2013.2 China_Vol.7

2013 年の第1 回目となる特集では、「ものづくり」のマザーである工作機械に焦点をあて、中国で活躍する日系メーカーと中国メーカーの最新情報をお届けし、2013 年の「ものづくり」について考えていきます。
工作機械の生産・販売の中心となった中国
■中国での現地生産を加速
日系工作機械メーカーが中国での現地生産を加速させたのは、自動車、電機、機械など日本のメーカーが生産拠点の海外シフトを強めたこと、また歴史的な円高への対応が主な原因だ。
日本工作機械工業会(日工会)が2012年12月17日に発表した2012年11月の工作機械受注額によると、内需は同20.9%減の298億6300万円、外需は同21.5%減の583億700万円となり、25カ月ぶりに600億円を下回った。全体の約7割を占める外需のうち、中国は前年同月比14.2%減の197億9300万円。前年割れは5カ月ぶりで、15カ月ぶりに200億円を下回る結果となった。この原因には、中国の経済成長がゆるやかな成長段階に移行したこと、また中国国内の日系自動車向けの需要減が影響しているとみられる。
しかしながら、日本国内の内需はピーク時の約半分と低迷が続くものの中国での受注額は基本的にプラス基調で、各社の中国市場にかける期待は非常に大きい。
現在、中国の日系工作機械メーカーが製造する商品は、低・中性能製品がメインとなっているが、各社は続々と新工場を建設中で、今後需要増が見込まれる中国での製品レンジの拡大を目指す企業も増えている。これには、中国市場ならではの理由もある。市場の変化が速いため、日本からの輸入ではどうしても日数がかかり、顧客にはそれがマイナス要因と見られがちだが、中国国内で生産していれば、納期までの時間を従来の2分の1から3分の1に縮小することが可能だからだ。
■着実に力を伸ばす中国の工作機械メーカー
中国の工作機械メーカーは、すでに生産コスト上のライバルであるばかりか、巨大な市場で競い合うライバルに台頭してきた。2012年の1-11月、中国の工作機械業界の生産総額は7176.53億元で12.59%の増加。いったんは伸び悩みがささやかれたものの前年同期と比較しても復調のきざしがあり、輸出商品金額は418.95億元で17.14%の増加と依然堅調だ。
堅調な理由はいろいろと考えられるが、例えば、現在中国の交通インフラの整備は高速鉄道の建設以外にも各地方都市で急速に進められている。また建設のみならず、交通インフラが整うと、そこで使われる乗り物も新しくなり、都市自体のあり方がかわってくる。このような理由から、いまだ沿岸部と内陸部でのインフラの格差が大きい中国では、今後、工作機械の内需が進むとみられる。
またこのような予測もある。世界的なビジネスリサーチ会社フリードニア・グループによると、2014年までの間に、中国市場における工作機械の需要は14.2%、3890億元規模まで増加する。このような追い風の中にある中国は、現在世界最大の工作機械の消費国であり、生産拠点でもある。
現在、工作機械業界の方向性は、中国政府による「十二・五」計画に基づいている。「十二・五」計画の核となる基本構想は、2010年以降の5年間で、経済構造・社会構造の両改革を行い、発展モデル転換及び経済構造の調整を行う。「内需の拡大」「環境保護」「国民の真の豊かさを追求」の3つのモデルへ転換させていくというものだ。その中でも特に、工作機械は戦略的新興産業として位置づけられ、政府主導で計画が進められる。
例えば、工作機械メーカーは研究開発のために中央政府および地方政府からの補助金を利用することができる。また、最先端の工作機器の場合は、税制優遇を受けることも可能なので、こうした総合的な政策にのっとり、中国企業は販売を推進していく予定だ。
■舞台は世界へ
日系工作機械メーカーが中国で製造した工作機器が、日本でも中国でもない諸外国で活躍するケースはすでに珍しくない。
そして、こうした変化は、すでにドイツ勢が優勢だった北米市場でも起きている。2012年10月、中国の済南二機床集団が、フォードが実施した国際入札で快挙を成し遂げた。フォードの米工場2カ所に置く全5本の大型プレス生産ラインの受注を落札したのだ。フォードが北米市場でドイツ製以外の設備を買い付けるのはここ20年間で初めてのことだ。
