日本の三大ポンプメーカーにも製品を供給鋳造業で絶大な競争力を誇る世界的企業へ

クローズアップ製造業

 嘉善鑫海精密鋳件有限公司

  浙江省嘉善県陶庄鎮汾湖南路138弄118号
   TEL +86-573-8489-6858
    FAX +86-573-8489-5268

総経理: 劉勝涛

       

       53954

 日本の三大ポンプメーカーにも製品を供給
鋳造業で絶大な競争力を誇る世界的企業へ

鋳造は、現代工業における工業技術の基礎の1つであり、鋳造業の実力がその国の生産力を表すといっても過言ではない。「嘉善鑫海精密鋳件有限公司」は中国有数の高い技術力を持ったメーカーで、中国鋳造協会会 員企業。2003年に創業した同社は、いまや鋳造業における最も競争力のある企業のひとつであり、世界的企業 になろうとしている。同社の展望について、劉勝涛総経理に話を聞いた。

鑫海のものづくりを支える4本の生産ライン

創業からわずか10年で中国有数の企業へ と成長した嘉善鑫海精密鋳件(鑫海)。同社の ものづくりを支える屋台骨は、4本の生産ライ ンにある。

金型設計・加工ラインでは、経験豊富な職 人が金型の3D設計、加工、組立に従事する。

精密加工生産ラインでは、26台のボール盤や先進の加工設備を備え、最大旋回直径800ミリ、加工精度0.01ミリといった高精度の製品加工を可能とする。

精密アルミ合金鋳造生産ラインでは、航空用アルミ合金鋳造品を専門に製造。2011年には同社の製造した航空機用駆動部品が、中 国科学技術部が主導する「チャイナトーチプログラムプロジェクト(国家火炬計画項目)」に認定され、証書を授与された。

シリカゾル精密鋳造ラインでは、10グラムから150キロまでの精密鋳造品の製造が可能。航空、機械、自動車、ポンプ、医療、衛生陶器、石油化学、食品といった非常に広範な業界で製品が使われている。ちなみに同社は、日本の三大ポンプメーカーである川本製作所、テラル、荏原製作所のサプライヤでもある。

同社の製品は台湾、アメリカ、日本、ドイツといった国・地域のメーカーにも供給。輸出のライセンスを取得している。

製造行程の厳格な管理が企業の成長を支える

同社は受注し、具体的なプランを提案してから製造、納品にいたるまで平均2か月を要するというが、納期厳守をモットーとしている。鋳造製品には、製造工程における不確定要素が多いもの。同社はどのようにそれを実現しているのだろうか。

第一に、最初の納期設定において独自の方法をとっている。一様に納期を設定するのではなく、さまざまな条件を考慮して決める。製造中は常に顧客と連絡を取り合い、生産状況を把握してもらうことで納期を保証している。 また万が一のことを想定し、納品の数が確定 している場合でも緊急時に備え、ある程度余 剰生産している。しかし、この方法だとコスト管 理が課題となる。ほかの部分でコストを抑える ため、原材料の選択には気を遣っている。しか しもっと重要なのは、厳格なオペレーション管 理と、高効率を徹底できる技術チームの存在 であると劉勝涛総経理は強調する。

成熟した技術チームと管理チーム

鑫海ではすべてにおいて、日本式のマネージ メント手法を採用している。製品のどの品目で も毎日、正確な統計と報告表の記入が徹底され ているので、進捗状況は一目瞭然である。また、 事務部門においても報告表の記入が義務づけ られている。事務室に入ると、壁に所狭しと貼ら れた「各部門生産量評価一覧表」、「鑫海精密鋳 造品品質一覧表(合格率)」などの管理報告表 を目にすることができる。それだけでなく、ろう 型、ケース製造、製鋼後処理、機械加工、倉庫業 務と、行程・業務ごとに報告表がある。もちろん、 6Sの評価も厳格に行われている。

同社の呉金海董事長は、人材の育成に関し ても極めて重視している。

「顧客に良質なサービスを提供しようとすれ ば、技術管理と人材はいずれも不可欠だ」(呉 董事長)同社は常に社員教育の強化、深化に 取り組み、社員の一人ひとりが技術を発揮でき るステージを用意している。新入社員は配属 前に研修があるが、ベテラン社員も毎週1回、 退勤後に研修がある。 一方、劉勝涛総経理を 筆頭とする管理チームはほぼ毎日、午後6時に 会議を開く。勤務後の時間を利用し、業務中に 発生した問題の原因追及に専念しているの だ。これにより多くの問題が速やかに解決さ れ、翌日は朝から計画通りに業務に取りかかる ことができるため、作業効率が大幅に向上して いる。「私のチームには努力と進取の気性があ る」と劉総経理はうれしそうに語る。

また、同社はマーケティングや宣伝活動を非 常に重視している。中国国内で開催される鋳 造関連の大型展示会には毎年すべて参加して いる。日本、米国、欧州といった海外にもだ。毎 年、展示会には100万元を超える資金を投入 しているという。

今後は海外展開を本格化

最後に、同社を率いる劉総経理に今後の展 望について聞いてみた。劉総経理は日本に7年 間留学し、経営管理を専門に学んだ。卒業後帰 国し、日本独資の現地法人に入社した。そこで6 年間働き、統括主管として購買、生産管理、物 流、倉庫保管といった管理業務に従事した。豊 富なマネジメント経験を積んだ劉総経理は、 2013年初頭、総経理として鑫海に移籍し、わず か1年の間に売上高、市場シェア、工場管理と いった各方面で同社を1つ上のステップへと押 し上げた。

「鑫海の展開は国内にとどまらない。今年、あ るいは来年には、鑫海が国際舞台に登場する 様子を見て誇りに思っている我々がいるかもし れない」(劉総経理)鑫海のますますの発展を 期待したい。


北村 益見

鑫海副総経理/技術総監

40年に及ぶ鋳造加工経験を有する。テラル株式会社の エンジニアとして活躍。同社を定年退職後、嘉善鑫海精密 鋳件有限公司に再就職。2013年1月より現職。