遅咲きの経営者が磁石の性質と経験 企画力を活かし中国の社会に貢献

 

株式会社テクノプラン

特克能機械(蘇州)有限公司

TECHNO-PLAN MACHINE (SUZHOU) CO., LTD.

 

 

会員番号:11764

住所:江苏省苏州市太仓市经济开发区板桥管理区发达路90号
電話:0512-5344-8686
連絡先:(株)テクノプラン 代表取締役社長 田中 勝

 

 

 

 

 

遅咲きの経営者が磁石の性質と経験
企画力を活かし中国の社会に貢献

 

 

20年前、中国の市場をはじめて体感した田中創一氏は、今後の世界の中心になる予感を感じ取った。改革開放の波に乗って活気に満ちた若者達と共に青春をもう一度謳歌してみたい衝動に駆られた。中国での夢を追いかける20ページにおよぶ企画書で二度にわたって意見具申したが、却下された。「自分でやるしかない」53歳の決断であった。

 

 

 

人を魅了する磁石を追い求め続けた15年間

 

1998年9月、技術と企画力で発展させたい思いを込め、「テクノプラン」と命名して田中氏は会社を立ち上げた。

 

資金も技術も人脈もない、ないない尽くしの門出であった。
「ただただ誠実にひた向きに前向きに、夢を追い続ける」(田中氏)
この情熱だけが財産であった。

 

翌年には、上海に事務所兼倉庫を開設し検査業務を自前で行う体制を構築。江蘇省無錫に「兄弟同然」(田中氏)となる協力者を得て、OEM委託生産による日本への輸出を開始した。

 

創業時はご多分に漏れず、資金繰りの苦労があった。ほかにも困難は多々あったが、それらを乗り越えてきた。

 

「人材面など語りつくせぬ艱難辛苦の連続であったが、持ち前の明るさと粘り強さと行動力で、日本と中国の現実から学んだ。理論理屈を聞きまわり、最後は自分の頭で考えて決断。つねにオープンを心がけて、みなさんのご協力と社員の頑張りで乗り切ってこれた」(田中氏)

 

その結果2003年、独資で現地法人を設立した。コストが高騰する上海を避け、太倉を立地に選んだ。空気、水、人がよいところが気に入ったからだ。

 

それから5年の歳月をかけて、2008年に全社員の勉強と努力により、ISO認証の資格を得た。しかしそれで終わりではなく、「泣いた、笑った、抱きついた感動を忘れずに、以後自主的に毎年審査をお願いして改善改良に励んでいる」(田中氏)という品質維持の徹底ぶりだ。

 

 


違いは言葉ではない、思考も習慣も文化も違う

 

田中氏は、中国を舞台に活動する困難さの壁に何度もぶつかってきた。日本人なら当然のことが、中国では違う。そのことが測できない。このもどかしさの克服から、田中氏は自分が変わるしかないという結論にいたる。

 

「横断歩道、堂々と渡れば怖くないという定価のない世界を生き抜くには、己の目と耳を鍛えるしかない。他人が悪い自己防衛の世界では、自分が悪い、至らないと考え、その態度と姿勢を貫くしかない」(田中氏)

 


多品種少量は中国では不可能なのか

 

マグネット応用機器の多くは工場内で活躍するが、大量に必要とされるものではない。どうしても多品種少量生産になるので、300種類以上の製品を扱う一方、生産量は多くても1000を超える程度。ほとんどの製品が三桁という生産量の規模だった。ところが「意識の壁」が、安定的な生産を難しくした。

 

「『大量生産しか馴染めない』『一生涯機械工しかしない』『私の仕事はこれだけ。他人と仕事で接触したくない』『命令はしても責任は取りたくない』『文章は書きたくない』そんな習慣に挑戦。この『意識の壁』に挑戦した10 年間だった」(田中氏)

 

試行錯誤した結果、田中氏は複写伝票を利用することにした。それによって管理者と従業員が受注情報を共有し、現状を把握することできるようになったのだ。

 

 


LEDライトホルダーが販売数10万個突破

 

製品カテゴリーは、「選別機器」「搬送機器」「工作機器」「素材・パーツ」に分類される。

 

搬送機機は、磁気を利用して鉄製の素材を持ち上げ、ライン間などを移動させる。数グラムから10トンという、幅広い重量への対応が可能だ。ロボットの手先に装着すれば、電流によってオン・オフなどをコントロールすることができる。

 

工作機器には、Vブロックや測定器などがあるが、日本人がノーベル物理学賞を受賞したことで脚光を浴びているLED関連の商品にも注力している。自動車の車体の下といった暗所での作業、あるいは停電の際などに、マグネットを利用してLEDライトを取付けることで、作業者の視野と安全性を確保することが可能になる。なかでもライトホルダーは、10万個を売り上げたヒット商品だ。

 

人材育成はいまでも課題のひとつとしてあるが、「責任を負える者になれ」と田中氏は常に強調している。いずれは、中国法人の経営は中国人にまかせたいという思いがあるからだ。

 

「中国の生産コストの安さをあてにしたビジネスでは長続きしない。最終的には、中国国内での販売を拡大していかなければならない。そのためには、『中国人の中国人による中国のための工場』にすることが至上命令だ」(田中氏)

 

中国人は、指示されたことはできても自ら考えて行動することが苦手な人が多いとよくいわれる。田中氏は、「仕事が義務になってしまったら成長はない」という哲学の下、中国人社員が自主的に考えて行動できるような教育を心がけている。

 

こうした姿勢は社内に対してだけではない。無錫の協力会社とは創業前からの付き合いで、自社工場設立後もそれまでと変わらず、単なる外注先以上の存在となっている。同社を育てるため、田中氏は10年以上にわたり、自身の経験とノウハウを惜しみなく伝えてきた。

 

テクノプランは小さな企業ではあるが、中国でモノづくりをするうえでの理想型がここにある。

 

同社は今後は、中国国内で顧客を開拓していきたいとしているが、そのために新たな製品の投入を準備している。それは「選別機器」だ。

 


NC&MC の自動化に貢献できる切子処理の自動化

 

選別機器は、機械加工によって出る切り子、あるいは微鉄粉や粉塵を磁石の力で吸い寄せることで取り除く。また、破砕機でバラバラになった物質から鉄だけを取り除き、作業廃棄物の処理を容易にする。

 

こうした技術は、食品業界でも活躍する。昨今、食の安全が取りざたされているが、1万2000ガウスという非常に強力な磁石を設置し、飲料や食品を通すことで、製造過程で混入した砂鉄以下の微粒粉末を除去することができるのだ。

 

磁石の性質に田中氏の経験と企画力をプラスし、中国のニーズに合致した製品を投入することで、同社は中国の社会にこれからも貢献していく。