このように、中国製の工作機械も世界における競争の一翼を担えることが証明されたわけだが、これは単なる技術力の向上にとどまらず、非常に廉価で市場に投入されていることも魅力の1つに上げられるからだ。市場は、費用対効果を重視するので、目的にあった機械を廉価で速く導入できることも、商品選択における重要なポイントとなっている。
またこのほかに韓国では、2012年の予測値によると工作機械輸出額は25億ドル(約2060億円)、貿易黒字は約9億ドル、生産額は約6兆6000億ウォン(約5025億円)となる見通しだ。
日本の技術が高いことは世界が認める事実だが、すでにその優位性だけでは市場では厳しい側面も出てきている。定番のよさを残しつつ、どのような付加価値を高めていくのか。機能を足すだけではなくて、あえて機能を絞ること、作り方を転換すること、そしてアフターフォロー体制をいかに充実させるのか。それでは、技術力に裏付けされた発想と工夫が詰め込まれたマシンたちを見ていくことにしよう。

Amadaの技術と未来が集結
2013年春、上海市青浦に新工場が完成
■ 中国とともに成長する世界的ブランド力
世界トップ級の金属加工機械メーカーを数えるとき、Amada の名を忘れる人はいないだろう。ここ中国でも、Amadaの機械 を設備導入していることが、そのまま信頼の裏付けとして語られるほどだ。
同社が中国に進出して約17年。目下、取引先の6割以上が中国 系企業、残りの3~4割が日系企業と言う割合に表れているよう に、中国市場からも愛され、そして同社も中国の市場とともに成長 している。近年は、中国国産メーカーや台湾メーカーの追い上げ や、顧客ニーズも多様化するなかで、材料の中国での現地調達も進め、市場が求める製品の開発も加速させている。
■ 上海市青浦に新工場を竣工
そのような中、2013年に同社では、中国での一大拠点となる工 場が竣工する運びとなった。場所は上海市青浦区。敷地面積約 43,000平米、建物面積約12,900平米。広大な敷地の中には、工 場施設のほかに、製品の展示スペースも設置される。2013年の 春節に完成予定で、工場の稼働は4月、竣工式典は5月下旬、ショールームのオープンは7月の予定だ。
同社製品の強みは、技術力の高さだけでなく、複雑な工程全 体を管理できる点や自動化の実現力にある。柔軟な生産ラインを実現するうえで同社製品がもつ提案力は誰もが認めるところだが、そうしたよさをこの青浦の工場では実際に自分の目で確認できるようになる。
■ 中国市場を見据えたラインナップを充実
これまでに同社は、中国でパンチングマシンのAE-NTシリー ズ、レーザマシンのFOMⅡ3015NTのほか、ベンディングマシン のRGシリーズを製造しているが、2013年には中国市場向けの 新商品を投入し、ラインナップを充実させていく予定だという。 日本からの製品輸入の場合は納品までに半年程度かかるが、中 国国内で生産されるものであれば、納品までが3か月程度に短 縮されるため、ますます加速する中国市場のスピードにも、十分に対応可能となる。
■ 拡大するアフターサービスネットワーク
また、同社の製品力を高めているのが、万全なアフターサー ビスの体制だ。中国のサービスマンも全員が社員で、中国はも ちろん日本の工場でも研修を行い、機械についてきちんと理解 したスタッフが担当してくれる。2013年には、営業所も増やす 予定があり、内陸部のニーズにもこれまで以上にスムーズに応 えていくという。青浦の新工場は、世界的に有名なAmadaが中国 で本格展開を進める試金石であり、決意の表れだ。同社の中国展開において、2013年は長期戦略の起爆点となるだろう。
総合電機メーカーの強み
最新技術を結集した放電加工機
■ 中国向けマシン MVシリーズ
総合電機メーカーとして保有する様々な最新技術を工作機械へ活用し、顧客のあらゆる要望に応えてくれるラインアップが魅力な三菱電機。中国市場で現在評価を得ているのが、金型や部品加工の企業向けに高精度・高性能のワイヤ放電加工機・形彫放電加工機・細穴放電加工機だ。
