。また、高速鉄道や飛行機の乗車、不動産や金融商品の購入、高級ホテル宿泊などの高消費制限が適用されます。法人の場合は、その法的代表者や主要責任者の高消費行為が対象となります。2016年2月末時点で、延べ78.2万人が高速鉄道乗車を、延べ388.7万人が飛行機搭乗を制限されています。

 

イエローカードの「経営異常名簿」

 

2014年10月施行「企業情報公示暫行条例」に伴い、各企業は、年度報告や登記内容変更を、企業信用情報公示システムを通じて登録する必要がありますが、この手続きを遵守しない企業が、「経営異常」となります。

 

2016年2月末時点で「経営異常名簿」には283.7万社が掲載されており、中国全企業の約13%に達しています。「経営異常」と見なされた理由は下表のとおりであり、約94%が年度報告書の未提出企業となっています。

201610_rismon_1

 

また、報告書提出の徹底状況が地域によって異なるため、「経営異常」の企業数は、海南省や江西省では、全体の約30%が該当するのに対して、四川省ではわずか5%と偏りが生じています。

 

なお、「経営異常」に登録された場合でも正しい情報を反映し、適切な手続きを行うことにより、解除してもらうことが可能です(解除実績:約24万社)。

 

工商局の企業信用情報公示システムには、省毎に「経営異常名簿」が公開されており、更に「経営異常」に該当する企業登記情報を調べた際には、赤色表示で警告文が表示されます。ただし、年度報告や登記内容以外の法令違反があっても「経営異常」にはならないため、他の行政処分情報が無いか確認が必要です。

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今後開示予定の「重大違法名簿」

 

「経営異常」よりも更に深刻な企業が「重大違法」企業です。「経営異常名簿」に掲載されてから3年超経過しても、解除のための手続きがなされていない企業が、該当します。また、詐欺や虚偽、不法行為により行政処分を2年で3回以上受けた場合なども該当します。「重大違法」企業も企業信用情報開示システム上で公開され、「重大違法」企業の代表者は、3年間、他企業の代表者になることができず、政府の重点管理対象になります。

 

なお、現時点では、経営異常名簿制度が2014年から開始し未だ3年経過していないことや、厳重違法企業制度の施行が2016年4月からであることを主因に、「重大違法」企業の事例は発生していませんが、今後時間の経過とともに発生が見込まれますので、動向に注目しましょう。

 

このように、取引先に問題が無いか、上記システムを通じて確認することをお勧めします。もちろん、当社へ調査依頼頂いた際には、これらの信用情報も反映した調査報告書をご提供します。

 


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