顧客ニーズに合わせた提案力が強み ねじ・ボルト類・各種金属加工部品の現地調達支援で企業のコスト削減に貢献

嘉興市高島五金有限公司
会員番号:59683
所在地:浙江省嘉興市秀洲区美盾路58号 電話番号:0573-8279-2803 担当者:于溯洋

 1929年創業の(株)タカシマ(東京都千代田区)は、ねじ・ボルト・ナットなど各種締結部品の日本工業規格(JIS)品やオリジナル品を約30万品目以上在庫販売する、東日本最大規模の専門商社である。創業当初からのねじ専門店 や金物屋などへの卸売りに加え、近年ではエンドユーザーへの特殊加工部品の供給もおこなっている。

中国でJIS規格に対応できる 優秀なメーカーは希少


嘉興市高島五金有限公司 タカシマは、2007年に初の海外拠点として香港地区に「高島貿易有限公司」を設立すると、08年に「鷹島貿易(深圳)有限公司」を設立。そして、中国での業務を拡大させるために、12年、浙江省嘉興市に「嘉興市高島五金有限公司」を設立した。当初は、空圧機器メーカーの調達支援が目的だった。中国でも日本同様、JIS規格品に加え、顧客の設計やニーズに合わせた冷間鍛造、切削、プレスによる特殊加工品も販売している。 


 同社の立ち上げから携わり、当地で陣頭指揮を執る于溯洋総経理は、日本本社に在籍時、中国での調達を担当していた。タカシマが扱う30万品目の中には、中国産の製品も含まれるからだ。 


 于氏によると、日本のJIS規格品を製造できるメーカーは、中国ではそれほど多くない。規格に合った金型を所有していないという理由もあるが、もし所有していたとしても、生産量が少なければ管理にコストをかけることができず、品質を保証できるメーカーが稀有だからだ。于氏は、数々の工場を訪問し、要求に応えられるメーカーを開拓してきた。その多くが嘉興市周辺に集積していることから、当地が進出先に選ばれたのだった。 


 嘉興市は長江デルタの中心に位置し、上海市、杭州市、蘇州市にも近いことから、うってつけの場所だった。日本同様に発送は迅速だ。在庫のある製品については当日の発送も可能。嘉興近辺であれば、翌日には製品が届く。



「ユーザーの調達合理化 のための支援が使命」

 顧客のニーズに合わせた提案をできるのが同社の強み。15年からは、本格的に新規ユーザー開拓を開始した。在中国の日系企業は、日本本社を頼れば日本製の部品を購入できるが、輸入手続きなどの手間もあり、人民元で日本製品を購入したいというニーズは多い。タカシマは一次代理店としての日本での調達力があるため、安い価格で輸入できる優位性がある。


 一方で、現地調達に切り替えることでコストダウンを図りたいというニーズも根強い。同社は、どちらのニーズにも応えられる。「ユーザーの調達合理化のための支援が使命」と于氏は強調する。


嘉興市高島五金有限公司

 人が流動的な中国では、品質の安定は難しい。それが怖くて現地調達に踏み切れない日系企業も少なくない。そうした日系企業が安心して中国製品を購入できるように、同社では厳格な品質管理体制を敷いている。提携工場には定期的に訪問し、監査や指導を行っている。「不良品は現場で作られるので、現場を管理しなければならない」(于氏)からだ。また、製品の受け入れ時には、材質、寸法、精度の検査に加え、異物混入や打痕などの外観検査を人の目で行っている。必要に応じて全数検査も行う徹底ぶりだ。



劣悪品の使用でブランド 価値を損なうケースも

 基幹部品でないからといって、ねじやボルトの存在は侮れない。その品質が悪いゆえに、とんでもない事故に発展するケースがあるからだ。


 ある日系工作機械メーカーの工場は、中国メーカーから治具を固定するボルトを購入していた。設計ではJIS規格の六角穴付きボルトを指定していたが、その中国メーカーは、自社で開発したオリジナル品を納品してきた。これが問題だった。価格はJIS規格より2〜3割ほど安かったが、そのボルトを使用していたところ、振動でボルトの頭が取れてしまったのだ。現場では原因がわからず、于氏が相談を持ちかけられた。品質管理においてさまざまな経験をしてきた于氏は、すぐに素材に原因があることを疑った。そして検査してみると、JIS規格で定められているモリブデンが入っていないことが判明した。それが原因で靭性がなく、割れやすい状態になっていたのだった。


嘉興市高島五金有限公司

 この工作機械メーカーは、すぐに嘉興高島の提携工場からの調達に切り替えた。于氏は提携工場を探すにあたっては、輸出実績にこだわっている。海外の方が品質に対する要求が厳しいからだ。調達先を切り替えたことでこの工作機械メーカーは、いまは安定した生産活動を行っている。こうした事故は、決して珍しいことではない。「ボルトは安いもので、製品コスト全体に占める構成比は数パーセントにすぎない。そこを節約するためにブランドの信頼を損なっては元も子もない」と于氏は警鐘を鳴らす。



タカシマにしかできない サービスの提案強化を

 ユーザーであるメーカーは製造や開発への投資を重視するのが当然であり、「部品の調達業務は当社に任せていただき、こうした部品の調達業務よりも本業に人件費をかけるべきだ」と于氏は提言する。


 こうした提案力が評価され、嘉興高島の顧客数は順調に推移している。最近では日系企業だけでなく、中国企業からの受注も増加傾向にある。新規顧客の増加にともない、同社の今年の売上高は、前年のほぼ倍になる見込みだ。


嘉興市高島五金有限公司

 ただし、今後さらに拡大していくうえで課題となるのは営業力だ。「多くのユーザーさまにタカシマにしかできないさまざまなサービスの提案を強化していきたい」と意欲を見せる于氏。その熱意は中国国内にとどまらず、将来的にはベトナムなどの諸外国への展開も視野に、製造業の調達合理化に貢献する。