2012.4 China_Vol.2

ますます厳しさを増す関連法令
中国をはじめ東南アジア諸国の産業が増している今、日本では製品の機能を高め、付加価値向上を図る動きが急務になっている。その実現に向けて各種の表面処理技術が注目を集めている。日本製品の良さは品質の高さにある。その一助となり、最先端分野でも使用されているのが表面処理だ。例えば、コンピューターに欠かせないハードディスクは基材にはアルミニウムを使い、磁気記憶媒体としての磁性膜をコーティングする前に、磁性膜を支えるためのニッケル-リンメッキが施されている。さらに、磁性膜の上には製品の長寿命化および安定化を目的とした保護膜や潤滑膜がコーティングされている。すなわち、表面処理がなければハードディスクは製造できないのだ。
中国でのPC関連機器の一大生産拠点となっている華東地域の蘇州市や華南地域の東莞市では表面処理を施す企業が多く進出していた。しかし、表面処理(特に、メッキ加工)は排水処理などの設備費用がかかる他、環境規制に適合した土地許可を得る必要があるなど、中小企業にとって進出、またその後の経営展開が難しいものになっている。
中国政府も表にあるようにここ5年間、表面処理に関する法令の施行または改正を加え、環境保護や技術、薬品の安全性について強化を図っている。広東省では1 0カ所以上あるメッキ加工団地はすでにいっぱいになっており、日系中小企業にとって進出の余地がない状態だ。
![]() 蕭山太陽機械有限公司(FNA No.12489)の 表面処理工場内 |
![]() 貴海金属製品(上海)有限公司(FNA No.11305)の アルマイト処理現場 |
新たに建設された大連のメッキ工業団地
一方で、大連市郊外に新しくメッキ工業団地が建設された。日本企業の豊実精工(岐阜県)は土地・建物と地元政府の表面処理事業の許可書付きで日系企業を対象に分譲をはじめた。同工業団地では中国の環境基準に準拠したメッキ廃水の集中処理設備が今年6月に稼働予定で、入居企業が共同で利用できる。メッキ工業団地は大連市が開発中の35平方kmの化学工業園内にある。周辺には電機・電子部品、自動車関連の大手メーカーも進出している。
現在、表面処理を施す企業は環境保護と安全性の面で大きな転換期に迎えている。弊誌会員企業である浙江省杭州市の蕭山太陽機械有限公司では無電解ニッケルメッキ処理を使い、超精密機械を製造。また、上海市にある貴海金属製品(上海)有限公司では車椅子部品にアルマイト処理を行なっている。両社ともに廃水処理システムの完備や作業員やユーザーの安全性を追求したものづくりをしている。今特集ではこうした中国で表面処理を行う企業の現状を紹介する。
表面処理に関する法令変遷
2006年 | 『表面処理業に関する国家基準』6項目を修正 1、触媒ニッケル-リン層に関する技術要求と試験方法 2、金属表面層:ライン工程用クロム電気メッキ層に関して 3、金属表面層:ライン工程用ニッケル電気メッキ層に関して 4、ほうろう耐温内における急変性時の測定方法について 5、金属表面層:黒色金属材料の熱メッキ亜鉛層の質量測定方法について 6、湿式(非金属類)摩擦材料について |
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2007年 | 『公道及び橋梁に使用する鉄鋼資材に防腐塗装を行う際の技術基準』を施行 |
2008年 | 『玩具表面層技術条件に関する基準』を改正 |
2009年 | 『防水塗料の環境保護に関する基準』を施行 |
2010年 | 「『船舶塗装作業に関する安全規定』が国家基準6項目に追加 |
2011年 | 『水性ヒドロキシシクロプロパノン塗料と自動車内装部品用塗料に関する地方規範』の審査が決定 |
同 年 | 『 玩具の安全生に基づく塗料の国際基準』を強制的に実施 |
出典先: | 慧聪表面处理网: http://www.pf.hc360.com/ 表面处理标准化信息网: http://www.tc57.com/ 金属表面处理网: http://www.bmclw.net/ |

塗装/有機被膜編
