1ミクロンの妥協も許さない徹底した品質管理が産業用ロボットの世界シェア1位を支える

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 安川(中国)机器人有限公司

 江苏省常州市武进高新区武进西大道59 号
  TEL 0519-8622-0601

 

董事总经理: 荒木 伸弥

       

 1ミクロンの妥協も許さない徹底した品質管理が
産業用ロボットの世界シェア1位を支える

習近平国家主席が副主席を務めていた2009年に日本を訪問した際、ある民間企業を視察した。来年、創業100周年を迎える安川電機だ。創業者である安川敬一郎氏は、孫文の革命活動のために資金を拠出したこともある。中国と縁のある会社といっても過言ではない同社は、インバータやサーボモータなどのモーションコントロールとロボットを中核事業とし、世界的に高いシェアを誇っている。産業用ロボットに関しては世界シェアトップで、中国市場でもシェアは20%超で1位を獲得している(出典:IFR)。

ロボットでは初となる海外生産

世界中に拠点を構える安川電機だが、ロボットだけは日本国内での生産体制を守り続けてきた。しかし昨年、中国の旺盛な需要を取り込もうと、安川(中国)機器人有限公司を設立。江蘇省・常州に工場を建設し、6月より生産を開始した。

常州工場で生産されているのは、アーク溶接ロボットとスポット溶接ロボット。日本とほぼ同じ型の製品が生産されている。供給先は自動車業界が6割で、ほかは建機、農機、住宅などさまざま。日系企業、欧米や中国企業にも納めている。

生産量は、開業から現在にいたるまで右肩上がりで、8月現在で月産400台超に達している。「現地生産によって納期がかなり縮まったことが受注増につながっているのでは」と荒木伸弥総経理は分析する。2015年度は月産500台以上を計画。今後中国国内だけでなく、東南アジア諸国連合(ASEAN)や韓国への輸出も視野に入れ、18年度をめどに月産1000台に引き上げる計画だ。

環境に優しい工場

順調なスタートを切った常州工場だが、開業当初は苦労続きだった。最も苦心したのは部品調達。本社から指定された部品を使用しなければならないため、ほとんどを日本からに輸入に頼っていたという。当然、リードタイムは長くなるし、500以上に及ぶ主要部品のひとつでも欠けると、生産はストップしてしまう。荒木総経理は、急ピッチで現地調達を進めた。サーボモータやサーボパックといったコアとなる電子部品は、安川電機瀋陽工場からの調達に切り替えた。ほかの部品についても、本社に指定されたメーカーの現地法人を中心に国内調達へと切り替えていった。そうしてこの短期間の間に、現地調達率は75%まで上昇。近々90%に達するという。


ロボットの頭脳であるコントローラーも同じ工場内で製造できるのが安川電機の強み           アーク溶接ロボットは、ロボットによって組み立てられる
 

環境負荷の低減でも苦労した。ロボットの塗装工程において、まずグリスなどを落とすために洗浄する必要があるが、普通は有揮溶剤が使用される。そして塗装には、油性塗料が用いられる。しかし、環境対策がますます厳しくなっている中国では、有害物質を使用するためには認可が必要。申請をすればいいのだが、同社では、環境に負荷をかけない選択肢を選んだ。「環境をよくすることが品質につながると確信している」(荒木総経理)という理念があったからだ。

そして研究に研究を重ねて開発されたのが、ドライアイスを使った洗浄だ。さらに塗装には水性塗料を用いることで、環境に負荷をかけない塗装ラインが完成した。

日本以上に厳格な管理で品質を確保

こうして課題を一つひとつ解決することで生産を安定させてきたわけだが、加えて忘れてならないのは、品質管理の厳格さだ。12名もの日本人が本社から派遣され、工程の要所要所で目を光らせている。

サプライヤからの部品の受け入れでは、全品検査を実施。20名体制で不良品の侵入を食い止める。3次元測定器を備えているのはもちろんだが、主要部品に関してはサプライヤにも3次元測定器の所有を条件に求めている。

「何ミクロンという世界でやっているので、不具合が出ても見た目ではわからない。だからとことん追及する」(荒木総経理)

それは中国国内での調達品だけでなく、日本からの輸入品まで全数検査をするという徹底ぶりだ。

完成品の試験のやり方についても、他社とは違う。安川電機では、ロボットのボディと平行してコントローラーもつくりはじめる。実は、コントローラーを同じ工場のなかでつくっているメーカーはあまりないという。

「基本的には外のメーカーにアッセンブリしてもらって、完成品を組み込むというのが多い」(荒木総経理)

ところが安川電機では、同期生産にこだわる。

「コントローラーは、お客様の仕様が最も多く入ってくる部分。ボディと同時に試験することで、初期不良を徹底的に潰しこむことができる」(荒木総経理)

その試験に費やす時間は日本よりも長く、24時間の連続稼働を含め、48時間もかけている。同じ動きをひたすら繰り返すことで、動作の精度を確かめるのだ。品質の悪いロボットだと、長期間の稼働で動作に徐々に“ずれ”が生じてくる。そうなると、元に戻すために毎日調整をしなければならなくなる。それはユーザーにとって、大きなストレスとなるだろう。そうしたずれをなくし、安定的な動作を保証するために、徹底した品質管理体制を敷いているのだ。「地味だけど、品質を上げるためには大切な部分」(荒木総経理)であり、その愚直なまでの品質へのこだわりが、安川電機を世界一の企業へと押し上げたのだ。

9月には、ハンドリングロボットの製造・販売も開始した。中国企業からのニーズが高まっているのだという。常州工場では、今後も需要を見ながらさまざまなロボットを生産し、将来的には、中国で開発する可能性もあるという。そのためには、市場の底上げが必要だ。 「中国でロボットが使われるようになったのは最近なので、お客さまに知識がない。興味本位で買いたいと思っても、具体的にどうしたいという絵が描けない。その部分を我々で提案していきたい」(荒木総経理)

安川電機のロボットが、中国の製造現場を変える。

 
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