危ない会社の見分け方 第9回

 

第9回 与信限度額の見直し・管理

 

企業は「生きもの」と言われるように、企業の信用力は常に変化しています。特に経済環境の変化が激しい中国おいては、企業の信用力が低下する際の速度は著しいです。そのため、与信限度額は、一度設定した金額を未来永劫使用し続けるのではなく、定期的に見直しを行いながら使用していく必要があります。

 

取引開始時の与信限度額のまま、何年間も再評価をせずに取引していると、取引先の業績悪化の兆候に気付かずに、結果として、多額の滞留金や不良債権が発生してしまうことがあります。

 

ですから、与信限度額には期限を設定し、少なくとも年に1回以上は取引先の再評価とともに与信限度額の見直しを行うべきなのです。

 

中国進出日系企業の与信管理体制

 

中国進出日系企業に対して、当社が実施した「与信管理体制に関するアンケート」によると、社内に与信管理規程やルールが設置されている企業は全体の50%であり、毎年与信限度額を見直している企業に至っては21%しかありません。

 

 

「毎年与信限度額を見直している」と回答した企業の内訳を見ると、東証1部上場の商社や大手メーカーといったグローバル企業であり、中国企業に対して積極的に販売を行い、大きく成長している企業でした。今後、中国企業への販売強化を目指す日系企業にとっては、与信限度額の定期的な見直しができる体制を整備しておくことが成功の一要因になり得えます。

 

与信限度額の見直しの時期

 

与信限度額の見直しは、取引先の信用評価見直しのタイミングと合わせることが合理的です。中国で確認できる財務情報の多くは、工商局が開示している情報です。工商局に対して企業が財務情報を報告する期限は6月末となっていますので、見直しの時期としては、全ての企業の決算情報が開示される7~8月が、最も情報の鮮度も高く、評価時期として適していると考えられます。

 

しかし、「信用不安情報の入手」や「取引の増加」などにより、与信限度額を変更する必要が生じた場合には、与信限度期限とは関係なく、与信限度額を見直す必要があるため、注意が必要です。

 

財務・管理部門は、与信限度期限が切れる2カ月前には、営業部門へ与信限度期限到来取引先を通知し、信用調査や与信限度申請書作成を促すとよいでしょう。

 

見直し事項

 

与信限度額の見直しの際には、単なる取引の見直しとして捉えるのではなく、取引先との取引について「一から検討し直す場」と捉えて、取引先の信用評価や商流分析、契約内容の確認、担保物の確認・再評価など、取引開始時と同等の内容について、見直すべきです。

 

これらの項目全体に対して見直しを図ることで、漏れていた契約条項や、担保評価の変化などに気付くきっかけとなりますので、与信限度額見直しを与信管理レベルを高める貴重な作業として、積極的に取り組む必要があります。

 

また、新規取引とは異なり、過去の取引実績、支払遅延有無などの社内情報も盛り込むべきです。

 

与信限度額の管理について

 

財務部門は、与信限度額の設定状況や債権回収状況を常に把握しながら、与信限度額の運用や債権の回収状況に異常がないかチェックし、異常発生時には、速やかに営業部門へ注意喚起できるようにしておく必要があります。

 

上表の当社アンケートによると、「与信限度額を設定している」と回答している企業であっても、必ずしも「与信限度額を超過したかが分かる」わけでは無いようです。設定した与信限度額を形骸化させないように、債権管理回収残高一覧表や売掛債権残高推移表など、与信管理に必要な情報を管理する帳票を作成し、与信限度額超過を察知できる体制にしましょう。

 


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