E&H Precision (Thailand) Co., Ltd.

E&H Precision (Thailand) Co., Ltd.

 

産業支える精密切削技術で22年
アセアン最大級の設備でどんな依頼にも応える



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    工場内に見渡す限りに並べられた圧巻の自動旋盤670台、各種加工機等200 台以上。今日もここから、タイの製造業を支える自動車・電気の各種部品 や工業品が出荷をされていく。例えば真円度0.3ミクロンという高難度の管理さえ も可能とする精密切削/研削加工のリーディングカンパニー平岡産業グループE&H Precision(Thailand) Co., Ltd.のタイ工場。タイに拠点を移して満22年。東南アジ ア(アセアン)最大級の設備揃えで、どんな依頼や要請にも応えてきた切削加工企 業の製造現場を訪ねた。

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    ずらりと並んだコンピュータ数値制御 (CNC)自動旋盤機やカム式自動旋盤機の数 々。最新鋭の新型機器はもちろん、製造から30 数余年が経過した熟練の加工機も。ただ、いず れもオーバーホールなどのメンテナンスは十 分に行き渡っており、稼働させるプログラムも 最新式。性能には何ら遜色なく、これがどんな 依頼や注文にも安価で迅速に対応していくた めの自慢の布陣となっている。

    「下請けの底辺に位置する自動旋盤業は、 なかなか差別化が難しい世界。技術力を高め る努力はあったとしても、一定の水準を超えれ ば大きな差はないと言ってもいい。だからこ そ、何にでもチャレンジする。業種も問わず、 ロットも問わず。自動旋盤で加工できるものな らコモンレール・インジェクター部品、ター ボ-チャージャー部品などエンジン周りの部 品をはじめ、エアコン、オーディオ、家電、釣り 具部品など幅広く。そのうえで、他社が追いつ けない(安価な)価格を出すこと。これが勝つ ための最大の秘訣なのです」と最前線で陣頭 指揮を執る平岡泰浩社長は言い切った。

    タイに進出したのは1995年9月。「今、思え ば、相当に無理をした決断だった」(平岡社 長)。85年のG5プラザ合意はその後の円高を 急伸させ、1ドル70円台後半から80円台の高 水準に。国内の製造業は立ち行かなくなり、メ ーカーは次々と仕事を求めて海を渡っていっ た。一方で、「自分のところは日本の小さな町工 場。自分たちだけが食べられればいいとも考 えたが、それだけの仕事さえもなかった」 (同)。

    転機は取引先からの誘いだった。「一緒にタ イに出てみないか」。しかも与えられた時間は ごくわずか。「一週間で返事をしてくれ」だっ た。確かに今、国内に前向きの話はない。で も、明治40年(1907年)に曾祖父が東京・青梅 市で創業した「平岡織物」が原点。戦前に最盛 期を迎えた織物業であるが、72年に自動旋 盤・切削加工業へと転業はしたものの、戦後は 一貫して「三ちゃん会社」の状態。また、自分た ちの代で日本を離れるようなことをしていい のか悩みに悩んだ挙句に導き出した結論は、 「諦めたくない」という自らの思いを信じてみ ることと、先祖に対する家業再興の誓いだっ た。

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■自動車関連分野にシフト


    当時、タイでは自動車や電気の分野を中心 に日系メーカーの進出が始まったばかり。だ が、幸運なことに金属切削部品などを扱う自動 旋盤業のライバル企業の進出は、まだほとん どなかった。カーステレオ向けの部品製造か ら始まったタイでの事業。注文は面白いように 舞い込んできた。技術力の高さと丁寧な仕事 ぶりは高い評価を生み、顧客も次第に増えて 行った。評判を聞きつけた大手自動車関連メ ーカーの担当者が会社を訪ねて来て、「これか らの時代は自動車。そちらにウイングを広げた ほうがいい」とそっとアドバイスしてくれたこと もあった。2004年ごろのことだった。

    こうして自動車や二輪部品の分野へ軸足が 向くようになると、営業力の強化も必要とされ た。専任のスタッフを雇用し、営業部を置い た。展示会にも出展し、広告掲載にも力を入れ た。このころ主力の製品は自動車向けのイン ジェクターやブレーキ、ポンプ、エンジン回りな どの各部品、二輪向けならキャブレター、それ に進出直後からのカーステレオ向け部品など と広がりを見せていた。特定の品目だけに頼 り過ぎないリスク分散ができるようになってい た。

    顧客も増えてくると、海外向け輸出も次第に 手掛けるようになっていった。当時急成長にあ った中国、それにドイツなど伝統的な欧州市 場が当初のターゲットだった。10年前はほぼ ゼロだった海外輸出。現在は直接輸出だけで も30%、間接も含めると約半数にも達するま でに。グローバル化が今後の基本的な戦略の 一つとなるのは明らかだった。

    このため、2012年にはインド最大の州ラー ジャスターン州で現地工場を稼働(法人は10 年設立)。自動車向けインジェクターやキャブ レター、ブレーキ部品などの生産を開始した。 「インド市場はまだ発展途上。高度なものに 挑戦できる余地がある」(平岡社長)と、今後は 入手が難しく他社が取り組まない素材を使っ た製品の開発などにも力を入れたいとする。 また、16年にメキシコ工場を立ち上げ日系や 欧州企業に向け部品納入を進めていく考え だ。

■高付加価値製品の開発へ


    企業理念を「一所懸命」とする同社。タイで 成功した理由を平岡社長は「失敗を恐れず、 最初に勇気を振り絞って進出した結果」と振り 返る。それによって得られた先駆者利益が、同 社の力の源泉となっているという。後発のタイ 進出ライバル組の中には、市場に浸透できず 既に撤退や廃業を決めたところもある。「現在 のタイの製造現場は日本と同様の明らかなレ ッドオーシャン(価格競争に陥った市場)に陥 っています。その中で、いかにキング・オブ・レ ッドオーシャンになれるか。これができなけれ ば勝ち残ることはできません」と同社長は分析 している。

    同社では今後、新たな需要の取り込みや付 加価値を高めた製品の開発に力を入れたい としている。「業種で言えば医療、航空機、ロボ ットなどに関心があります。そのためのマーケ ティングを既に始めています」と話すのは次世 代を担う平岡崇之副社長。現在、専用サイトを 作成中で、付加価値を向上させるための分析 手法「VA(Value Analysis)」の活用も進める方 針だ。「諦めない」から始まった町工場の挑 戦。タイ進出(95年)、自動車関連業へのシフト (05年ごろ)に続く第3幕が、いよいよ始まろう としている。

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『弊社は「切削加工の百貨店」です。 高難易度製品の供給、コスト削減のお手伝い ができます。ぜひ、お声がけください』 (営業担当:田村)
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