表面処理の加工方法の一つである塗装と有機被膜について紹介する。塗装とは吹き付け塗装、静電塗装、電着塗装、粉体塗装などがあり、いずれも広範囲に活用されている。この技術は多彩な色を出すことができる最も容易な方法だ。防錆処理としてのタグロメタル、ジンクロメタルなども焼き付け塗装の一つである。この技法の優位点は焼き付けや紫外線などによる硬化にある。
また、ここでは有機被膜にコーティングを入れた。コーティングとは有機高分子材料やガラス等の無機質材料で金属等を被覆させるもので、流動浸漬、スプレー溶射、静電、吹き付けなどがある。いずれも約10から100μmまでのプラスチック粉末を、金属に付着させ、溶融・加熱金属に接触、溶融、半溶融状態でコーティングし、単独または組合せで施される。
高品質保持のため480時間の塩水噴霧試験
加工依頼増加により塗装ラインを増設
奥林匹亜( 上海) 照明有限公司は東京に本社のあるオリンピア照明の中国法人である。同社では主に住宅や店舗施設用の照明器具の製造と販売を手がけている。また、2007 年から照明器具の塗装を開始、粉体・溶剤の設備を導入して、商品塗装も日本と同様の品質を提供している。
同社の表面処理技術の特長は、塗装工程では金属部品の表面に塗料が乗り易く、耐久性を持たせるため、金属部品の種類ごとに前処理液を分け、最終純水で処理している点だ。これにより、塗装部分の腐食防止と耐久性が高まり、連続480 時間の塩水噴霧試験をクリアーしている。これは主に外回りで使う金属製品に対して長期に渡る品質保証に対応している。
この高品質保証が根底にあるため、ユーザーの9 割が日系企業で、残りは中国系企業となっている。しかし、最近は照明器具だけでなく、家電や工作機械などの業界の製品も取り扱いが増えている。とりわけ耐食性を要求される外枠に使用されるものが多い。
この他、昨年の震災以降に日本市場では急激な照明器具のLED 化が進み、LED 器具に使用されるアルミダイカスト部品の塗装が増えている。大手日系家電メーカーの部品を生産しているアルミダイカストメーカーや日系機械メーカー向けアルミダイカスト部品の塗装を扱う機会が増えている。
現在は、照明器具向けの塗装の生産が約90% を占めている。しかし、異業種の顧客から溶剤塗装の依頼が増えているため、昨年11月に溶剤塗装ラインを増設、対応にあたっている。
ADD:上海市奉賢区西渡鎮工業区奉金路102号 TEL: 021-5743-6418
日系ふっ素樹脂コーティング専業メーカー
大型バッチ炉と連続炉を導入し設備拡充
上海市金山区にある上海特希科氟樹脂表面処理有限公司は日本の東京シリコーンとトシコの出資により2007 年に設立した日本独資企業で、日本同等の高品質のふっ素樹脂コーティング膜を上海で提供している。
ふっ素樹脂コーティング膜の特性として難付着性、耐熱性、すべり性( 低摩擦機能)、耐薬品性、撥水・撥油性、耐摩耗性、電気特性などの優れた特性を兼ね備えており、確かな塗料選択と加工技術により、顧客のニーズに合致したコーティング膜を提供している。
主な取引先は日系企業が7 割、中国系企業などが3 割である。ふっ素樹脂コーティング膜は多岐にわたる産業分野で採用されていて、OA 機器に搭載される部品や自動車部品を生産する設備装置その他さまざまな分野で採用されている。
今後、中国国内のものづくり産業でも確かな品質が求められてくると考えており、顧客のニーズに応じた高品質なコーティング膜を提供すると同時に、省力化や自動化を検討している企業へふっ素樹脂コーティング膜の機能と特性を紹介し、ものづくりの手助けをしていきたいと考えている。
同社では加工品1個からの対応も可能であり、2011 年には大型バッチ炉(2200×2700×2500) と連続炉を導入するなどの設備増強を行った。これにより大きな基材と量産品の低コストでの対応が可能になった。
ADD:上海市金山区亭卫南路388号第2幢 TEL:021-5724-6086
高品質、高附着、環境保護に配慮
優れた塗装技術を提供
上海真鶴涂装有限公司は日中合弁企業として設立。国内外のパーツと設備部品の表面処理及びスプレー加工を行う専門企業である。品質の高いスプレー技術と厳しい検査が製品に優れた塗装性能を施している。
