日本由来のリーン生産方式を採用 すべての製造工程で厳格に検査 品質の安定した高付加価値の鋳物製品を提供

嘉善鑫海精密鋳件有限公司
会員番号:53954
所在地:浙江省嘉善县陶庄鎮汾湖南路138弄118号
電話:0573-8489-5555*5888(劉勝涛)

嘉善鑫海精密鋳件有限公司  中国鋳造協会会員企業である「嘉善鑫海精密鋳件有限公司」は、シリカゾル加工の金型設計・開発からロストワックス鋳造および精密加工、さらにはステンレス、合金鋼、炭素鋼、アルミ合金といった材質の精密鋳造に主に従事している。製品の供給先の約60% を日系企業が占め、その中には、荏原製作所、テラル、川本ポンプ、IHI などの有名企業も含まれる。現在、同社は日系企業との提携ルート開拓に努め、日本市場におけるシェア拡大を目指している。

高付加価値製品に着目

  鑫海は2003 年に設立され、翌04 年に生産を開始。いまでは418 名もの従業員を抱えるまでに発展したが、うち30 名以上が技術人材だ。金型設計・加工、シリカゾル精密鍛造、精密加工の作業場、それに実験室を有し、09 年には技術研究開発センターを設置。新製品や新技術の研究開発を担っている。製品はポンプ、バルブ、流量計、継手、羽根車、金属などをカバーし、80% 以上を日本や米国、ドイツなどに輸出。航空、汽船、ポンプ、原子力発電、医療、食品など幅広い領域に応用されている。

嘉善鑫海精密鋳件有限公司  一社の民営企業として、創業時は資金不足に粗末な設備、人材不足、技術力の欠如など困難続きだった。最初に獲得した少量の注文も、国内向けの低付加価値のシリカゾル鋳物製品に集中していた。不断の模索と市場評価を通じ徐々に軌道に乗ると、呉金海董事長は、高付加価値製品だけが会社の持続的発展を推進できると思い至るようになる。

  経営への考え方の転換が、顧客層を変え、同社は、ハイエンド製品を追求する外資企業に目を向けるようになった。顧客層の変化は、生産管理方式の変革を引き起こした。13 年、日本に長年留学した経験を持つ劉勝涛氏が入社し、総経理に就任。劉氏は、鑫海に日本式のリーン生産方式をもたらした。


日本由来の生産管理モデル

  劉氏は、日本で7年間留学したのちにポンプ業界に従事していたため、日本の製造業の生産管理モデルに非常に理解を示している。中国国外の顧客は製品の品質と納期への要求が厳格で、リーン生産方式を推進することでその顧客の要求に応えられると、劉氏は考えている。

嘉善鑫海精密鋳件有限公司  「私から見ると、日本の生産管理モデルの核心は、徹底して信用度を高めること」

  国内の一部の製造業はそうした実行力に乏しく、製品品質に対し「だいたい同じならいい」という僥倖頼みの心理が働き、納期を引き延ばすことも当たり前になっている。ところが同社では、6S と見える化による管理を全面的に推進しているので、生産計画、生産進捗、生産量評価、品質合格率などの情報が一目瞭然である。

  無駄を断ち切ることも、リーン生産方式のひとつの側面である。コストコントロールにおいて同社がとっている方法はこうだ。1トンの製品にどれだけの材料が必要かを事前に定めておき、製品の品質を保証することを前提に、使用量が規定より少なかった従業員には相応のインセンティブを与えるのだ。逆の場合は、一定の懲罰を科す。「こうしたインセンティブの仕組みが、ラインにつく従業員のコスト節約意識を高める。これまでのところ、効果は非常に顕著である」と劉氏は話す。

