流動化する国際市場だからこそ タフネスで屈強な組織作りを

SANALLOY INDUSTRY (THAILAND) CO., LTD.


流動化する国際市場だからこそ
タフネスで屈強な組織作りを


 

    超硬合金素材メーカー「サンアロイ工業」(兵庫県福崎町)のタイ法人SANALLOY INDUSTRY (THAILAND) CO., LTD.は、来年2020年が設立15周年。また一つ、節目の年を迎える。この間、自動車産業の集積地であるタイは、日系企業の進出ラッシュに沸き、100年に一度という未曾有の大洪水に見舞われ、その後の復興景気に伴って中国からの工場移管の動きもあるなど、市場は常にダイナミズムの渦中にあった。予測が困難な流動化の時代に突入したと言ってもよい。こうした中、中本 和徳Managing Director率いる同社タイ法人が取り組んで来たのは、











顧客ニーズの発掘やアフターケアの強化はもとより、不測の事態にも負けないという組織作りだった。「タフネスで屈強な会社組織」。その目的と目指す先のものについて中本MDらに話を聞いた。

■ 混沌とした国際情勢

    産業の基礎を支える素材メーカーにとって、希少金属を始めとした各種素材の国際相場は常に関心の的。市場の乱高下や思惑買いなどがないか、緊張の糸を張り巡らせながら事業に臨まねばならない。市場価格が吊り上がれば顧客は購入を躊躇するだろうし、事業計画の見直しにも及ぶ。適正在庫保持の観点からも、国際市場と顧客企業の動向の把握は素材メーカーの生命線と言えた。

    国際政治による影響も少なくない。巨大市場中国をめぐっては、世界の覇者アメリカが貿易不均衡を訴え混乱に拍車をかけている。欧州市場もイギリスのEU離脱と、市場を牽引してきたドイツ・メルケル政権の影響力低下で将来的な視界は霧の中だ。

    ひるがえって東南アジアの工業国タイは、5年ぶりの民政復帰に向かっているとは言うものの、政治的なリスクは依然として残ったまま。連立政権の行方にも不安が残り、早くも閣内不一致の可能性がニュースなどで取り沙汰されている。八方塞がりにも似た混沌とした情勢の下で、企業各社は自らの事業展開を余儀なくされている。







■ 組織としての〝肉体改造〟

    こうした環境下にあって、同社が第一に取り組んでいるのが組織としての〝肉体改造〟だ。社内の「無理・無駄・ムラ」を徹底的に排除。「1分でも、1秒でも早くモノを作り上げる体制を目指す」(中本MD)とする。「それはつまり、仕事の仕掛かりを早くするということだ」とも。

    そのために、まず大切にしなければならないとしたのが、毎日の始業前にある準備時間の使い方だった。漫然とチャイムを待つのではなく、身の回りの整理整頓や掃除から始めようと呼びかけた。日本人の幹部社員も加わった掃除当番表も作った。毎日の冒頭に行われていたミーティングも操業開始8時半までに終わらしておこうと提案した。

    結果、今年前半から始まった取り組みは徐々に浸透をし、生産ラインの現場のみならず事務部門を含む全事業所内に行き渡るまでに。生産性は自ずと向上、事業所内のゴミも減って、「無理・無駄・ムラ」もこれまで以上に減少した。



■ 改革への内なる動機

    中本MDがここまで組織作りにこだわるのには訳がある。素材メーカーは製造業のいわば川上。川中や川下の市場に、いつ何時予測不能の事態が発生するとも限らない。ゆえに事業年度をまたぐような精緻な事業計画も立てにくい。需要を予測することも難しい。こうした不安定で外部環境に左右されやすいポジションが、内なる改革への動機となって現れていると中本MDは解説する。

    間もなく赴任丸3年となるGeneral Managerの高田 靖仁氏も同様のことを考えている。配下のリーダーやサブリーダーには「与えられた仕事をこなすのではなく、自分から考えて動くように」と口を酸っぱくして指導を繰り返してきた。それが最近になって、一人、また一人と見違えるような行動を取るようになった。「ようやくここまで来た」と目を細める毎日だ。

    営業面を統括するSales Managerの酒本 陽輔氏も、日本人、タイ人ともども社員全員のスキルアップが欠かせないと指摘する。一見して単純作業に見えるものでも、組織を横断することで見えるものがあると具体例を挙げる。「これまで日本人しか担当してこなかった分野を、徐々にタイ人スタッフに移管していくのも我々の大事な仕事だと考えている」と話した。

    厳しい検査態勢と高品質素材によって顧客の信頼を育んできたサンアロイの超硬合金事業。時代は流動化した混沌とした中にあっても、組織としての強靱化をさらに進めることで、厳しい国際情勢を乗り越えていけるとの力強いメッセージと感じた。同社の今後の展開が楽しみだ。









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