同社は専らアルミニウム、鉄、亜鉛などの金属加工物とプラスチック加工物の表面処理とスプレー加工業務に取り組んでいる。顧客の要求に従い、適切な塗装作業を提供。社内では塗装加工が全工程でき、初めの鈍化/リン酸塩処理から最後の出荷検査まで厳しく管理している。
前処理工程において、パーカー社の処理薬剤を使い、クロムなしの表面処理を施し、安定した品質を確定。材料の耐腐食性並び素材と膜の粘着性を向上させ、環境保護の要求にも対応している。塗装工程において、浸漬式の前処理ラインの一つにし、塗装から乾燥まで一体した生産ラインを2本有し、スプレー室にしても先進的な塗装設備により、塗装加工に基盤としている。この他、品質検査も重視し、色差計、光沢計、膜厚計、塩化ナトリウム腐食テストなどの検査設備も揃え、品質検査技術の高さを誇っている。
同社の優れた塗装技術は多くの企業から認められ、アルパイン、ミネベヤ、ヤマダ電機、三菱電機、松下、東芝、日立、オムロン、東洋電装、フィリップス、ダナハーモーションなどの国内外の企業と取引がある。将来的には省エネ、磨耗低下の環境保護製品に力を入れ、生産向上に取り組む予定だ。

メッキ/化成処理編
ここではメッキと化成処理の一つである溶射を紹介する。メッキとは金属などの材料の表面に、金属の薄膜を被覆した表面処理、あるいはその方法を指す。狭義には液中でおこなう方法のみを言う。「鍍金(ときん)」ともいうが、狭義では金めっきを鍍金と呼ぶこともある。
また化成処理では溶射を取り上げる。溶射とは加熱することで溶融またはそれに近い状態にした粒子を、物体表面に吹き付けて皮膜を形成する表面処理法の一種である。吹き付けられる物質は「溶射材」と、被施工物は「基材」と呼ばれている。表面処理法としては比較的新しい。1910年前後に米のスコープ博士により発明・開発された。超音速の噴流を用いることで、高い密着性、低い気孔率の皮膜の形成が可能にした技術だ。
機能メッキから装飾メッキまで幅広く対応
技術改良により安心安全な処理法を開発
深圳市融達飛科技有限公司はOA、家電、コンピューター部品、FA 設備などのプラスチック射出成形品、ダイカスト品、機構部品等の調達を得意とするメーカーだ。メッキ事業は2009 年からで地元メッキ工場と協力し、三価クロム、電解、無電解メッキ、黒メッキなどをできる体制を確立した。
同社では機能メッキから装飾メッキまで幅広く対応している。特に、耐食性に優れたメッキ・皮膜処理で技術力を発揮している。独自に開発した技術で、無電解ニッケルメッキを施した後、黒ニッケルや、錫ニッケルメッキ処理を行う事で優れた耐食性を実現している。また、従来の不動態化処理( パシベート処理) は希硫酸や酸化剤を使用するため、危険の伴う処理方法だった。しかし、技術改良によって安心で安全な処理法を開発し、実用している。
現在の主な取引先は日系や欧米系企業がほとんどである。ユーザーからの加工品はデジタルカメラの機能メッキ( 内装部品) が多いのが特長だ。これは品質に見合ったコスト競争力と技術力が同社にはあるからだ。品質保証体系を完備し、品質や成分保証においては外部検査機関であるSGS、CTI 検査データにて保証体制をとっている。今後は電解研磨加工にも事業を拡大する予定だ。
ADD:広東省深圳市福田区深南大道6031号杭鋼富春商務大厦1009-1010室 TEL: 0755-8835-3557
耐摩耗性に優れたセラミック皮膜をコーティング
液晶の配向膜の塗工にも使用
フレキソ印刷機、各種高品質コーティング加工機、ラミネータ加工機に用いられる耐摩耗性に優れたレーザ彫刻セラミックロールの製造を行なっているのが上海市閔行区にある上海村田激光技術有限公司だ。
同社の溶射はプラズマを使用しファインセラミックスの酸化クロム粉末をロールにコーティングしてから研削仕上げ、鏡面仕上げを行った後、ファイバーレーザーでファインセラミックスの表面に微細なセルを彫刻することを行なっている。このロールはフレキソ印刷機や塗工機に使用され、微細に彫刻されたセルにインク、塗工液などを充填させ、印判( ハンコ) や紙、フィルムに転写し、印刷や塗工などの加工品を製作する。製品群はフレキソ印刷では段ボール、カートンボックス、シール・ラベル、紙袋等への印刷。塗工分野においては金・銀泊、磁気テープ、接着剤、機能性フィルムなどに使用されている。最近では液晶の配向膜の塗工にも広く用いられている。