嘉善鑫海精密鋳件有限公司  在庫管理に話が移ると、劉氏はこう指摘する。

  「製造業にとって、トヨタのカンバン方式はもっとも理想的な状態であるが、短納期を求める顧客を満足させるためには、実際のオペレーションにおいて困難が生じる」

  そこで同社では、付き合いが長く信用度の高い顧客に対しては、一定量の在庫を準備し、受注後、最速だと翌日には出荷が可能な状態になっている。出荷後は、すぐに次の在庫を準備する。一方、初めて取引をする顧客に対しては、一般的には、提案から生産の完了までに1〜2カ月を要し、研究開発や生産の過程で随時、顧客と進捗状況についてコミュニケーションをとる。最少で5、6個の試作品でも注文を受け、顧客の要求に柔軟に対応する。



全工程に品質管理の関門を設置

  価格競争力と比較すると、鑫海は品質をより重視している。

  「我々の製品は、業界内では決して安くはない。なぜなら我々は、ハイエンドの顧客に向き合っているからだ」(呉氏)

嘉善鑫海精密鋳件有限公司  例を挙げると「ニッケルの価格は比較的高いので、国内の一部の企業では、コストを下げるためにニッケルの含有量が基準に達していないことが往々にしてある。これは、一部の製品が競争のなか、国外のユーザーによって淘汰される原因のひとつにもなっている」(呉氏)という。一方、同社のステンレス鋳物製品の含有量は、国際基準に厳格に依拠している。この種の価格はいつでもある程度上昇トレンドにあるが、呉氏は「工数と原料を省いた製品には生命力がない」と断言する。

  すべての鋳物製品の平滑度と寸法精度が顧客の要求に完全に合致することを保証するため、生産ラインの全工程に品質検査担当を設置し、ひとつでも問題が発見されたら、次の工程に進むことはできない。一つひとつの関門を通じ、不良品を産み出すことを防いでいるのだ。

   同社が自信を持つ羽根車を例に、劉氏は、同社の鋳物製品の技術がいかに精緻に達しているかを説明する。

  「羽根車は原発に多く用いられるが、通り道が特に狭く、砂穴や鍵穴が現れやすく、加工難易度は高い」 同社は、長時間の試験と検証を繰り返すことで、ようやく加工に成功した。劉氏は、さらに説明を続ける。

  「例を挙げると、湯口の位置が砂穴や鍵穴の形成を防止できるかの可否を決める。湯口の大小は、壁の厚さや通り道の大小によって確定させる必要がある。また、シェルモールド鋳造の過程では、どの層においても粘結剤と鋳物砂は一様ではないし、製品が異なれば層数も異なる。鋳鋼方式でもそれぞれに差異がある」

  どんなに些細であっても不具合が発生したら、顧客から認められる製品を作り出すことはできないのだ。


日本市場開拓をさらに進める

  リーン生産方式は、人材の重要性を強調。従業員の知恵と創造力を、企業の発展の原動力と見なす。鑫海の広々とした工場内には、研修室に図書室、舞踏室、ビリヤード室などの施設を目にすることができる。同社は、従業員に家をつくる感覚を与え、帰属意識を持つことを望んでいる。すべての従業員に公平な研修と昇進の機会を与え、人間性を重視した管理を通じてチー
ムの団結力を強化しているのだ。

嘉善鑫海精密鋳件有限公司  技術水準をさらに一歩高め、製品の品質を安定させるために同社では、昨年からのべ5000 万元以上を投じ、工場と設備の刷新を開始した。蝋型、シェルモールド鋳造、製鋼、後処理の4つの鋳造工程のすべての設備をすでに新しくし、さらにマピュレーターを2台追加。生産効率を大幅に向上させた。設備の改良と自動化の推進は、次な
る事業計画を策定する基礎となる。

  現在同社では、同業の日系企業と合弁企業を設立するための協議をしており、日本に事務所を設立する計画だ。また、継続的に日本で開催される展示会に出展し、日本市場での開拓をさらに進めていく意向だ。劉氏は「日本企業は当社にとってもっとも重要な顧客層であるが、日本市場全体でのシェアは非常に低い」としながらも「我々は自分たちの製品に対して自信を持っている。鑫海の鋳物製品が日本企業の視界に入り込めることを望む」と意気込みをみせる。