その中でも三菱ワイヤ放電加工機MVシリーズ(MV1200S、MV2400S、MV1200R、MV2400R)は、中国国内のニーズに応えることを大前提に開発されたグローバルスタンダート機。1972 年のワイヤ放電加工機の初製品化以来40年にわたり累計5万台以上を販売した信頼をもとに、自動結線性能向上・加工精度向上・加工スピード向上・ランニングコスト減の全てを実現し、ユーザーの評価も高い。
■ 品質の向上と省エネ・省コストを徹底
ワイヤ放電加工機MVシリーズの特長には、主に次の3つが挙げられる。①自動結線性能の革新(カール率10%のワイヤ結線可、高板厚での断線点挿入が大幅に向上)。②加工精度の向上(駆動にシャフトリニアモータを搭載。自社製サーボアンプ・制御装置・リニアスケール搭載による高速応答「オプトドライブシステム」。電源性能向上による実用面粗さ領域の高速加工)。③省エネ・低ランニングコストを実現(電力消費量最大69%削減、ワイヤ消費量最大46%削減、フィルタコスト最大45%削減、イオン交換樹脂コスト最大25%削減)。
また、MVシリーズの高性能を支えるのが、オプトドライブシステム(高速光通信システム)だ。互換性に優れ、制御装置やサーボアンプ等、機械性能に直結する重要箇所に搭載し、高速制御を可能とした。
現在同機は、電子関連の企業に導入されるケースが最も多く、全体の約7割。主にスマートフォンやタブレット端末用の高精度金型や部品加工の工場で使用されている。
■ 世界レベルの工場展開をバックアップ
同社の放電加工機は、大連の三菱電機大連機器有限公司で製造されている。ここでは、マザーファクトリーである名古屋製作所と全く同じ精度管理による製造体制が構築され、かつ中国国内でタイムリーに納品されている。
現在の顧客の割合は、中国系が60%、日系が30%、欧米系他が10%。中国国内で購入した製品を他国の工場に運ぶケースもあるが、同社の拠点があるところであれば、手厚いアフターサービスを引き続き利用することができる。
今後同社では、ワイヤ放電加工機MVシリーズを柱とし、2015年までに放電加工機販売台数を現在の2倍以上にしていく計画だ。それに伴い、販売・アフターサービス網の拡大と拡充も図っていく。
ADD: 上海市虹橋路1386号三菱電機自動化中心
TEL: 021-2322-3000(内線3282)
URL: www.meach.cn
E-mail:yuichiro.tanaka@meach.cn

77年のノウハウから生まれた
超高速高精度のマシニングセンターを提供
■ 77年の歴史を持つ専門の機械メーカー
松浦は1935年に福井市に設立。創業以来の熱意と精神を継承し、モノづくりでオンリーワン技術に挑戦し続け、グローバルビジネスを展開してきた。30ヵ国に代理店がある。
中国は今後、航空宇宙、自動車、新エネルギーなどの産業で巨大な市場潜在力を持つ。そのため、中国の顧客によりよいサービスを提供するために、2003年に中国市場に進出、華南地区を中心にサービスを展開していた。2011年4月、上海駐在事務所の設立により、上海を拠点として内陸地区への業務を拡大する。
■「ハイスピード・高精度」市場に特化したリニア第3世代機
松浦の製品は欧米で高い知名度を持ち、独自の開発・設計・製造による高品質のマシニングセンターは、航空機・宇宙業界、自動車・モータースポーツ界、精密機器、通信、医療など、世界中のあらゆる産業分野で貢献しており、その高い信頼性と安定した品質、最新加工アプリケーション、アフターサービスなどで、顧客から高い評価を得ている。
自動車の排ガス規制が厳しくなるなかで、ターボチャージャーの需要が拡大しているが、ターボチャージャーの効率を上げるため、形状精度が高いインペラの需要は増していくだろう。そうした予測から、松浦はハイグレードリニアモータマシンLX-160を開発した。
LX-160は以下の3つの特徴を持っている。①全軸にリニアモーターを採用し、超高速高精度加工を実現。早送り速度は、X/Y/Z軸が90[m/min]、B/C軸が100/200[min-1]。②ATC/APCに拡張性の高いオプションを準備。「長時間無人運転」「多品種少量生産」が可能。ATC最大338本、APC最大91パレット。③マツウラ独自のオペレーティングシステム「MIMS:Matsuura Intelligent Meister System」を標準搭載し、段取り操作・加工・保守・省エネをサポート。
