人員も設備も高度化した新工場 自動化とスマート化を積極的に導入 自動車業界向け金型への注力を堅持

上海佳谷模具有限公司
会員番号:53883
地址:上海市松江区车墩镇香泾路1069号 電話番号:189-1696-8102 担当者:呉雪琴

 「上海佳谷模具有限公司」は、高精度で高難度が要求される自動車業界を主戦場とし、日々練磨して技術を高め、顧客が抱えるたくさんの難題を解決してきた。そんな同社は昨年12 月、新工場を稼働させた。人員や設備をグレードアップさせるとともに、スマート化を積極的に導入し、加工工程の半自動化を進めている。統合基幹業務システム(ERP)、生産計画スケジューラ(APS)、製造実行システム(MES)を導入し、品質と効率をさらに向上させ、コストを下げ ることで顧客満足度を高める狙いだ。

不断の技術改良で 顧客の高い要求に応える


上海佳谷模具有限公司 高精度で高難度が要求される自動車部品の金型は、佳谷にとって欠かせない主力製品だ。目下、自動車関連の業務が全体に占める割合は70 ~80% に達し、品目も常に拡大を続けている。従来のプロテクター、ファスナー、ヒューズボックス、コネクタに加え、燃料タンクのバルブやフィルター などの製品にも広がっている。


 同社は日本やドイツ、スイスなどから輸入した材料を採用し、設計構造案から加工方法に至るまで、各ポイントで部品加工の品質や金型の寿命、コストをコントロールしている。金型の規格は30 ~650t まで対応可能で、寿命は30 ~200 万ショットを保証する。要求の厳しい金型については、0.003mm 以内の加工精度を実現する。納期は形状の複雑さにもよるが、通常で15~60 日程度だ。


 同社は長年、有名企業との取引を追求してきた。慣らし運転と改善により、顧客の高い要求を満たし、技術レベルを向上させ続けてきた。


 たとえば最近では、ある日系企業のためにファン関係の金型部品を供給した。これはファン製品に動バランスの指定があったため、金型の加工精度に対する要求が非常に高く、寸法公差は、2~3μm 以内にコントロールするよう求められた。半年近い取引を経て、いまでは品質が安定し、高精度の要求に常に応えられる状態にある。


 呉雪琴総経理は「要求の高い大手日系企業は、金型をほとんど日本で設計・生産している。金型一式を外注することは、ほとんどない。当社では金型部品からはじめ、取引中に技術力を高めてきた。機会があれば、こうした要求の高い顧客に金型一式を供給することも可能だ」と強調する。


新工場が本格稼働

 昨年11月には工場の移転が完了して、12月に正式に生産を開始した。呉氏は、移転の目的についてこう語る。


 「多くの顧客が自社で研究開発とアセンブリをするようになり、それにより、樹脂金型の開発と射出成形の工程のすべてをサプライヤに委託するようになった。こうした顧客の需要にさらに応えるため、当社では射出成形事業を拡大する計画を立てた。しかし、元々の工場ではスペースに限りがあり、設備を導入することができず、生産能力を上げることに限界があった」


上海佳谷模具有限公司

 新工場の広さは1500㎡から4800㎡に拡大し、交通の便がさらによくなった。成形機はファナックや日精樹脂工業などの高性能のものを含め、26台に増加した。


 金型部門には55名が在籍し、新設の射出成形部門には、40名が在籍している。そのうちの約3割がエンジニアだ。日本人の営業マン1名と品質管理、金型加工の専門家各1名も加え、新規開拓や品質と技術、コストの管理を強化している。この8月には、IATF16949の認証を取得する計画。新たな認証を通じ、射出成形の業務の比率をさらに拡大し、自動車以外の電子、医療、化粧品などの分野でも高精度の機能部品や構造部品を供給していきたいとしている。



企業のソフトパワー向上を 自動化とスマート化を推進

 「国家の繁栄の根本は製造業にある。企業の繁栄の根本は、人にある」と呉氏は、従業員の一人ひとりが業界トップクラスの人材に成長することを望む。同社では、従業員に日本やシンガポール、ポルトガルなどで顧客との技術交流や研修する機会を提供している。さらには専門の研修講師を招き、職業計画や心構え、職業技能などの研修を行っている。特にチームワーク養成や米モトローラが考案した「シックス・シグマ」、リーンマネージメントといった持続的改善に精力を注いでいる。


 効率の向上とコスト削減をいっそう進めるため、同社はスマート化を設計するソフトウェアを積極的に導入している。パラメーターを入力するだけで、設計のモジュール化を自動的に進め、自動的に部品リストが作成され、ラベリングされる。


上海佳谷模具有限公司

 今後は、加工工程の半自動化を推進していく。いまは準備段階で、スマート化と自動化がスムーズに導入されシステムが切り替えられるよう、まずは各工程で分類整理と最適化を進め、作業と管理の標準化を推進している。電極の加工の半自動化と測定の自動化、放電加工における自動化の導入を通じ、設備の稼働率を上げ、人為的ミスを減らし、エンジニアへの依存度の低減を図る。加工品質の向上、リードタイムの短縮、生産能力の拡大といった角度からコスト削減の効果までを見込む。


 さらには、半年から1年の間にERP、APS、MES による金型生産管理システムを導入する計画だ。注文から金型の見積り、プロジェクト管理、購買、在庫管理、生産、組立、トライおよび調整、メンテナンス・補修に至るまで、金型のライフサイクルを管理する。どの部品にもQR コードが貼られ、加工工程、作業時間、作業員の情報が自動的に記録される。品質、コスト、実績など一連の指標をシステム化することで、履歴を遡って管理することができるのだ。人の記憶に頼る必要がなくなり、インターネット回線さえあれば、プロジェクトの進捗状況をリアルタイムに調べることができ、スマート情報化による高効率の管理目標を実現する。



対日・独輸出額を拡大 タイ市場にも触手

 新たな市場開拓の計画に話題が及ぶと、呉氏は、「今年下半期は対日本、対ドイツ輸出額を拡大させるとともに、タイ市場の開拓を一歩進めたい」と展望を語った。まず6月に開催された「Mfair バンコク2017ものづくり商談会」に出展。閉幕後には、現地の企業5、6社を訪問した。1年以内にタイに現地法人を設立し、当地の日系企業に金型を供給するほか、既製の金型のメンテナンスや補修サービスを展開する計画だ。


 「日本車はタイでとても人気がある。大部分のメーカーのメインエンジン工場がタイにはあり、金型需要は少なくない。ところが、タイ企業の自動車向け金型の研究開発技術は、中レベル以下にある。長年にわたって外資企業に高難度で高精度の自動車向け金型を供給してきた当社にとって、タイ市場は東南アジアにおける製造業の中心として、とても大きな魅力がある」(呉氏)


上海佳谷模具有限公司

 熾烈な競争の中、佳谷は、ハイエンド市場では高精度、高難度の金型および成形品の製造を実現しつつ、ミドルレンジ市場では高い効率により低コストを実現し、顧客の満足度を上げていきたいとしている。