新工法の宝箱 ものづくりここに極まれり

 

太陽工業株式会社

TAIYO MANUFACTURING (THAILAND) CO., LTD.

 

 

太陽工業株式会社

 

 

 

新工法の宝箱
ものづくりここに極まれり

 

 

プレス部品製造において、常に新しい工法を生み出し続けるトップランナーの造り出す部品は、職人の知恵と技が凝縮されたものづくりの極みを感じさせる。

 

 

 

プレス成形へのこだわり

 

近代に入ってからのものづくりの歴史の中でも、プレス部品の製造というのは比較的歴史が長い。「技術が一般的になればなるほど、企業はプレス以外の工程に業態を広げるケースも多いが、我々はプレスに拘って、新しい発想による工法の開発を20年以上前から続けている」とTAIYOMANUFACTURING (THAILAND) の百瀬淳一MDは、自社で生産したプレス部品を愛しそうに眺めながら嬉しそうに語る。

 

ものづくりにおいて、製品を量産する場合、プレス化というのは極めてパワフルだ。製品1個辺りの生産リードタイムを短縮でき、自動化のメリットと同時に品質のばらつきも抑えることが可能である。ただし、そのようなメリットがある反面、そもそも複雑な形状や、ある特定の条件が求められる部品を、プレス金型で自動的に製造できるようにする事は非常に難易度が高い。

 

ポイントは、プレス化するだけの開発力である、創造力・技術力があるかどうかだ。

 

太陽工業株式会社

 


VAの切り口

 

VAの切り口は様々ではあるが、同社の場合、過去行なわれていた以下のような製造方法をプレス化しているケースが多い。

 

例えば、通常は複数部品を組立て生産されるところを、同社では順装金型でプレス化できる。カメラ部品のピン出し加工(写真❶)の場合を見てみよう。

 

VA メリット 結果 (※)
複合部品の一体化
及び型内組立
・カシメに必要な人件費削減
・コスト高な切削加工部品を使わずによい
・材料ロス低減
・品質安定
・製造リードタイム短縮
トータルコスト
50 – 70% ダウン
*10 万個生産程度で償却
太陽工業株式会社
ロストワックス、
ダイキャスト、
メタルインジェク
ション部品の
プレス化
・金型の寿命が長くより量産しやすい
(ダイキャスト20-30 万ショットに対して
プレス金型の場合300-400 万ショット)
・製造リードタイム低減(4-5s/ 個 → 1s/ 個)
トータルコスト
50 – 70% ダウン
太陽工業株式会社
切削加工部品の
プレス化
・コスト高な切削加工部品を使わずによい
・製造リードタイム短縮
トータルコスト
90% ダウン
*1-2 万個程度で償却
太陽工業株式会社

 

※実際には、求められる製品の仕様によって様々であり、表記は過去実績を元にした目安です。

❶複数部品を組立て製造からプレス化(ピン出し加工) ❷ 4つのプレス部品を金型内で組立(カシメ) ❸ダイキャスト部品をプレス化 従来ダイキャストで製造していた部品をプレス化、更に自社で設計した生産設備で、4か所のTAP 加工をインラインですべて自動化 ❹ロストワックス部品をプレス化(ドットプリンタの部品) ❺切削加工部品をプレス化


 

通常であれば、1. 平板の金属をプレス加工、2. シャフトは個別に切削加工、3. 平板とシャフトをカシメる(組立てる)という工程を経て1つの部品が製造されるが、同社はこれを同社が製造する順装金型内で全自動成形してしまう。そのことにより、表のようなメリットが発生する。複雑な金型であるため、当然イニシャルコストは高くなるが、約10万個の生産で償却でき、製造コストも50%~30%に抑える事ができるような実績も多数存在する。

 

繰り返しとなるが、プレス化によるメリットは大きいが、問題はそれが実現できるだけの開発力があるかどうかだ。

 

複雑なものになると形を展開しても1枚の金属板にはならない、逆にいうと、1枚の金属板から自動的に成形することが非常に困難な展開不可形状部品も同社はプレ化に成功している(写真❻)。ここまで来ると芸術品だ。

 

近年はVAの切り口として、材料の歩留りを如何に減らすかという観点も重要となってきており、通常であれば平板から製造する場合、40~50%の材料歩留りとなる部品を、材料の形態を変えることにより70~90%の歩留りまで持っていくことにも成功している(写真❼)。

 

太陽工業株式会社

 


TAIYO MANUFACTURING(THAILAND) の挑戦

 

親会社である太陽工業株式会社では既述の工法の開発や設計、グループ会社である株式会社ハイライトは金属加工に欠かせない後工程のメッキ、太陽メカトロニクス株式会社は、設計時に必要不可欠なCAD/CAM の開発を行なっており、それらの環境に支えられ、TAIYO MANUFACTURING(THAILAND) は上記の技術を実際に現場で実践する生産拠点として位置づけられている。

 

生産拠点として如何に稼働率をあげるかというテーマが目下取り組み中の活動だ。特にプレス化する(自動化する)事により、現状と同様のスタッフ数で夜間無人稼動ができる体制を構築中であり、これが実現すれば生産性は一気に2倍となる。

 

太陽工業株式会社

 

また、精密さが求められる部品に欠かせない環境の構築にも余念がない。現在、タイでは新工場を増設し、ゴミが入らない窓なしの遮蔽空間と、空調設備を充実させた温度コントロールが可能な環境を構築している。

 

「以前は部品を持っていって、うちはこんなのが出来ますと提示すれば、顧客のエンジニアもそれをどう活用するかという事を考えてくれた。ただ、最終製品がどんどん複雑になり、製品のライフサイクルも短くなる中で、お客様も大変な状況にある。うちはこれが出来ますではなく、相手が求めている形状の部品を如何に効率よく作れる方法を提案できるかが重要だと考えています。だから我々は益々開発力に力を入れていきます」

 

宝箱を開いてみると、そこには目を見張るような技術と粋の結晶が詰まっていた。是非、実際にそれらの部品を見ていただきたい。どのような工法で製造しているのか興味が沸いてくる事は必死だ。その興味があなたを次の新たなステップへ運んでくれる。

 



太陽工業株式会社


 

TAIYO MANUFACTURING (THAILAND) CO., LTD.( 太陽工業株式会社)
取扱品目:カメラ映像関連、自動車関連、コア電子デバイス関連のプレス部品

 

住所:42/17 Moo 4, Rojana Industrial Park, Tambol U-Thai, Amphur U-Thai, Phra Nakhon Si Ayutthaya 13210
電話:035-746-933, 995, 566
連絡先:百瀬 淳一 (Mr. Junichi Momose) (JP)
Production Manager:Mr. Nattapon Pitakkumpon (TH)



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