超高速高精度加工による高付加価値部品の生産性が向上し、コストダウンを実現できるので、顧客からも高評価を得ている。
■中国の顧客に世界レベルのマシニングセンターを提供
現在、顧客の割合は日系20% 欧米系30% 中国系50%で、主に医療機器、自動車産業などの企業で、医療関係部品、自動車用ターボチャージャーに使用されるインペラの製造に用いられている。
将来、中国では精密医療機器、航空宇宙、新エネルギーなどの産業の発展が期待され、マシニングセンターに対するニーズも拡大傾向にあり、松浦に巨大な発展チャンスを提供している。
今後も松浦はモノづくりにおける生産性の飛躍的な向上、加工の高精度化を実現させるコア・テクノロジーの研究・開発と実用化を続けていく。中国の顧客のために、中国語の製品パンフレットを作り、マシニングセンターの操作を最大限簡略化している。これからも中国の製造業と共に成長し、中国製造業企業の発展のために貢献していく。
ADD: 上海市仙霞路88号太陽広場E301A(東棟3階)
TEL: 021-6278-2791
URL: www.matsuura-sh.com.cn
E-mail: sales@matsuura-sh.com.cn
信頼の技術力による5面加工門形マシニングセンター
オークマは、高精度・高剛性のNC旋盤・マシニングセン ター・複合加工機から独自のCNC装置(OSP)まで、幅広い 製品を提供している。省スペース5面加工門形マシニング センターのMCR-A5CⅡは、高い切削能力と省スペースを 兼ね備え、高い評価を得たMCR-A5Cをモデルチェンジ し、更なる生産性向上を実現した製品だ。
MCR-A5CⅡは、サーモフレンドリーコンセプト、アンチ クラッシュシステム、加工ナビというオークマ独自の技術に よって、部品加工・金型加工分野において幅広いユー ザーニーズへの対応を可能としている。
現在、ユーザーの90%は中国企業。今後は、内陸部にも 積極的に販売・アフターフォローエリアを拡大し、製品の さらなる品質向上を目指す企業に対してサービスを展開 していく計画だ。
1.高い寸法安定性を確保したサーモフレンドリーコンセプト
2.衝突防止、安全・スピーディに作業できるアンチクラッシュシステム
3.生産性、生産効率を高める加工ナビ
URL: www.okuma-sh.com.cn E-mail: ll-ding@okuma-sh.com.cn
工作機械の能力を高めるトータルコーディネートが魅力
モノづくりのために使われる工作機械や工場内で使わ れる周辺機器・工具類の専門商社山善。「作るを売る。」を モットーとし、中国の沿岸部から内陸部まで幅広い顧客を フォローしている。
同社の魅力は、工作機械単体での販売にとどまらず、機 械の付加価値を高め、その能力を最大限に引き出すトー タルな提案力だ。現在、中国系、日系、欧米・その他アジア 系の顧客をもち、自動車、二輪車、通信、建機、エネルギー、 医療等の幅広い業種において取引がある。人件費高騰の 影響、また国際的競争力を高める為には、作業の効率化と 加工精度の向上及び品質の安定性が不可欠とされるな か、それをサポートする自動化設備などの提案や、アプリ ケーションやアフターサービスを含めた技術的フォローと いったトータルコーディネートを得意としている。
1.多くの仕入先との取引実績により幅広い提案が可能
2.沿岸部はもちろん内陸部も徹底したアフターフォロー
3.東南アジア、欧米を含めグローバルに営業・サービス活動を展開
TEL: 021-5445-2266 http://www.yamazensh.com E-mail: post_master@yamazensh.com

独自技術が支えている高剛性・高精度のCNC旋盤
切削型工作機械の総合メーカー森精機が、高剛性・高精 度CNC旋盤NLXシリーズの新製品、NLX1500、NLX2000、 NLX3000を発表。従来の10インチに加え、6、8、12インチ が新たに登場し、人件費高騰による工程集約・自動化ニー ズが高まるなか、中国市場の需要に応えていく。
また、機能としては、熱変位をコントロールすることで熱 変位量を従来機の1/3 以下に抑制。BMT(ビルトインモー タ・タレット)は最高回転速度10,000min-1を達成し、アル ミ加工や小径ドリル加工において高い威力を発揮する。 またLED照明で消費電力カットを実現した。
