先駆者だからこそ可能な提案力で、用途に合わせた最適なラベル印刷が可能

 

兄弟(中国)商業有限公司

 

 

会員番号:54517
住所:上海市娄山关路533号金虹桥国际中心Ⅱ座20楼
電話:021-3133-2101

 

 

兄弟(中国)商業有限公司

 

営業企画部経理 勝倉禎治(Katsukura Sadaharu)

 

 

1908年創業。ミシンからはじまり、ドットプリンター、タイプライター、レーザープリンター、ファックス、工作機械など、つねに時代が必要とする製品を世に送り出してきたブラザー工業(愛知県名古屋市)。同社が発明した製品のひとつに、「ラベルプリンター」がある。88年に誕生したラベルプリンターは、数社が参入するほどのヒット商品となったが、世界シェアのトップはブラザー工業が長年守っている。

 

中国市場向け製品開発が始まる

 

中国が「世界の工場」から「世界の市場」といわれるようになって久しいが、生産される製品の付加価値が上がるにつれ、業務効率と品質管理が問われるようになった。それにつれて、5Sやかんばん方式に代表される日本の工場管理や生産方法が、中国企業からも注目されるようになってきた。しかし、売上に直結しない管理部門への投資は、どこの国のどの企業でも二の足を踏む。

 

こうしたなか、ブラザー工業がこれまでに手がけてきたタイプライターやプリンターの熱転写、駆動系などの技術が凝縮されているラベルプリンター「P-touch(ピータッチ)」が、中国でもシェアを伸ばしている。

 

現在、同社では、全世界で同じモデルのラベルプリンターを販売しているが、ブラザーチャイナでは近い将来、中国市場に特化した商品も投入する予定だ。

 

「グローバルで同じ製品を販売しても、なかなか売れない時代になってきている。中国のユーザーにとってより使いやすい製品を供給していくことは、われわれのひとつの役割」と、「兄弟(中国)商業有限公司(ブラザーチャイナ)」営業企画部の勝倉禎治経理は強調する。

 

まさに世界のものづくりを牽引する中国は、一度頂点を極めた技術をブラッシュアップする絶好の試験場でもあるのだ。

 

兄弟(中国)商業有限公司

 

写真左:ラベルプリンターを使えば、在庫管理もひと目でわかる
写真右:ラミネートテープの構造

 

 

10年間で売上は5倍に

 

識別するためにモノにラベルを貼るという作業は、いかにも日本人らしい発想だ。小学生のとき、文房具などに自分の名前が書かれたラベルを貼ることは、日本人ならだれもが経験している作業だろう。しかし、マジックで書くと消えてしまったり滲むこともあるし、字が読みにくいひともいる。

 

ピータッチはこのような経緯で開発されたので、当初、一般消費者を想定しており、日本でもファイルの整理用途等でオフィスシーンに浸透した。しかし、実際に売り出してみると、事業者の利用も少なくなかった。そこで同社は、事業者向けの製品も開発するようになる。

 

ピータッチは誕生するとすぐに海外でも販売され、中国市場でも97年から販売を開始する。当初は輸入品だったが、のちに広東省・珠海工場で生産を開始。言語ごとにラベルの基盤などを変え、全世界に製品を供給している。

 

一般消費者と事業者のどちらの需要が高いかは、国や地域によって異なる。欧米では前者の利用が多いという。しかし中国の場合、圧倒的に後者の利用が多く、しかもそのほとんどが製造業だ。勝倉氏は、その理由をこう説明する。

 

「ピータッチの販売を開始したころ、中国の経済力はまだ欧米と差があったので、一般の方にとって、ラベルプリンターは高額だった。ところが事業者では状況が違っていて、付加価値の高い製品にはいい銘板ラベルを貼ろうという考えが、日系企業を中心に根強かった。また、備品管理や設備表示ラベルなど製造現場における需要が高かった。はじめはBtoCも検討していたが、それでBtoBに舵を切った」

 

その判断が功を奏し、中国でのローエンドにおけるシェアは、同社の推定で90%を超えるという。この10年間で、ラベルプリンターの売上は5倍に成長している。

 

兄弟(中国)商業有限公司

 

写真左:耐久性が高いので、銘板ラベルでの利用も多い
写真右:オイルにも強い耐久性が強み

 

 

ラミネートテープで耐久性向上

 

これだけのシェアを獲得できた要因は、なんといっても商品力だ。

 

工場での用途が多い銘板ラベルは、製品の品質そのものに直結し、ある意味、製品の顔となる部分。その品質が悪いと、製品のイメージも損なってしまうため、高い品質が求められる。

 

一般のプリンターでは印刷そのものが重要だが、ラベルプリンターにおいては、むしろ印刷後の品質が重要だ。水や汚れなどで字が消えてしまっては、その製品の顧客に不信感を与えかねない。それを防ぐのが、同社が得意としている「ラミネートテープ」だ。工場内では、油煙、粉塵、塵芥などが発生し、バーコードが読み取れなくなることもあるので、汚れやかすれに強い「耐久性」が求められる。ラミネートフィルムが印字面を保護することで、水や擦れ、一時的な溶液の付着から守るのだ。

 

また油を多く使う工場内では、機械の表面に貼ったラベルがはがれやすくなってしまうため、ラベルには強い「粘着力」も求められる。

 

一口にラベルといっても、貼付する製品の形態や諸条件によって求められるスペックはさまざまだ。対象物のサイズによってラベルの幅は変わるし、リードタイムによって求められる印字スピードも異なる。高解像度の印字を求められる場合もあれば、システムとの連携を望むユーザーもいる。そうしたニーズに応えるため、同社は、すでに20種類のラインナップを揃えている。

 

次なる強みは販売網だ。中国のような広大な市場を攻める場合、全国に拠点を持つ業者に総代理として任せるのが一般的だが、同社では、エリアごとに代理店を分けている。そのエリアの製造業に強い業者にこだわって、代理店の選定をしてきたからだ。そうして10年間かけて入れ替えをしていくことで、ムラのないきめ細かな販売網ができあがった。現在では顧客の約8割を中国企業が占めているが、「代理店の力によるところが大きい」と勝倉氏は指摘する。

 

販売網構築がもたらす利点は、販売力の向上だけではない。迅速なアフターフォローも可能とする。

 

「ディーラーで対処できる問題はディーラーで対処し、そうでないような案件は、われわれまで情報が上がってくる仕組みになっている。製造業のお客さまはラインを停めるわけにいかないので、消耗品の供給などアフターフォローは、ほかのメーカーさんに負けないくらい力を入れている」(同氏)

 

上海、北京、広州を始め、全国にあるブラザーチャイナの拠点が代理店のフォローをすることで、万全の体制が敷かれているのだ。

 

こうした現場の声を吸い上げ、同社では新たな挑戦を始めている。「ピータッチはあくまでもラベルプリンターの一部にすぎない。中国のお客さまからヒアリングして更に幅広い領域で使用できる製品を投入し、ピータッチの次の柱を確立させたい」(同氏)

 

ひとつのヒット商品を柱として、中国という巨大な市場へ新たな商品を投入していく。同社製品が活躍する場は増えていくに違いない。

 

兄弟(中国)商業有限公司

 

写真左:ラベルプリンター「PT-9700PC」
写真右:表紙協力/上海佳谷模具有限公司
FNA会員である「上海佳谷模具有限公司」は、ピータッチのヘビーユーザー。「PT-9700PC」はパソコンと接続でき、キーボードでの文字入力が可能だ。ラベルを活用した管理が、精密金型や成形品を製造する同社の生産効率を高める。