この他、溶射の特徴はリサイクルの点においても優れていることだ。通常であれば、摩耗した製品は廃却し新しく製作するが、溶射は摩耗した部分を補修し、その母材を有効的に生かすことができる。さらに母材の硬度よりも高い皮膜をコーティングすることで、耐久性の向上も実現できる。
ADD:上海市閔行区莘北路669号 TEL: 021-6493-7818
溶射だけでなく機械加工も
高速ガス溶射法を利用した超音速噴塗
上海田島熱噴塗有限公司は日本の大阪ウェルディング工業が独資で設立した中国現地法人である。グループ会社は上海の他に山東省東営市にも工場がある。
同社では溶射技術による各種表面硬化を行い、金属、自動車、セラミック、医療、プラスチックに至るまで幅広い業種で使用されている。
強みとしては高速ガス溶射法(HVOF) を利用した超音速噴塗による炭化タングステン(WC) や炭化クロム(Cr3C2) 皮膜だ。製品に熱影響を与えず、形を変えることなく、耐摩耗性を向上させることができる。これによりポンプ、バルブをはじめ、従来の熱処理やメッキでは満足できない耐摩耗性能を発揮することができる。同技法は日本では浸透している技術であるが、中国ではまだ稀なものだ。しかし、中国国内でも機械性能や耐久性の要求が高まるにつれ、この溶射技術の需要が高まりをみせている。また、溶射処理は廃液等を出さないため、環境に悪い影響を与えないなどの優位点が利点として挙げられる。
この他に、同社の強みは溶射加工だけでなく、機械加工も行なっているところだ。素材から仕上げまでの一貫生産をしている。
ADD: 上海市嘉定区安亭鎮黄渡羅家村340号 TEL: 021-5959-7488

その他(複合処理)編
最後に複合処理としてアルマイト処理と熱処理を紹介する。アルマイトは、アルミニウムの陽極酸化皮膜である。また、その加工(処理工程、作業)を陽極酸化処理またはアルマイト処理と呼ぶ。アルミニウムの耐食性、耐摩耗性の向上、及び装飾その他の機能の付加を目的として行なわれる。1929年その他(複合処理)編に日本の理化学研究所が発明し、特許を取得したアルミニウムの蓚酸法陽極酸化皮膜の方法を引き継いで「アルマイト」と命名したのが由来だ。現在では、アルミニウムの陽極酸化皮膜の一般名称として用いられる。
熱処理は形状加工と同様に素材の完成度を高める方法であり、加熱・冷却により素材の性質を変化させる処理である。金属などを加熱・冷却して硬度や性質を変化させることだ。
自動車部品のアルマイト処理で強み
6月に中国生産工場が完成予定
愛知県東郷町にアルマイト皮膜加工専業メーカーの株式会社中部理化がある。アルミ母材の持つ軽量、強靭、優れた加工性を加え、さらにアルマイト処理を施行することで耐摩耗性、耐食性の向上が図られ、自動車のブレーキ部品をはじめ、機能部品などで使われている。また、皮膜に染料を含浸させる着色( 赤、青、金等) が可能なため、装飾品などにも使用される。同社では硬質アルマイト、常温( 軟質) アルマイト、装飾アルマイト加工を行なっている。
特に、耐磨耗性の向上を目的に施工されるケースが多く、表面硬度としてはHv350 ~ 450 までの硬度が確保できる。ただし、これにはアルミ材質により変動がある。同社の取扱品としてオートマチックトランスミッションの油圧を制御するコントロールバルブでの実績がある。また、アルミの腐食防止にも施工され、膜厚についてはミクロン単位のオーダーを受けることが可能で、100μm の生産することができる。
生産品目は自動車部品が約80%、特にAT 関連部品がその65% も占めている。主なユーザーは日系自動車メーカーだが、仕向け地は北米、中国、タイ等アセアンやヨーロッパにも幅広く供給されている。
今年6 月には浙江省平湖市に同社の中国拠点生産地が完成、8 月には生産を開始する予定だ。