現在、中国全土8か所にテクニカルセンターを設け、充実 したアフターサービスも提供中だ。また現在、天津工場の建 設が進行中。操業予定は2013年9月で、横形マシニングセ ンターの生産を計画。短納期と物流コスト削減を目指す。
1. 熱変位量を従来機の1/3 以下に抑制
2. BMTは、最高回転速度10,000min-1、加速時間わずか0.45秒を達成
3. 従来機比消費電力30%オフ、潤滑油消費量20%削減を実現
URL: www.moriseiki.com
弛みなき研究と開発を重ね、
「常にちょっと進んだ」技術とサービスを提供
英田エンジニアリングは、冷間ロール成形機・造管ライ ン、無人駐車場・駐輪場管理システム、パワーボラード、各 種金型等の企画、設計、製造、販売、据付指導サービスを提 供している。フォーミングロールは38年以上の実績と設計、 精密加工、熱処理、トライまですべて社内にて行うため、高 品質、低価格である。BURS21は、成形条件を記憶・データ 化し、画像検査システムによるオンライン形状監視と自動 補正を行うことから、段替え時の不良材料の軽減、調整時 間の短縮を実現。作業はタッチパネルで行えるので、熟練 工がいなくても安全に安定生産が可能だ。また成型機全体 をカバーで覆っているので、工場美化にも徹している。
現在ユーザーの6割が日系企業、4割が中国系企業。建 材・住設備・白物家電・自動車部品・ソーラー部材の金属 製品製造企業に実績がある。日本の技術力とサービス体 制によって、中国でのさらなる営業展開を図る。
1. 約3か月で操作のマスターが可能
2. 遠隔操作が可能。巻き込まれ事故の発生を防ぐ
3.全面カバーで減摩油の飛散防止、騒音対策も万全
TEL: 021-5768-0411 URL: www.yingtiansh.com E-mail: syuusei_aida@163.com
中国国内の日系ユーザーに信頼の実績、
最先端の技術を提案
日本、中国、中国台湾などの工作機械を幅広く取り扱う 菱商では、キタムラ機械のマシニングセンターと中村留の 複合加工機は総代理店として、販売・サービスを行うほ か、三菱電機の放電加工機・レーザー加工機、岡本工作機 械のプロファイル研削盤など、顧客の要望に応じて、最先 端な技術を提案している。紹介するのは、蘇州東台精機 有限公司のCNC立型マシニングセンターだ。蘇州東台は 台湾のタッピングセンターの専門メーカーであり、日系 ユーザー向けの実績が豊富で、フルターンキーも可能。日 系企業の細かい要求に応えてくれる。自動車部品、家電部 品、航空関係部品の仕上げ加工で人気が高い。今後、自 動車部品業界でのタッピングセンターの需要や、家電関 係では高速タイプ機種の需要が増える見込みが高く、蘇 州東台では万全のアフターサービス体制を整えている。
1.鋳物はミーハナイト製法を採用、安定性を保証
2.主軸端面はクーラント液や切子の浸入を防ぐ迷路構造
3.信頼の生産現場の管理とアフターサービス体制
URL: www.ryosho.net.cn E-mail: ryosho@ryosho.net.cn
華南で信頼の開発力、
販売・アフターフォローのエリア拡大中
1980年代に中国台湾の台中県で設立した同社は、現在広 東省東莞市に拠点を移し、電子機器、自動車、部品製造の顧 客に対して世界水準の工作機械を提供している。
同社が誇るのはマシニングセンターのHS-955だ。通常、マ シニングセンターのX軸のサイズは、600、800、1000、1200 というラインナップが多いが、同社ではさらに800型と1000 型の中間となるX軸が900というHS-955を製造している。 900型に比べると加工範囲が広いうえに、1000型に比べて 大幅に初期投資が抑えられるのが特徴であるほか、1000型 に比べ専有面積も少なく、消費電力も少なくて済む。そのうえ 作業台の長さは1200型なので、第4軸を搭載するスペース の余裕が残る。また華南地区では、消耗品の交換やアフター フォローの電話を受け取ってから4時間以内に解決すると いう迅速サービスも同社の人気を支える大きな理由だ。
