Sanko Electronics (Thailand) Co., Ltd.

顧客の思いを「かたち」にするハーネスメーカー
カンボジア・ポイペトにサテライト工場を来春稼働

 



ワイヤーハーネスなど電装品の製造を手掛けて半世紀以上。名古屋市に本社を置く三幸電機は、アメリカ、香港に続き、2009年5月、タイに上陸した。洪水被害の心配のない東部プラチンブリ県を工場設置場所とし、稼働から間もなく7年になる。現在ではメキシコと中国にも生産拠点を構え、また来春にはタイ国境に近いカンボジアでサテライト工場の稼働を予定している。タイ自動車業界の回復を視野に、一歩先を行く同社の取り組みについて話を聞いた。




■中間工程工場

 バンコクからほぼ真東に150キロ。国道304号線に沿った巨大な「304工業団地」の中にプラチンブリの工場はある。15.12ライ(約24200㎡)と広大な敷地に、工場等の建屋面積は4200㎡。操業当初の2100㎡から2014年に拡張した。生産ライン、従業員ともに増設・増員し、現在は560人体制で稼働。タイ国内向けや日本向け、堅調な北米市場向けに主力のワイヤーハーネスを生産し、出荷している。

 サテライト工場は、タイ・サケーオ県アランヤプラテートとカンボジア・ポイペトの国境沿い、カンボジア側にある国境経済特区の中に置いた。敷地面積2400㎡の土地に、ワイヤーハーネス生産の中間工程を担う工場を設置する。当初採用予定人員は140人。プラチンブリ工場の子会社としての位置付けで、当初計画ではトラックで週2便、陸上による輸送を行う予定だ。将来は増産に伴うデイリー配送も視野に入れているという。

 ポイペトの地が選ばれたのは、首都プノンペンなどよりも勤勉で賃金の安価なワーカーが多数存在するという労働市場環境に加え、「距離的なメリット、大きな“地の利”があると判断した」と横井裕幸Sanko Electronics (Thailand) Co.,Ltd.社長。プラチンブリ工場からは東南東にほぼ直線で高規格道路が走っており、全長もわずか120キロ。バンコクなどの都市部にあるような渋滞も見られず、計画立った生産や配送が可能となる。海抜50メートル強は洪水被害への不安も全くない。

 ここに生産ラインや品質管理などのタイ人技術者を派遣し、指揮を執らせる。彼らの補佐役となるタイ語を解するカンボジア人も中間管理職として配置予定で、会社の法人登記が終わり次第、プラチンブリ工場に招聘して入念な研修を実施する計画だ。「人が育ち、地の利もあり、機会までも得た。道のり続く南部経済回廊の先にある未来を、社員と共に掴みに行きたい」と横井現法社長は話した。

■品質への挑戦

 三幸電機のワイヤーハーネスは、四輪、二輪ともに日系だけにとどまらず、主要顧客を通じて世界の主要なメーカーで採用されている。搭載する車体の形状や流行に応じて使用素材やデザインもさまざま。メーカーごとに多くの制約があって汎用品のように一筋縄ではいかない。そうした環境下にあっても問われてくるのが、品質の高さと低価格の実現だ。生産計画やデザインの変更は日常茶飯事が常識の世界。「独自色が出しにくいところで、どれだけそれを出せるか。顧客ニーズの変化を一早く察知・把握し、小回りに対応する。それが我が社の独自色」と福留一臣工場長も言い切る。

 そのための品質管理には余念がない。ワイヤーハーネスの要である圧着工程では、クリンプフォースモニターを全設備に設置し て モニタリング管理を実施している。製品品質を均一に確保するための設備ではあるが、通常の民生品にはここまでの設備投資は要求されない。だが、同社のハーネス製品が搭載されるのは人の命に直結する自動車や二輪。「要求難易度が高くてもクリアしないわけにはいかない。お客様から頂く信頼は、何物にも代え難い 」 (横井現法社長)という決意の言葉に、責任の重さと誠実さが伝わってくる。

■品質管理担当の女性マネジャー

 他社では敬遠されがちな小ロット多回路品も、工程数の多さや部材確保の困難性を可能な限り乗り越えて顧客のニーズに応えている。製品に応じた治具の開発や部材の見直しも随時行っている。「すべては品質のため」と話す福留工場長。その右腕となるのが、品質管理担当の女性タイ人マネジャー・ウム(Oum)さんだ。プラチンブリ工場操業当初からのベテラン。今では数十人の部下を率いて、全社的な品質管理に当たっている。横井現法社長も「彼女がOKを出した製品は自信を持って顧客に提供できる」と全幅の信頼を寄せる。ウムさんのみならず、会社の中枢を担うタイ人社員の成長は著しく、カンボジア・ポイペトに設置するサテライト工場においての体制確立に、その手腕の発揮が期待されている。

 2017年中には、前政権時のファーストカー政策の転売禁止期間も終了し、自動車の購買需要も緩やかに回復基調に向かうと見る。「それをゆっくりと待っていてからでは遅すぎる」と異口同音に語る横井現法社長と福留工場長。顧客需要の確認を再度行って、来る「その時」に備える方針だ。顧客ニーズを「かたち」にするワイヤーハーネス・メーカーの三幸電機。タイにおける今後が楽しみだ。





Sanko Electronics (Thailand) Co., Ltd.


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Tel. 037-481-095 Fax. 037-481-097
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098-568-0918
masa.k@sankoelec-th.com

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