ADD:日本愛知県愛知郡東郷町諸輪字北山80-1 TEL:+81-561-39-0555
金属熱処理加工で高硬度と耐久強度を
自動車・建機以外に航空機分野にも
上海豊東熱処理工程有限公司は2003 年に塩城豊東熱処理有限公司( 江蘇省) が創設した熱処理専門加工サービスのメーカーだ。主に金属熱処理加工である雰囲気熱処理( 浸炭、調質) や真空熱処理、ガス軟窒化処理などを行なっている。
同社はガス軟窒化処理を使用した高硬度と耐久強度を持たせることができる表面処理を特長としている。金属素材表面の性質を高め、硬さ、潤滑性、耐食性等を向上させることを得意としている。このため、建設機械や自動車部品などに採用され、各種摺動部品の耐磨耗性の向上に貢献している。
取引先の7 割は日系企業で、残りは欧米系や中国系となっている。ユーザーは主に自動車、建機、農業機械などである。設備内容はガス浸炭炉が13 台、ガス軟窒化炉2 台、焼戻炉10 台、真空洗浄機4 台、真空焼入炉2 台、サブゼロ装置1 台、ショット機3 台を保有。特にガス浸炭炉の1 つであるBBH タイプバッチ炉はノーフレームカーテン式で、煙を排出しない利点があり、作業環境の改善にも役立っている。また、洗浄機は炭化水素系真空洗浄機を使用しており、有機溶剤は使用しないなど環境への配慮を怠ってはいない。
今後は自動車部品や農業機械だけでなく、航空機分野にも進出することを視野に事業展開を模索している。
ADD:上海市奉賢区西渡鎮華松路655号 TEL:021-6715-5506
高炭素鋼の耐磨耗性と低炭素鋼の柔軟性
「疲労強度を向上させる熱処理」技術
昆山溢阳潮熱処理有限公司は新型の熱処理専門工場として操業を開始。
同社には技術部、品質保証部、生産部と営業部が連携して、疲労強度を向上させる熱処理技術の推進に取り組んでいる。材質と耐摩耗性などのそれぞれ異なる機械性能に対し、部品の特性に応じて、熱処理加工に違いをつけている。また、修復の他にサンドブラスト、ショットブラストなどの加工業務を提供している。表面非マルテンサイト抑制と熱変形抑制などの面でも業界では最先端の技術を有している。
同社の得意な処理技術は滲炭熱処理技術である。全取引の80%を占めており、滲炭は基本的に鉄鋼ワークの加工に用いられている。鋼の表面に炭素をしみこませる技術により、低炭素鋼が高素鋼の表面層を持つことになり、焼入れと低温焼戻しを通し、加工物の表面は硬くなり摩耗に耐え、内部は依然として低炭素鋼の柔らかさを留め、衝撃や荷重を受けられるようになる。
また、当技術は飛行機、自動車、トラックなどの機械部品に幅広く用いられている、多くの企業から認められている。舍弗勒(大倉)有限公司、恩恩精密軸承制品(昆山)有限公司、上海汽車速器厂等の会社と緊密な協力関係を結んでいる。
同社では3000万元の増資を計画している。工場面積と生産規模を拡大し、熱処理の加工技術を更に進ませることを目指している。
ADD: 江蘇省昆山市陸家鎮陸豊西路75号 TEL: 0512-5787-4480

環境に配慮した設備・薬剤メーカー
表面処理技術は生活に必要なすべてのものに使われている。しかし、工業であるため環境を汚染する物質が使われてきたことは事実だ。現在では、表面処理加工に関わる全ての事業活動において化学物質・廃棄物の削減、また省資源・省エネルギー等の環境保全に配慮した考えが定着化している。こうした環境保全型の機械メーカー、薬剤メーカー、廃水処理設備メーカーを紹介する。
設計・製造・セールス・技術サービスなどを一体化
水処理設備の専門企業
上海鼎欣環保工程有限公司は上海市のハイテク企業の1つである。工業用純水設備、純化水設備、家庭用浄水設備、中水処理設備、汚水処理設備を主な業務としている。設計、製造、セールス、取付、試運転、技術サービスを一体化した水処理設備の専門企業といえる。一体化した廃水処理施設は斜板沈澱池を利用し、改造を繰り返したもので、PH/ORP自動フィード装置、機械攪拌システム、汚泥沈澱システム、自動制御システムを効率よく組み合わせ、排水が基準値になるように設定されている。