1.X軸900mm、Y軸550mm、Z軸500mmのマシニングセンター
2.作業台の長さは1200型と同等で第4軸も余裕搭載
3.発注書を受領後納品まで約1か月の短納期

故障時のメンテナンスが24時間以内。
世界で活躍する華南ブランド
広東省深圳市蛇口工業区に1995年に設立した同社は、中国製造業の発展とともに成長してきた工作機械メーカーで、現在中国国内のみならず、日本やアジア諸国、ヨーロッパ、南米にも輸出を伸ばしている。
自社開発のGVC高速高性能タッピングセンターシリーズ(GVC3530A(T) GVC5540A(T) GVC7040A(T))には合計6種類のサイズがあり、国内外で人気シリーズとなっている。開発では生産効率と安定性を最重要事項に掲げ、例えば工具の交換にかかる時間であれば、わずか約1秒という高速を実現している。また躯体の強度も十分な上に、主軸のパワーは5.5/7.5KWのハイパワーを備える。
同社では、開発設計、販売、アフターサービスの体制で、顧客のニーズを最大限に実現する工夫を惜しまない。華南地方であれば、故障時のメンテナンスが24時間以内に対応可能ということだ。
1.工具の交換が約1秒で可能
2.軸回転の重力加速度1G以上、位置決め精度0.005mm、送り速度48m/秒
3.12000rpm以上の高速主軸と組み合わせ可能
TEL: 0755-8467-8998 URL: www.jointcn.com
専門技術と信実のサービスで優秀なNC旋盤を提供
1995年2月、上海中隈機床貿易有限公司は各種NC旋盤の中国大陸地区の販売代理店として設立。取り扱い品目はオークマ、倉敷機械、オーエム製作所、シチズンマシナリーミヤノ、ブラザー工業、富士機械製造、大同オークマ(中国台湾)、北一オークマ(中国北京)といった信頼できるブランドの一流機械を揃える。
今回紹介する5面加工門型マシングセンターのMCR-A5Cは、高い切削能力と省スペースを兼ね備え、顧客の信頼を得ている。快速送り速度は分速毎秒X:20、Y:20、Z:10、W:1だ。生産性が高くて、長時間の高精度加工が実現でき、故障率が低い。
現在、ユーザーの70%は中国系企業、20%は欧米系企業、10%は日系企業で、主に自動車金型、工作機械、一般産業機械などの製造企業だ。同マシングセンターは製造業企業が求める高生産性、自動化加工のニーズを満足できる。同社は5面加工門型マシニングセンターの操作とプログラミングの育成訓練、レーザー測位などの技術サポート、及びメンテナンスサービス、消耗品の提供を行う。今後、よりよい製品とサービスを提供するために、アフターサービス体制を強化する方針だ。
1.1回のセッティングで5つ面の加工が可能
2.自動刃部交換機能(ATC)、自動ヘッド交換機能(AAC)
3.自動車内外のアクセサリ用金型の効率化、連続加工が可能
TEL:021-5090-8656 URL:www.chukuma.cn
工作機械ユーザーの声
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企業A業務内容: 自動化設備の設計、部品加工、組立など。1. 現在使用している工作機械のメーカー名と型番を教えてください。
ares-seiki 台湾大丸精機股份有限公司
2. 上記工作機械を導入した年を教えてください。
不明
3. 上記工作機械の使用後の感想を教えてください。
費用対効果、コストが安く、加工精度もよい。アフターサービスもよい。
日本製では、FANUC 製のタッピングセンター等も使用している。
4. 新しく工作機械を導入する際に、一番重視することは何ですか。
加工目的や用途にあったものから、費用対効果で判断する。 -
企業B業務内容:非鉄金属の切削や機械加工など。1. 現在使用している工作機械のメーカー名と型番を教えてください。
Leadwell 台湾麗偉計算機機械股份有限公司 タッピングセンター
2. 上記工作機械を導入した年を教えてください。
不明
3. 上記工作機械の使用後の感想を教えてください。
日本製の同型機種と比べ、力があるので鉄等も削れる。
通常は30 番までだが、40 番まで対応可能。メーカーの紹介で購入した。
4. 新しく工作機械を導入する際に、一番重視することは何ですか。
今後は、日本製に切り替えていく予定。 -
企業C業務内容: 精密電子部品、デジタル生産設備、レーザー設備など。1. 現在使用している工作機械のメーカー名と型番を教えてください。
日本FANUC 製、合計198 台。
2. 上記工作機械を導入した年を教えてください。
2010 年
3. 上記工作機械の使用後の感想を教えてください。
精度が高く、安定性もよくて、評判もよい。
4.新しく工作機械を導入する際に、一番重視することは何ですか。
上記の感想より、当社の設備は一貫して輸入製品を採択している。 -
企業D業務内容:電気製品、精密機械など。1. 現在使用している工作機械のメーカー名と型番を教えてください。
日本Amada 製TEGA-357 とTEGA-345 数値制御プレス盤。
2. 上記工作機械を導入した年を教えてください。
2007 年
3. 上記工作機械の使用後の感想を教えてください。
製品の制度、使用安定性に満足。
4. 新しく工作機械を導入する際に、一番重視することは何ですか。
設備の価格と製品品質を重視、主に輸入製品を使用している。 -
企業E業務内容:プレス・切削加工製品。1. 現在使用している工作機械のメーカー名と型番を教えてください。
主に16t~160tのプレス盤。
2. 上記工作機械を導入した年を教えてください。
2011 年
3. 上記工作機械の使用後の感想を教えてください。
コストパフォーマンスとアフターサービスがよい。
4. 新しく工作機械を導入する際に、一番重視することは何ですか。
価格を非常に重視するので、普通の機械で十分。 -
企業F業務内容: プレス金型、プラスチック射出金型。1. 現在使用している工作機械のメーカー名と型番を教えてください。
日本ヤマザキマザック製マシニングセンター、
スイスCHARMILLES 低速ワイヤカット。
2. 上記工作機械を導入した年を教えてください。
1996 年
3. 上記工作機械の使用後の感想を教えてください。
当社の生産ニーズに応えられる。
アフターサービスも完備されているため、メンテナンスも便利。
4. 新しく工作機械を導入する際に、一番重視することは何ですか。
製品の精度、品質安定性、コスト。

■資料
『装備製造領域特許態勢報告書(2012)』に見る
中国工作機械に関する特許事情
2012年12月、中国工信部装備工業司と科技司が北京で第1回中国装備製造領域特許態勢報告会を開催し、『装備製造領域特態勢報告書(2012)』を発表するとともに、関連部門から中国における工作機械業界、密閉用部品、商用ジェットエンジン、船舶、海洋油田掘削における特許出願状況が発表され、それをもとに分析と予測を行った。
同報告書によると、2005-2011年の間、全世界における工作機械の特許出願件数の増加率は5.67%で、いっぽう中
国の増加率は34.71%だった。
また2005-2011年における中国の工作機械に関する発明特許の増加率は25.79%。2011年、中国の工作機械分野の特許件数は29,309件で、そのうち発明特許の件数は11,482件であった。
中国の工作機械における発明特許は、年平均増加率が25.79%に達するが、発明特許の割合が特許総数に占める割合は年々落ちている。2006年、中国の工作機械の特許件数は発明特許件数の53.71%を占めたが、2011年までの総数では、発明特許総数の39.18%まで下がった。
今回の調査によると、特許は発明特許、実用新案特許、意匠特許に分けられるが、その中でも発明特許分野の申請内容はもっとも創造性が高く、かつ審査も厳格だ。ここから見えてくるのは、現在中国の工作機械分野では特許件数が急激に増加しているものの、特許の申請内容の質は向上していないという点だ。
中国では、毎年工作機械業界の特許申請件数が30%を上回るペースで伸びている。これは中国における工作機械の企業全体が、他国の技術を消化吸収し、また自主開発の経験を通して、産業技術を急速に発展させていることを示している。
しかし、それでもなお、肝心な部品などの多くの製品は外国製に頼る状況が続いており、これは中国の工作機械の革新的な技術や最先端技術の研究開発において、まだまだ不足点が多いことを示しているため、今後こうした分野の技術向上が期待される。