同設備は沈澱池に密集した斜管または斜板を配置し、水中の浮遊物を斜管または斜板に沈澱させ、汚水が斜管に沿って流れ、分離した汚泥が重力作用を利用して池底に滑り込み、集中して排出される。これにより沈澱効率を50から60%アップさせ、同一面積での処理能力を3~5倍に向上させることができる。原廃水のテストデーターに従って、違う流量の斜管沈澱器を設計できる。使用の際に必要に応じ適切な凝縮剤を入れることも可能だ。
ISO:9001:2000の品質管理も徹底しており、RO生物薄膜製造会社のハイドラナック社、多段ポンプ製造メーカーのデンマーク・グラフ社などの企業と協力関係を結んでいる。工程設計、設備生産、取り付け試運転及びアフトサービスなどの各工程に実践経験豊富なスタッフを有している。国際市場において、国や地域に製品を販売しており、国内市場には販売とサービス拠点を広げている。
ADD:上海市松江区荣楽東路2369号(緑地商務広場)1号楼1312室 TEL: 021-5779-1601
環境保護式の集塵研磨設備から乾燥設備まで
専門会社からの解決案一式
上海首爾機電設備有限公司と上海韓都涂装設備有限公司は主に「SEFS首爾富申」シリーズと「HANDU韓都」シリーズの環境保護式集塵研磨、ペンキ、乾燥などの塗装設備一式の生産販売、またはろ過器材の卸売り及び日本製グラインダーの代理店をしている専門会社である。使いやすさを追求した塗装設備の提供を目指している。
強みとしている設備はペンキ霧の処理と排気ガス浄化装置である。設備の外形サイズは幅3,000mm,深さ1,200mm,高さ2,000mm、作業台サイズは幅2,900mm,深さ600mm,高さ1,800mmである。設備はスプレー棚、照明、送風機及びペンキ霧処理装置からできている。方形パイプ、角鋼と亜鉛鍍金シートなどの工業用材料を使い溶接し棚を作成。送風機の重量を受けられるようにしている。送風機は2.2KWの低騒音、大風量、羽根のエンジンは外に軸流送風機をかけてできている。
内部のペンキ霧処理装置は二重ろ過の設置になっている。最初のろ過器はV型平敷式ろ過紙を使い、十分なろ過面積を保持。同ろ過紙は二段の粘着しあった穴と皺付の循環クラフト紙繊維からでき、V型のろ過室を構成している。各ろ過室には穴の配列はベンチュリ効果を生み出し、利用空間がとても大きい。塗料の性質により、ペンキ霧の分離率が98%に達し、ペンキ許容量が最大18kgに対応できる構造だ。粘着性と比重の大きい塗料でもろ過紙が塞がらない特性がある。次のろ過器(選択可)は、ガラス繊維ろ過綿を使った引出式の構造である。ガラス綿の交換が簡易にできる。同ろ過綿が多孔質で、ペンキの霧を吸着したら抵抗力の増加が低いなどの特徴がある。同時に、材料が厚いので、高いろ過効果を確保できる。
ADD:上海市嘉定区江橋鎮華江路555弄91号101 TEL:021-5911-3253
メッキ加工の専門企業
新開発のクロムなし応用技術
広州超邦化工有限公司は20年以上の歴史あるメッキ企業である。専門技術者から組成したチームを持ち、取引とサービス網は全国に伸びている。同社が開発した新バージョンの加工物の固定防腐応用技術―ZECCOATは日本の研究開発した特許製品で亜鉛ダイカスト、亜鉛メッキ、亜鉛熱浸、亜鉛シートなどの生産加工に幅広く使われている。ZECCOATは優れた防腐力を持ち、電子器材、自動車部品、建物の固定、家具部品などの業種に応用されている。
環境にやさしくするため、クロムを使わないことは同製品の特徴で、ROHS、WEEE & ELVの要求に応えることができる。また、ZECCOATの塩化ナトリウム腐食テストは1,000~2,000時間に達している。そして、膜が超薄で、厚さが1μを下回り、すべての加工物固定の表面処理に適用し、クロムなしで効果的なものになっている。この他、同製品は自己修復の働きもあり、伝統的な鈍化、密閉層を替えられる。
会社は新技術の自己開発と独立の生産加工ができる、環境保護製品の生産に取り組む企業として、積極的に環境にやさしい先進科学技術、分析計器、表面処理化学品などを導入し、何社の国際トップの会社と緊密な協力関係を結ぶことなっている。
ADD: 広東省広州市白雲区江高鎮神山郭塘郭雅璐88号 TEL: 020-8427-8577